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13 不遇なる草達

ご指摘がありましたので変更しました。

 

 お婆さんのレシピを見るとあるある、例の草の名前がぞろぞろと。

 それにしても、このレシピを得るのにあの一連のクエストをクリアする必要があるとなると、もし調薬師が普及しても誰も作れないって事になるよな。


 ああ、なんて不遇なる草達だろう。


 それとも他にも得る方法があるのかな。

 だけど肩こり回復薬とか初めて見る薬だけど、民間治療薬っぽい位置取りだよな。

 となると中等部の教授も知らない可能性が高いか。

 もしかすると他の町で得られるかも知れないが、まあ、今はそんな事は考えなくても良いか。


 さてさて、まずは肩こり治療薬といきますか。

 あれ、肩こり回復薬? 治療じゃないのな。

 まあ、ネーミングセンスは気にしないでおこう。

 オレも結構酷いと自覚しているぐらいだし。


 ええと、保暮草+薬草=すりおろして水に溶く……か。


 簡単レシピなのはやはり、その他のファクターがあるせいだな。

 洗浄して減菌して作らないと肩こりが治らないんだろうな、きっと。


 余計に酷くなったりして。


 ありそうで怖いので丹念に洗って減菌して作成する。


 《肩こり治療薬》


 肩こり回復薬の上位版。

 一時回復ではなく持続性がある。

 効能 1ヶ月


 あら、上位版になっちゃった。

 なんだよ、治療薬もあるのかよ。

 ネーミングセンスかと思ってたぞ。

 つまり、減菌をしないと回復薬なんだろうな、きっと。

 わざと手抜きをするのも嫌なので、このままの調子で作っていく。


 手持ちの20株で200枚、薬草も200枚消費で200本の肩こり治療薬の完成だ。


 あれ、もう昼かよ。

 夢中で作っていたらすぐ時間が経つのな。

 昼食はソーメンでした。

 あ、温かいやつね。

 ニューメンとか言ったっけ。

 ちょっと手抜きみたいなのは母さんがまた横になっているせい。

 最近、疲れ易いのか、すぐに横になるんだよな。

 でも、病気じゃないとか言っているけど。


 あれ、もしかして。


 確かに独りっ子の夢だけど、本当にそうなのかな。

 それにしてはこの15年間、ついぞ下は生まれなかったけど。

 高齢出産になるとヤバいから、もう諦めていたのにな。


 夕食までに全種類をとりあえず作ろうと思ったけど、ちょっと作り方がな。


 肩こり治療薬は良いが、二日酔いの薬は卵酒に溶くらしい。

 卵酒とか急に言われても作れないので、これは後回しだな。

 次は消炎鎮痛剤だけど、これはすり下ろしてそのまま患部に塗るらしい。

 となると、使用前に作るのがベストかな。

 まあ、アイテムボックスがあるから問題無いだろうけど、容器に困るな。

 ハンドクリームのような容器を探して来ないといけないから、これも後回しだな。

 ええと、次は……精神疲労回復薬(精神回復薬)おお、これは欲しい、実に欲しい。


 なのに草が無い。


 《狂草》と《苗草》が必要らしいけど、この名前も凄いよな。

 狂いそう、萎えそうって事だろうから。

 いかにも精神に効きそうな薬の材料っぽい。

 まあ、飲んだら狂いそうでもあるが。

 てか、性能が悪いとそうなりそうで、これは細心の注意を払って拵えないと洒落にならない予感だ。


 後は頭痛薬と風邪薬か。


 頭痛薬は水に溶くから作れそうだが、風邪薬は生姜湯に溶く? 

 やっぱり民間治療薬かよ。

 それにしても汗散草と去散草ってあれだろ。

 アセチルサリチル酸とか言う……やれやれ。


 そのうち伊部布炉不円イブプロフェンとか、江天座見度エテンザミドとか出るのかな。


 なんかそんな怪しい名前の草がこれからも出そうだけど、名前を見るだけでどんな薬の材料になるか、大体分かるようにしてあるのはやはり、知識関連が無くても何とかなるようにしてあるんだろうな。

 植物知識があれば、草の名前が分からなくても問題無いが、普通は戦闘スキルと生産スキルにするから取得スキルが足りない事になる。

 もちろん入れ替えが出来るから問題は無いけど、スキルポイントの問題もある。

 戦闘がメインならそんな知識とか取る余裕は無くなるだろうし、生産がメインでも全てを自作にしようと思えば、色々なスキルが必要になる。

 本当ならオレもガラス瓶も自作はしたいけど、それはレベルが上がらないとポイントが増えないので、現状はガラス瓶は購入になっている。


 《ガラス工》も欲しいし、そうなると《採掘》も必要になるし、更に言うならコルクの為に《細工》も必要になるだろう。

 洗うのも《洗浄》があれば楽になるし、事によると《減菌》や《滅菌》もあるかも知れない。

 どうやらスキルはポイントだけでなく、必要スキル獲得後に出る場合もあるらしい。

 なので何かのスキルを取らないと《減菌》や《滅菌》が出ないとなると、それは《ガラス工》か《洗浄》なのだと思っている。


 とにかく今はポイントが増えない状態なので、何かしら手間が掛かっている。

 だからこそレベルアップの誘惑もあるんだけど、まだまだ先の話になりそうだ。


 そんな事を思っていたんだけど、あいつからお誘いが来た。


 どうやら町の外のツアーっぽいのをやるらしく、あいつが入っているギルド主催のイベントみたいになっているとか。

 純生産職が邪魔にならないかと聞いたが、他の生産職も行くようで、半分観光気分で良いそうだ。


「いよいよ調薬師デビューになりそうだな」

「ああ、そう言えば内緒だっけ。良いの? 」

「どのみち宿屋住まいと思われれば、住所不定で問題無いだろ」

「なら工房は内緒なのね」

「どのみち家の横を通らないと行けないだろ」

「まあそうよね」

「他人の家の門を開けて、家伝いに横を通って工房に勝手に行くとか、そのまま通報されそうな行為だろ」

「うんうん、確かにね」

「だから問題無いさ」

「なら、参加で良いのね」

「参加料は何本だ」

「あはは、助かるわ。たくさんお願い」

「まあ、現地販売も良いか」

「きっと殺到するわよ」

「ううむ、500本用意するか」

「そんなにあるならうちに卸してよ」

「今な、親に1000本、お前に500本だろ。追加の500本は備蓄から出すんだ。さすがに疲労の蓄積が分かった以上、備蓄しないと余裕が無くなるだろ。だから備蓄はそれなりにあるんだよ」

「それは分かるけど、予約が本当に一杯なのよね」

「そうだなぁ、600に増やすか」

「ホント? ありがたいわ」


 こりゃ早く生産ライン組まないと、過労でぶっ倒れそうだな。

 

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