新たな仲間!
「お兄さんも……私の家族なの?」遠くの夕日が、人々や遊園地の遊具を長く長く引き伸ばし、まるで積み木のように重ね合わせていた。橙色と紅色の光は人々の姿さえもキャラメル色に染め上げ、どこか神秘的で甘ったるい雰囲気を漂わせている。母親が手作りしてくれた人形をぎゅっと抱きしめながら、幼い少女は不思議そうに尋ねた。
「そうだよ。」「お兄さん」と呼ばれた少年は、優しい声でそう答えた。その優しさの奥には、隠しきれない悲しみが滲んでいる。「僕たちは、ずっと家族だよ。」
少年は彼女の手を握り、自分自身に誓うように言った。「約束する。いつか必ず、僕が君を迎えに来るから。」そして小指を差し出す。「指切り、しよう?」
「……うん。」少女はまだよく意味を理解できないまま、小指を差し出そうとした。その時、焦ったような声が、それを遮った。
「……ん……」月光は苦労しながらゆっくりと目を開いた。幸いにも、目に差し込んできた白い光に不快感はなかった。傍らにあったぼんやりとした人影が、少しずつ鮮明になっていく。
まりやが尋ねた。「もう、目に違和感はないね?」
「ああ……もうないです。」
月光は周囲を見回し、異常がないことを確認した。そして雨水に頼んだ。「六月を探しに行きます。それと、色欲のあいつも。」
雨水は、はっきりと拒絶することはなかった。だが、探るように問い返す。「他の奴だったら、すぐに許可してやるところなんだがな。だが、お前はついさっきまで魔神と戦っていたばかりだ。まだ身体も回復していない。そんな状態で危険な真似をさせるわけにはいかない。」雨水がそう答えるのも無理はなかった。月光がさらに説明しようとした、その時、マモンが唐突に口を挟んだ。「お前が一時的に目を見えなくされた奴……そいつが、輝く金色の目をしていたっていうのは本当か?」そう言いながら、マモンは皮をむいて切ったリンゴを海棠へ差し出した。
「えっ……金色の目がどうかしたんですか?」月光は、まだ月神教のことを何も知らなかった。
マモンは立ち上がると、自分自身を落ち着かせるかのように、棚に飾られていた花を少しいじった。「まさか……こんなにも早く、次の行動に移るとはな……」
事情を多少知っている雨水を除き、病室にいた者たちは、突然険しくなったマモンの表情を不思議そうに見つめていた。
やがてマモンは、覚悟を決めるように一度息を吐いた。そして、彼らへ向き直る。「……そろそろ、全部話しておく時が来たようだ。」
それはあまりにも長い話だった。それでも、海棠、まりや、雨水、そして月光の四人は、決して気を抜くことができなかった。「……そういうことだった。」そう言い終えると、マモンは見舞いに持ってきた黄色い花の花びらを、また弄んだ。そして月光をちらりと見やる。その驚愕した表情から、何かしらの異変を読み取ろうとしたのだ。しかし、月光は何の異変も見せなかった。
「……まるで、荒唐無稽な話ですね。」月光がそう口にする。たった一言だけでは、マモンにも何かを見抜くことはできなかった。「確かに、荒唐無稽な話に聞こえる。だが、これが事実だ。」マモンは続けた。「月神教が生み出した『キメラ』だけが、あれほど鮮やかな金色の目を持つ。奴らが何の理由もなく、六日とあの色欲の悪魔を連れ去るはずがない。」
マモンは雨水の肩に手を置いた。突然肩に手を置かれた雨水は、何のつもりなのかと不機嫌そうな顔をする。「雨君。私がお前の立場だったら、立夏月光を行かせる。」
「今のあいつに、奴らへやり返すだけの力が十分にあるかどうかは関係ない。あいつには、この一部始終を自分の目で見届ける義務がある。」マモンの言葉の意図をまだ考えていた、その時。病室の扉が開いた。扉を開けて入ってきた寒露と寒は、ひどく焦った様子だった。寒露が必死な、そしてどこか怯えた声音で尋ねる。「……私たちも、行ってもいいですか?」
雨水は険しく寄せていた眉を少し緩めた。一方、マモンは相変わらず気にした様子もない。「構わない。いずれ、知っておくべきことだからな。」そして二人へ向き直る。「詳しく話してみろ。」二人は頷いた。
「**貴方たちの両親が、月神教の……**」海棠の口が、横から伸びてきた手によって強引に塞がれた。麻理亞が小声でたしなめる。「こういう話でそんな大きな声を出したら、他の人が嫌な思いをするでしょ。」
「……あの頃はまだ幼くて、よく分かっていなかったけど……」寒露は口ごもった。両親がかつて直面していた問題について、彼女はあまり話したがらなかった。「両親は当時、経済的に困っていたみたで……。どうすればうまく解決できるのかも分からなくて、それで信仰や宗教に助けを求めるようになったみたい。」
