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最強ギルドマスターの一週間建国記  作者: 井上みつる/乳酸菌/赤池宗


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9日目、順調な城作りと城下町計画

朝が来た。


太陽の光を受けて、俺は目を開ける。


やはり、ジーアイ城の寝室で寝た方がゆっくり熟睡出来る。


まあ、左右には裸の美少女が寝ているわけだが。


エレノアとミラである。


エレノアとミラの2人は俺に抱き付くように寝ている為、まともに動くことも出来ない。


そのうえ、2人の手を退けようと身を捩ると、戦況は俺に不利な方へ傾いてしまう。


ああ、俺の若さが恨めしい!


「あ、おはようございます、マスター…えへへ」






朝一番、玉座の間にいくとソワソワして待つディグニティがおり、挨拶もそこそこにグラード村へ直行することになった。


まるで遊園地に行きたがる子供のようなテンションの部下が迫ってきたら了承するしかないだろう。


ディグニティは俺からOKを貰ってすぐに錬金術士、鍛治士を集めてきた。


まだ眠そうなカムリが少し面白かったが。


結局、昨日を超える25人で俺達はグラード村を訪れた。


「おお! おはようございます、代行者様! 今日はまた大勢のお仲間様とご一緒ですな!」


「ああ、おはよう。今日はちょっと城に掛かりきりになるだろうから、グラード村の皆はいつもどおりの生活を続けてくれて良いぞ。ああ、夜は今度は俺達が食事を用意するから楽しみにしておいてくれ」


