プロローグ
「結局のところこうするしかないんだね。」
「あははは。あなたには私を殺せない。分かってるでしょう??あなたは弱いもの。あなたには殺せない。」
俺は確かに弱い。この方法しか思いつかなかった。俺にはこの娘を殺せない。それは実力のせいだし、この感情のせいだ。だから…
「始めようか。」
「誰?!」
「この人達は組織の人達だよ。」
「な!?あなたまさか!?」
そうだよな。にくいよな。そもそもこいつらがすべて奪ったんだから。でも俺にはこれしかできない。
「俺には殺せないし、この人数でも殺すことはできない。けれど封印ならどうかな?」
「くっ!!」
「永久に堕ちろ哀れな狂気の娘。フェンリルを縛る鎖よ。今ここで彼者を縛れ。」
組織の人間と俺の声が重なる。
「グレイプニール。」
何もないところから鎖が出現し彼女を縛る。
「こんなもので!」
「無駄だよ。ねえ言い残すことはあるかな?よく考えてから言ってね?」
「…さ…い。許さない。絶対に許さない!!!」
「ごめんね。そしてありがとう。」
俺を憎んでくれて。ありがとう。そして今まで愛してくれてありがとう。俺は君を永遠に愛してるよ。
「さよなら。」
大事な大事な俺の…