寒が補足する。「当時住んでいた家は、月神教の教会からもかなり近かったんだ。だから、両親もその宗教に触れやすかったんだと思う。」
月光は、何かに気づいたように呟いた。「……そして、その教会はベッド街にあったんです。」
寒と寒露は少し躊躇いながら頷いた。「……そう。そこに間違いない。」
寒露が続ける。「もし今でもベッド街の旧教会跡で活動しているのなら、探し出すのはかなり楽になるはず……。でも、その前に、行方を消した六月六日と立春満の魔力を追跡して、居場所を特定しないと。」
月光は慎重に言った。「六月の魔力はまだ少ないため、追跡するのは難しいです……。立春満なら問題ないと思います。ただ、すでに少し時間が経っていますので、残留している魔力も少なくなっていて、途中で途切れてしまう可能性があります。」
寒も懸念を口にする。「それに、奴らが立春満と六月六日を別々にする可能性もある。」
「六月の魔力を、できるだけ多く探ってみます。もし立春満の魔力と同時に追跡できれば、その後はかなり楽になると思います。」
「……それでいこう。」
「爆発によって引き起こされた、修復することもできないほどの大火災のせいで、あそこは今や、遠い昔のスラム街と変わらない場所になってしまっている……」寒露はゆっくりと言葉を紡いだ。「月神教の中に、まだ生き残っている人たちがいるなんて思いもしなかった。」
「当時、月神教が飛ぶ鳥を落とす勢いで勢力を伸ばしていた頃には、そこを信仰していた高官も何人かいたと聞いている。」まりやも思わず口を挟んだ。「でも、今では完全に衰退してたね。」
「私たちは思ったんだ。もし立夏月光と一緒にあそこへ行けば、両親が亡くなった本当の理由を、もっとはっきり知ることができるんじゃないかって……」寒露の態度はひどく真剣だった。
「**私はずっと思っていた、両親の死は、ただの放火事件なんかじゃない。きっと、何か別の理由があるんじゃないかって。**」月光は、彼女の重々しい表情と、後悔の滲んだ瞳を見つめた。「立春満だけが関係しているわけじゃない。」隣にいた寒は、驚いたように妹へ視線を向けた。妹がこの事件について、自分とは違う考えを持っていたことを、彼は今まで知らなかった。でも、寒露が話を続けるのを止めようとはしなかった。
雨水はあっさりと答えた。「渡瀬寒露が立夏月光について行ってくれるなら、わたしもそのほうが安心だ。……二人で行ってこい。」寒露は嬉しさのあまり涙を浮かべた。普段は冷たく険しい表情をしている寒の顔にも、わずかな変化が浮かんだ。
「お前は異論ないか?」雨水は探るように尋ねた。
月光の高慢な性格が、また今回の旅にいくつもの障害をもたらすのではないかと心配していたのだ。「もちろん、構いませんよ。」月光は肩をすくめた。
それを聞いて、雨水はようやく満足そうに、そして安心したように微笑んだ。まりやも彼らに提案する。「それなら、治療担当の人も一人連れて行ったほうがいい。負傷した人たちの状態をいつでも確認できるからな。」
「それなら、治療担当の人も一人連れて行ったほうがいいよ。私はまだ何人かの負傷者を診ていないといけないから、今回は行かないね。電話して、彼女に来てもらうよ。」
数分後、もう一人の少女が姿を現した。片方の目は厚い前髪に覆われており、思わずその下がどうなっているのか気になってしまう。おどおどした様子のせいで、彼女の身体は実際よりもさらに小さく見えた。
大勢の視線を浴びながら、少女はおびえたようにまりやの隣まで歩いてきた。顔見知りの気配があることで、少しだけ安心したようだった。
まりやが紹介する。「紹介するね。彼女も私たちのギルドメンバーの一人で、今回の四人編成のチームのメンバーの一人――横田小雪だよ。」
小雪は自信なさそうに俯き、唇をきゅっと結んでいる。あまりにも怯えた様子なので、こちらから声をかけることすら躊躇われるほどだった。
「まあ、ちょっと臆病な子だけど、仲間や自分にかかった状態異常を解除するのがすごく得意なの。それに医学の知識も十分にあるから、きっとみんなの役に立ってくれると思うよ。」
雨水は頷いた。そして、これから出発する彼らに告げる。「もう他に行きたい奴がいないなら、さっさと出発してくれ。……冬森立秋は?やっぱりいないのか?」
「彼ならずいぶん早くホテルを出ていったぞ。何か仕事でも片付けに行ったんじゃないか?」マモンが何気なく答えた。