俺がそう言うと、一瞬の間を空けた後に村で歓声が上がった。


まあ、実際に食べてみてもらわないと口に合うかは分からないが、今日はメイド部隊に加えてミエラが料理を作るからその辺りは大丈夫だろう。


俺は心の中でそう結論付けると村長に挨拶を交わして建設中の城へ向かった。


今は煉瓦造りの城ではあるが、これがミスリルの白銀の色に染まる。


中々豪華絢爛な城になりそうだ。


俺は想像に胸を膨らませてディグニティを見た。


「それで、俺も何か手伝うことはあるか?」


俺がそう尋ねると、ディグニティは笑顔で頷いた。


「ええ、ボス? 城は我々が今日中に完成させるでしょうから、ボスは城下町のイメージを決めてくださるかしら?」


「え? 城下町?」


「さあ、あんた達、さっさと城を作るわよ!?」


ディグニティはそう声を張り上げると、俺の返事を聞きもせずに駆け足で城に向かった。


俺がディグニティの小さくなっていく背中を見ていると、護衛のサイノスが唸り声をあげて首を左右に振った。


「ディグニティは殿への忠誠心に疑いはありませんが、少し好きなことに傾向し過ぎるきらいがあります」


サイノスがそう言うと、人型になっているラグレイトが頷く。今回、セディアは護衛から外してダン親子の様子を見てもらっている。


なので、護衛はサイノス、ラグレイトとサニーだ。


「集中力は凄いけどね。ところで、ディグニティじゃないけど、我が主の中で城下町のイメージは出来てるの?」


ラグレイトはそう言って赤い目を俺に向けた。おれは腕を組んで鼻で息を吐く。


「ん…そうだな。ここは井戸はあるが川が少し離れている。だから、城と村の間に川を引いてくる。後は、城の正面から真っ直ぐ大通りを作りたいかな」


「城下町に来た人がすぐに城を見れるように?」


「そうだな。大通りに商店や宿屋、飲食店、冒険者ギルドなどを並べて…裏側には住宅地を並べていって、公園とかも作りたい」


俺とラグレイトがそんなやり取りをしていると、サニーが反応を示した。


「公園? 木と池は?」


「ああ、良いじゃないか。憩いの場をつくろう」


俺がそう言うとサニーは嬉しそうに微笑んだ。


「つくろう。今すぐ」


「いやいや、まずは今の村の状態から邪魔にならない所から作らないとな。川からかな」


俺はそう言うと飛翔魔術を使用して上空へ浮かび上がる。


50メートルほど浮かんだだろうか。


離れた位置、ガラン皇国側の方に川が見えた。


領土的にはどうとかあるかもしれないが、この際そこは無視してしまおう。


水源は深淵の森の奥にある山からみたいだしな。


「あの川?」


「ああ、あれだ。サニー、あそこから川をひいてきて、城の前100メートルほどの場所を通り過ぎて、城下町予定地を大回りに通そうか」


俺がそう言うとサニーは頷いて川へ飛んで行った。


そして、飛んで行ったサニーを見てから、俺は治水について思い至った。


「…ラグレイト、俺が川の流れを考えてくるから、サニーに少し待てと伝えてくれ」


「あいよ、了解」


俺がそう口にすると、音もなく後方に控えていたラグレイトが返事をして飛び出した。


俺はそれを確認すると、一度グラード村に戻るべく降下した。


村長に会い、過去に川が氾濫したか尋ねた。


「そうですな。私が覚えているだけでも、確か三度は川が氾濫しております。川のすぐ側で無く、こちら側に村があるのも大昔に一度、川の氾濫で村が流されたからだと」


「ふむ。じゃあガラン皇国側にも河川付近には村は無いのか?」


俺が質問を重ねると、村長は顎を指先で摩りながら唸り声を上げた。


「いえ…ガラン皇国側はあまり川の氾濫などの被害は聞きません。ワシが知らないだけやもしれませんが、多分あちら側の方が土地が高い位置にあるからかと…」


「標高、高低差か」


村長の説明に俺は納得すると、サイノスを連れてサニー達が待っているであろう川の方へ向かった。


城から村までの間は広めにとってあるから問題無いし、深淵の森の方角には畑なども作られていない。


後は、今あるグラード村に被害が出ないように工事していくくらいか。


俺は方針を決めると、こちらに向かってきたサニーを見た。


「とりあえず、川の手前から水路を掘っていくぞ。川と繋げるのは最後だ」


俺がそう言うとサニーは小刻みに首を振って同意した。


結論としては、川から水を引く水路を作る作業は滞り無く、2時間ほどで終わった。


土系魔術の中にある、通称穴掘り魔法で楽々作業が進んだからだ。


ゲーム中ならば地震エフェクトと共に地面が陥没し、時間が経過するとまた地面がせり上がる魔術だったが、この世界だと陥没したままになるようだった。


通常ならば魔力消費の多い大規模魔術だが、俺とサニーが使う分には魔力の総量の関係で問題無く使える。


その為作業がサクサク進んで中々楽しかったのだが、グラード村とその裏手にある新しい城の間を通った水路は、ぐるりと大回りにグラード村を囲んでしまった。


そして、水路の先はまた元の川の下流に繋がっている。


「…うん、村人が外に出れないよね?」


「正直申し訳ない気持ちで一杯だ」


ラグレイトの突っ込みに俺は項垂れながらそう答えた。なにせ、水路が完成したと同時にもう川から水を引いてしまった。


俺達の目の前には幅が20メートル程の立派な水路が出来てしまっている。


「い、いや、殿! まだお昼前です! 拙者も協力致しますので立派な橋を架けましょう!」


「渡し舟の方が好き」


落ち込む俺にサイノスがフォローをしてくれた。サニーは少しズレているが。


「よし、ミラとカムリを大至急呼びに行こう。外に出ている村人もいるかもしれないから、村人が帰ってくる前に橋を架けるぞ!」


俺がそう指示を出して直ぐ様動き出したのだが、無理矢理連れてきたミラとカムリは水路を見て唸った。


「むう」


「…マスター」


2人の視線が痛いが、今だけでも俺は過去を振り返らないことに決めたのだ。


「さあ、どうしたら良い? とりあえず、簡易的な橋を作るか?」


俺がそう言うと、ミラとカムリは揃って難しい顔で頭を捻った。


「こういう水路は凄く良いと思いますが、最初から橋が必要なら橋を架ける為の支柱を立てて作れば良かったと思いますが」


「うむ」


2人にそう言われて、俺は急ぎで自らのフォローに向かった。


「よし、支柱だな?」


俺は2人にそう確認すると、出来立ての水路の横に立ち、土の壁を連続で立てた。


水路の中、上流側を塞き止めて水量を減らし、今度は逆流しないように下流側にも土の壁を作る。


中の水は水路の底に別の穴を掘って無理矢理水を無くす。


「支柱、支柱…デカイ方がいいか。水の流れを塞き止めないように楕円で…」


俺はイメージを固めると、細長い楕円の支柱を二本立てた。


幅を10メートル程で作ったが、これなら馬車も通るだろう。


「どうだ?」


俺がミラとカムリの方へ戻りそう聞くと、2人は呆れたように目を丸くして俺を見た。


「ボス、いつも思うが、ボスはやっぱり別格だ」


「マスター、魔術士よりも魔術が得意なんじゃ…魔法剣士ですよね?」


2人にそう言われ、俺は首を捻る。


ギルド対抗戦ならば道を塞いだり作ったりは当たり前だから普通の発想のはずだが…。


「ま、まあ良いです。これなら支柱としては十分なので、橋を作るとしましょう。どう作りますか?」


「う〜ん、良し。じゃあ簡単な奴で行くか」


俺はそう言うと薄く幅が広い土の壁を一つ立てた。


そして、愛剣であるロングソード、クーポン剣をアイテムボックスから取り出して一振りする。


クーポン剣のあまりの切れ味と、俺の剣速の所為で土の壁に変化は見えないが、実は根元が水平に断ち切られている。


「さあ、ミラ。これを錬金して橋にしよう。カムリは魔術刻印で耐久性を上げてくれ」


俺がそう言って2人を見ると、今度こそ2人は言葉を失ってしまった。


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