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14 不遇なフグ刺

月刊10位とかとんでもない事になってます。

読んでくださりありがとうございます。

 

 いよいよ観光ツアーと言うか、町の外見学ツアーと言うか、そんなのが開催された。

 参加人数はオレも含めて12名であり、生産職は3名になっている。


「よろしくです」

「よろしくね」

「私は皮革職よ。皮鎧の事なら任せてね」

「僕は鍛冶屋と言えばあれだけど、まあ、研ぎ屋みたいなもんさ。切れなくなった剣は僕にお任せ」

「オレはまあ何だ。遊び人かな」

「あははっ、そうかもねぇ」

「なんだ、余裕だな。働かないと金にならないだろ」

「うん、まあ、ぼちぼちね」

「そういうのも楽しそうね」

「よーし、まずは海を見に行くぞ。そして釣りだぁ」

「「「「おおおっ」」」」

「釣りスキルなんかあったっけ」

「あるわよ、それもかなりの人気よ」

「知らなかった」


 海が無いのに釣りが人気とはな。


 そういや、池のある公園があちこちにあったっけ。

 そういうところで釣りを楽しんでいるんだな。

 スキルポイントに余裕が出来たら、オレも釣りでもやろうかな。


「出たぁぁぁ」

「生産下がれ」


 あれ、狼みたいな怪物かぁ。

 動きは素早いようだけど、そこまで脅威を感じないな。

 こっちに来たな。


 シュバッ、バキッ、ドシュッ……グサッ……核回収完了。


「アンタ、遊び人じゃなかったの? 」

「え、あれってそんなに強い敵? 」

「おいおい、あっさり倒すのかよ。お前、戦闘やれるなら戦ってくれよ」

「何言ってんのよ、鎧もまともに着てない人に戦闘とか、殺す気なの? 」

「そうは言うがよ、ウルフドッグをあっさりだぞ」

「衰えてないわね」

「まあな、あれぐらいならな」

「やっぱり敏捷よね、戦闘は」

「頑張れよ」

「あいよ」


 おや、レベルが上がっているな。

 いきなり3になっているけど、あれってそんなに強いのかな。

 もしかして、戦闘もやれたり?

 全く自信が無かったんだけど、昔取った杵柄ってか、こいつはリアルチートになるのかな。


 それからも怪物が出るたびに補助として戦い、レベルは遂に8になる。

 そうして海に到着し、皆はこぞって釣り三昧になる。

 オレはスキルも道具も無いからぶらぶらしていたが、そのうち何か釣れたらしい。


「くそぅ、フグかよ」

「おお、それくれ」

「おいおい、こんなのどうするんだよ。まあ、良いけどな」


 さすがにリアルでの経験は無いが、調理スキルで毒が大体分かるっぽい。

 確か卵巣だったよな、毒の場所は。

 そっと腹を裂いて手で毒の場所を取り出し、水魔法で丹念に洗って、後は薄くスライスする。

 紅葉下ろしとすだち汁としょう油のミックスで良いか。


 おおお、新鮮だから美味いな。


「お前、そんなの食ったら死ぬぞ」

「いやぁ、新鮮だから美味いぞ」

「マジかよ」

「さすがは調理持ちね」

「おいおい、調理師だったのかよ。味見良いか」

「あんまり無いけどな」

「一切れでいい……おおお、こりゃ良いな」


 横から次々に手が出て、二切れ食べたところで無くなった。

 なんだよ、折角味を楽しんでいたのに。

 そのうちにまたフグが釣れ、白身魚も釣れて、オレはひたすら刺身造りになる。

 造っても造っても手が出るから中々食べるようにならないのが辛い。

 でも皆に馴染んだようで、それならそれで構わないかな。


「うがぁぁぁぁ」

「おいおい、何してるんだ、お前」

「解毒魔法……ああ、ダメだわ、こりゃ」

「どうしてこうなった」

「あのバカがね、フグを自分で捌いて食べたのよ」

「調理スキル無しでフグとかあり得ないだろ」

「ああ、スキルがあると毒のありかが何となく分かるからよ、後はそれを傷付けないように丁寧に捌くんだ。まあ、サイトで知った知識だけど」

「折角の楽しいイベントが台無しだな」

「あんなの自業自得だろ。忘れて楽しくやろうぜ」

「そうね、気を取り直して楽しみましょ」


 冷たいようだけど、さすがに取り成しようもない。

 普通の魚ならいざ知らず、毒のある魚でスキル無しは致命的だろ。

 オレもサイトでふぐの捌き方を知らなかったらやろうとも思わないぐらい危険なのに、何も知らずに捌くとかどうしようもない。

 まだ他人が犠牲にならなかっただけ幸運と言って良いだろうな。


 一時は白けムードになったものの、気を取り直して今度は山に向かう。


 山と言っても岬のような高台に、海岸から登っていけるようになっている。

 元は岬越えの山道だったのかも知れないが、怪物がうろつく今の世の中では、誰も使わない道になっているようで、草や木が生い茂って実に歩き辛い。

 しばらく歩いていくと、ちょっとした採取場所を発見し、調べてみるとありました。


「おお、狂草だ」

「え、何? 」

「苗草」

「疲れたの? 」

「採取して良いかな」

「ねぇ、何なのよ」

「いや、草の名前だけど」

「はぁぁ? 」


 こんなところに生えてたのか。

 ううむ、町からかなり歩くけど、来れない事も無いかな。

 まあ、誰かが一緒に付いて来てくれるとありがたいが。

 散々採取していると、周囲に人だかりが……


「園芸が趣味なのかよ。プランターとか持ってるが」

「まだまだあるぞ」

「花が綺麗なのか? 」

「まあ、最終的には口に入るな」

「食えるのかよ、そんな草が」


 あんまり言いたくはないんだけどな。

 

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