月光は少し考え込んだ末、やはり口にした。「別にあいつまで連れていく必要はないでしょう。」
「随分と大きな口を叩くな。お前、本当に大丈夫なのか?」寒が辛辣に返す。
「本当に大丈夫です。」月光は自信満々に答えた。
いよいよ出発というところまで来ていたが、小雪はなおもまりやを脇へ引っ張り、この大役を辞退しようとしていた。「わ、私には無理です!まりやさん、やっぱり他の人を探してください……!」
「そんなに自信がないの?」まりやは困ったような顔をする。
「そうです……!私が行ったら、きっとみんなの足を引っ張ります。そのせいで、きっと……」
「小雪、そうやって自分が行かないことが、逆にみんなの目的を果たせなくするかもしれないよ。もし自分が行かなかったせいで、みんなが危険な目に遭ったら……その時、あんたはもっと強く後悔するんじゃない?」そんなことを言われるとは思っていなかった小雪は、言葉を失った。その言葉について深く考えるうちに、反論することも、辞退することもできなくなっていた。
まりやは小雪を励ますように言った。「小雪、私があんたを行かせるのは、もっと自信を持ってほしいからだけじゃない。あんたにはちゃんと実力があるからだよ。**あんたは、自分が思っている以上にきっと役に立てる。だから、自分を信じてみて。**」
まだ迷いは残っていた。それでも、小雪はまりやの言葉をしっかりと受け止め、出発の準備を整えた。
「待って、私も……」自分も力になりたいと思った海棠がベッドから降りようとした瞬間、全身を襲う激しい痛みに襲われた。「痛っ……!」危うくベッドから滑り落ちそうになったところを、まりやが慌てて引き戻す。そして海棠の身体をしっかりと布団で包み込んだ。「あんたはこの中で一番重傷なんだから、ちゃんと休まないと、いつまで経っても身体は治らないよ。」そう言うと、まりやは海棠の口にりんごを一切れ押し込んだ。
「でも、六日は……」海棠の頭の中はぐちゃぐちゃだった。それでも、六日の状態が自分よりもずっと深刻なのは間違いなかった。
マモンは海棠の肩を軽く叩き、軽薄そうでありながらも明るい笑顔を浮かべて言った。「まあまあ、こっちは月君たちに任せよう。海ちゃんは今は治療に専念して、みんなが良い知らせを持って帰ってくるのを待ってな。」マモンのその笑顔を見て、海棠は自分の身体がまだ本調子ではないことも考え、仕方なく頷いた。
「月君。」月光は、マモンが自分をそう呼んだことに少し不満そうに呟いた。
「私たちは飛んでベッド街まで行こう。私たちが先導する。」寒露が提案する。
「飛ぶのが無理なら、ちょうどいい乗り物もある。バイクが二台あるんだ。」寒も言った。
「バイク……。」人のバイクに乗っている自分の姿を想像し、月光は思わず吹き出した。
「ぐずぐずしている暇はない。すぐに出発……」寒が臨時に結成されたこの一行を率いて病室を出ようとした、その時。
寒露が突然、声を上げた。「待って。出発する前に、あれをやってもいい?」
「あれ?」月光は怪訝そうに尋ねた。
「**行こう……月神教のアジトへ!**」なぜか四人の身体は、まるで整列するかのように重なり合っていた。凛々しく殺気立った雰囲気に、太くなった輪郭線と増えた影。そして、妙に息の合った立ち姿。そのギャップがあまりにも鮮烈だった。月光と小雪には、どこからともなく「パァン」という音まで聞こえた気がした。「おおおっ、これって『ジョジョの奇妙な冒険』の有名なポーズじゃないか?!」分かるのは海棠だけだった。彼女は興奮した声を上げる。「おおおっ、海棠ちゃんも『ジョジョ』見てたの?!」まるで異郷で同郷の友人に出会ったかのように、寒露も大喜びで尋ねた。その顔には、相変わらず濃い影と太い線が入ったままだった。
「その顔、しばらくそのままなんですか?」何が起きているのか分からない月光が尋ねる。
「見た見た! あんなに有名な作品、見てないわけないじゃん!」海棠も嬉しそうに答える。こうして二人は、妙なところで意気投合し、熱い魂の交流を始めた。その横で、寒は少し緊張した様子で壁に掛かった時計へ目を向ける。
「あんたは見たことある?」まりやが思わず尋ねる。
「『黄金の風』だけなら……。元ネタはだいたい分かるけど。」小雪はなぜか少し申し訳なさそうに答えた。
「この状況を見る限り、まさか私だけが見たこともなければ、元ネタすら知らないということですか?」
月光はさらに困惑した。
「寒露、もう行こう……。」寒はほとんど懇願するように寒露へ訴えた。




