戦国最強の忍、幕末に舞う〜坂本龍馬を救ったのは、歴史から消された「大友宗麟の忍者」岡田以蔵」だった〜:聖痕のジャガス鬼姫 ― 血の起源
戦国最強の忍、幕末に舞う〜坂本龍馬を救ったのは、歴史から消された「大友宗麟の忍者」岡田以蔵」だった〜
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■聖痕のジャガス鬼姫 ― 血の起源
(遠い過去。ヨーロッパ。雪と灰の大地)
空は、ずっと暗かった。
戦は終わらない。
村は焼け、井戸には死体が浮かび、
祈りは意味を持たなかった。
それが——三十年戦争。
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(廃墟の教会)
幼い少女が、倒れた母を揺らしている。
少女
「……起きて」
返事はない。
母の胸には、黒く変色した傷。
剣ではない。
腐っている。
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男の声
「それに触れるな」
振り返ると、黒衣の医師。
顔の半分を布で覆っている。
医師
「それは“病”だ」
少女
「……びょう?」
医師
「そうだ」
(静かに近づく)
医師
「だが——作られた病だ」
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(場面転換:地下室)
ガラス瓶。液体。血。
医師たちが議論している。
医師A
「戦は長すぎる」
医師B
「だから終わらせる」
医師A
「どうやって?」
医師B
「“恐怖”でだ」
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(少女、隅で見ている)
医師B
「剣では終わらない」
医師B
「だが、病なら終わる」
医師B
「見えない死は、兵を壊す」
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(少女の目が揺れる)
少女
「……それで、みんな死んだの?」
(医師たち、沈黙)
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医師(最初の男)
「違う」
(しゃがんで目線を合わせる)
医師
「“救うために”作った」
少女
「……?」
医師
「早く終わらせるためだ」
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(間)
少女
「……嘘だ」
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(医師の目がわずかに揺れる)
医師
「……なぜそう思う」
少女
「助けるなら」
少女
「こんな顔しない」
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沈黙。
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(外、鐘の音)
また村が焼かれる。
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医師
「……連れていけ」
他の者たちが少女を囲む。
少女
「どこに……」
医師
「“次”の場所だ」
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(場面転換:船)
嵐の海。
オランダ船。
異国の男たちと、日本人の影。
その中に——一人の女。
霞の忍び。
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霞の女
「それが“種”か」
医師
「ああ」
霞の女
「面白い」
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(少女を見下ろす)
霞の女
「壊すか、使うか」
医師
「生かす」
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霞の女(わずかに笑う)
「忍びと同じだな」
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(少女の顎を持ち上げる)
霞の女
「覚えな」
霞の女
「毒も薬も、同じものだ」
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少女
「……いやだ」
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霞の女
「選べないよ」
霞の女
「戦の中じゃね」
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(少女、涙をこらえる)
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(時間経過)
刃の扱い。
解剖。
薬草。
血。
焼く匂い。
叫び。
無言。
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(成長した少女)
彼女の足元には——踵に仕込まれた刃。
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師の声(重なる)
「即死させるな」
「苦しませろ」
「恐怖を広げろ」
「だが、治せ」
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(少女、低く呟く)
少女
「……矛盾してる」
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師
「それが“完成”だ」
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(場面転換:現在へ繋がる)
鬼姫、静かに目を開く。
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鬼姫
「……だから私は」
鬼姫
「治せるし、壊せる」
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(小さく)
鬼姫
「どちらも“正しい”から」
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(だが)
一瞬だけ、幼い頃の記憶がよぎる。
母の顔。
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鬼姫(わずかに揺れる)
「……違う」
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(すぐに消す)
鬼姫
「違わない」
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(静寂)
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遠くで戦の音。
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鬼姫
「終わらせるために」
鬼姫
「続ける」
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暗転
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