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宝石竜と赤い瞳の王子  作者: 森谷玻乃
アスター魔法学校 1年後期
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 質問の中には、私と翠玉についてのものもあった。

「黄玉さんと翠玉さんは、姉弟とお聞きましたが、何歳くらい離れた姉弟なのですか?」

「2歳離れています」

「失礼ながら、黄玉さんと翠玉さんは何歳なのでしょうか?」

「私は15歳、翠玉は13歳です」

 と、私が歳を答えると、

「申し訳ありません、レムリア先生と同じくらいかと思っておりました……」

「私もそのように、思っておりました…」

 と皆に驚かれた。



「私も翠玉も、幼体のときに人間に擬態すると子供の姿だったのですが、成体になった途端、人間に擬態したとき、今の姿に変化するようになりました。なので、成体になって最初に擬態したときは、驚きました」

 と、私が言うと、

「魔物が人間に擬態すると、年齢によって変化があるのかどうか気になっていたが、そんな変化があるのか!」

 と、いきなりレムリア先生の声がした。


 ぎょっとして、声のした方を見ると、レムリア先生が居た。

「先生、いつの間に……」

 と、私が言うと、

「ん?さっきから居たぞ?皆が集まって話しているなんて、面白そうだから、ちょっと混ざってみたんだ。私の事は気にせず、話を続けてくれ!」

 ……そんなこと言われても。



 話が途切れてしまったが、気を取り直して、

「ガーネットや私達について、聞きたい事は他にありますか?」

 と尋ねると、

「黄玉さんは、レムリア先生の助手として、どのようなお仕事をなさっておられるのですか?」

 と訊かれた。

「私は魔力量が多いので、先生の指示に従って実際に魔法を使い、それを先生が観察する、ということをおこなったり、私も先生も“鑑定”が使えるので、様々な物を鑑定してそれを紙に書き写して資料としてまとめる、ということをおこなったりしています」

 その後も、先生も交えて、色々と話した。



 ふと気づくと、日が傾いてきていたので、

「皆様、そろそろ寮へ帰りましょう。日が暮れてしまいます」

 と私が言うと、

「しまった。そんなに時間が経っていたか。気がつかず、済まない。皆、帰る準備をしてくれ」

 とレムリア先生が言って、皆が帰り支度を始めた。


 皆と、翠玉とガーネットと共に、学校を出た。

 学校の前で、一緒に話していた子達とは別れた。

「ガーネット殿下、黄玉さん、翠玉さん、ごきげんよう」

 と挨拶をされたので、

「ああ、また明日」

「気をつけて帰ってくださいね」

「また明日」

 と、それぞれ挨拶して、私達も寮へ戻った。

 食堂で夕食を摂ってから、部屋に戻った。



 翌日、昨日はレムリア先生に買ってもらったローブを着たから、今日はリシア先生に買ってもらったドレスを着ていこう、と思って着替えた。

 着替えてから、翠玉とガーネットに見せると、

「それがリシア先生に買ってもらったドレスだね。姉さん、暗い色のドレスも似合うね。髪と瞳が黄色だから、夜空と月みたい。綺麗だよ」

「昨日のローブも似合っていたが、ドレスもよく似合っている。ドレスだけ見ると、藍色だからか少し暗い印象があるが、黄玉が着ると、髪と瞳の色のせいか、明るく感じるな。いや、明るいと感じるのは、黄玉が明るい性格だからかな」

 と感想を言ってくれた。

「2人共ありがとう。私もこのドレスは、気に入っているの。厚手の生地だから、何処かに引っ掛けても簡単には破れないだろうし、色も濃いから汚れも目立たないだろうから」

 と私が言うと、

「姉さんは、自分に似合うかどうかより、そういう実用性の方が重要か〜。まあ、普段から動きやすさとか値段とかを気にして買っているから、そうだろうなとは思ったけど」

「でも、だからといって色の組み合わせや形が、上下でおかしなことになってはいないから、センスはあるんだろうな」

 と、2人に苦笑された。



 そして、その日の放課後、レムリア先生の研究室にリシア先生が来て、

「レムリア〜、黄玉さん、こんにちは。あら!さっそくそのドレスを着て来てくれたのね!とっても良くお似合いよ!」

 と褒めてくれた。

「ありがとう。このドレス、生地が厚手だから上着を着なくても寒くなくて便利だね。それに、朝から着ているけど、皺がほとんどないから、そういうことを気にしなくて良いのは嬉しいよ。素晴らしいドレスをありがとう」

 と、私はリシア先生にお礼を伝えた。


 すると、レムリア先生に、

「黄玉、君はいつも服は魔法で綺麗にしているだろう。あの魔法は一度かければ汚れも皺もとれるから、皺は気にする必要無いんじゃないか?」

 と突っ込まれた。

「まあそうだけど、何となく気になるものは気になるの」

「そうよね。わかるわ、黄玉さん。皺や汚れがつきにくいというのは重要よ。一昨日行ったあのお店は、私やレムリアのような研究をしている人が、仕事着として着る服を売っているお店なの。だから、あそこにおいてある服は、皺も汚れもつきにくく、動きやすく、袖や裾があまり邪魔にならないようにできているの。しかもあのお店の服は、デザインも素晴らしいの!私もレムリアも気に入っているのよ」

 と、リシア先生が私の意見に同意しつつ教えてくれた。


「まあ、確かにあの店の服はこうして実験や仕事のときに着るには便利だな。しかも、デザインが良いからちょっとした会にも着ていける。色々と1着で使い回せるから私も気に入っている。黄玉も、今回一緒に行ったから店の場所はわかっただろう?色々と便利な服屋だから、次はガーネットと翠玉と行くと良い。男性用の服もおいてあるからな」

 とレムリア先生におすすめされた。


 その後も、この店のここが素晴らしいとか、やっぱり作業着としては一昨日行った店が一番良いとか、服屋の話を延々としてしまい、この日は結局、魔法の実験や研究はできなかった。



 数週間後。

 授業の後、いつものように、レムリア先生と共に研究室へ向かった。

「さて、今日は私と黄玉とリシアの3人で出掛けた日に、キセノンさんの店で買った物を使って、色々実験してみようか」

 と、研究室に入ってすぐにレムリア先生に言われた。


 私はまず、自分のマジックバッグから、キセノンさんのお店で買った、魔物化したトマトの苗を取り出した。トマトの苗は干乾びているので、これを育てるにはまず、水と魔力で戻さなければならない。

 レムリア先生は、実験用の台の上に、買ったスライムの核を並べている。



「まずは、黄玉が買った、そのトマトの苗を水と魔力を使って戻そうか」

 と、買った物を並べ終えたレムリア先生に言われたので、私はマジックバッグから、底が深めで大きい器を取り出し、中に水魔法を使って水を溜めた。

 この器は、夏に冷房のために氷柱を作ったとき、氷柱を入れた器だ。何かに使うかも、と思って、マジックバッグに入れておいたけど、意外なところで必要になるなぁ。



 水を溜めていると、マジックバッグからルリタマが飛び出してきた。

「この干乾びた植物、元に戻すのかー?」

 とルリタマに訊かれたので、

「そうだよ」

 と答えると、

「わかったぞー!水に込める魔力も、込めすぎると失敗するから、見ててやる!」

 とふんぞり返っている。

 魔力を込めすぎると、失敗するんだ。それは知らなかった。

 私は、丁度良いところで声を掛けて貰えるよう、ルリタマにお願いした。

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