ミラの奮闘
かなり短いですが、ミラ主観の話を一つ…
趣味で書きました。すみません!
ジーアイ城の正門の内側。
城壁からジーアイ城の間にある広場で、私を含む錬金術士、鍛治士と、建設士であるディグニティが集まって作業をしていた。
他のギルドメンバーがジーアイ城の周辺から集めてきた岩や土、高位のモンスターの素材などの材料を選別し、次々と城の外壁用の金属を錬金する。
そして、その錬金したミスリルやオリハルコンなどを鍛治士達が建材へと加工していく。
一見順調そうに見える。
長く細いものから広いものまで、出来た建材はどんどんディグニティのアイテムボックスに吸い込まれていくからだ。
しかし、実際にはかなりドタバタとした現場になっている。
まず、手の空いた生産職のメンバーだけじゃなく、休憩になっていたはずの他のメンバーまで材料を集めていることだ。
確かに沢山集まって良いことなのだが。
「お、多すぎ…」
私が呻くようにそう言うと、他の錬金術士達が揃って横に目を向けた。
山のようになっている岩、土、モンスターの一部。
それをメンバーと一緒に見上げて溜め息を吐く。
「確かに、あの城の大きさならこれぐらい材料はいるだろうけど…」
私がそう呟くと、離れた位置に座る鍛治士のカムリが怒鳴り声をあげた。
「バカ言え。錬金は一回だろうが。ワシらは魔術刻印もいれるから二回スキル使うぞ」
「私達も選別があるから作業的には変わらないでしょ? 文句があるなら建材の厚さを薄くする?」
私がそう言うと、カムリが髭を揺らしつつ鼻を鳴らした。
「ふん! ボスも泊まる城を作るんだ。手を抜くわけにいくか」
カムリは腕を組んでそう言い返すと、ディグニティを見た。
ディグニティは出来た建材を一つ一つチェックしながらアイテムボックスに収納していく。
「これも問題ないわね? 中々慣れてきたみたいで良いこと…あら? ちょっと、長さが足りないわね? 継ぎ接ぎみたいにする予定はないから、これ長さを足してもらえる?」
ディグニティが一番近くにいる鍛治士のメンバーに声をかけ、声をかけられたメンバーの1人は慌てて建材の修正に従事する。
「あいつ…細か過ぎるだろ。あの城の壁面に貼っていく板はかなりの量になるってのに、あの建材も1センチ短いかどうかだろ? 隣の建材の長さをその分伸ばそうぜ」
「ダメだよ。絶対に文句言われるもの」
私がそう言うとカムリは私を半眼で見た。
「お前がボスに進言すれば良いんだよ。ご寵愛を受けてんだろ? ん?」
「な、ななな…!?」
カムリが急に変な方向に話を振ってきて、私は思わず顔が熱くなるのを感じて顔を逸らした。
「なんでそんな話になるのよ!? 私は、別に仕事に不満は無いから関係無いの!」
「へっへっへ、照れやがって」
私が怒ると、カムリは下世話な顔で笑った。顔の下半分がヒゲで覆われているせいで余計に目がいやらしく見える。
「あんた達!? なんでアホな会話してるのかしら? 早く作らないと日が暮れるわよ?」
と、私達が話していることに気が付いたディグニティが身を震わせながら怒ってきた。
失礼な。私もカムリも話しながらでも手は休めていないのに。
「うるっせぇな! なんで今日中に出来るペースなんだよ! もう少しペース落としても後3日で城が出来るぞ!?」
「私は明日作りたいのよ?」
「お前が作りたいのかよ!」
ディグニティとカムリがそう言って怒鳴り合う。
よし、さっさと作業してマスターに褒めて貰おう。
結局、その日の夕方には建材は全て出来上がり、先に材料を集め終わっていた生産職のメンバーは調度品や窓、家具なども作り始めていた。
本当に明日には城が出来そうなペースだ。
私は今日の報告をしに胸を高鳴らせながら廊下を歩き、マスターの下へ向かった。
マスターに1日の結果を話して、褒めて欲しいオーラを全力で放つ。
もちろん、そんなスキルは無いが、マスターは笑顔で頭を撫でてくれた。
ホワッとした。
なんとかお願いして、一緒にお風呂に入る約束もした。
思わず、ウヘヘと声を出して笑ってしまった。
気持ち悪いと思われないだろうか。
ちなみに、その会話の間エレノアが笑顔で頷きながら隣で聞いていた。
そして、一緒にお風呂に入る話になり、何故か一緒に喜んでいた。
ちゃっかり一緒に入ろうとしている。
流石はエレノアだ。
私はエレノアの機転に舌を巻いた。




