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()いい王子様

ちょっとBL的なノリの話を書きたかった……

ゲイな男の子と、男装ヒロインの物語。


キャラクターモデルはわかる人には分かりそうw

 僕が通う夢之森高校には皆の憧れ王子様がいる。


王子様と言ってもどこかの国の王族出身だとかそういうのではなくて、学校中の皆が憧れる存在。

学校指定のチェックシャツに学校指定のカーディガン、細身のスキニージーンズに学校指定のカーディガン、金髪で前髪を右に流した今風のアシンメトリーな髪型。


一見遊んでいそうな印象を受けるが浮いた噂は一切聞かない。


スポーツ万能、成績優秀、性格は・・・難有り?


いわゆる”俺様”な性格をしている為最初は皆近寄りがたい感じだったんだけど、ある日勉強についていけない男子生徒が悩んでいたところに『この俺が教えてやろう』と現れてみっちり勉強を教えていったらしい。その男子生徒は次のテストで前回は下から数えてたほうが早かったのに順位をかなり上げ上位50人に入るほどの成績になったという。

他にも通りすがりに困っている人を見かければ『この俺が助けてやろう』、体育祭なんかでは『この俺がこのクラスを優勝に導いてやる!』とリーダーシップを発揮する・・・そんな感じで彼はどんどん皆の印象を変えてゆき、今では学校中の誰もが憧れる存在となったんだ。


天王寺星輝、それが王子様の名前。

そして僕の親友でもあるんだ。




僕は桐原英人、高校2年生。

夢之森高校は自由をモットーにした校風で、学校指定で用意されている制服(ジャケットやセーターなど)のうち一つでも着用していればどんな服装でもいいとしている。


そのためこの学校には実に様々な人たちがいる。


学校指定のシャツを胸元まではだけさせてショートパンツに膝上まである編み上げブーツを履いている女子、学校指定のパーカーの下に派手なTシャツにお尻が見えてしまいそうなくらいに下げて緩めのジーンズを履いている男子、フリルのついたブラウスにワンピースを合わせ白のハイソックスと厚底のローファーを履いているどこに学校指定のものを身につけているのか分からない女子もいれば制服一式を着込んだ男子もいる。


ちなみに僕は学校指定のジャケットの下にフードがついたカットソーを着て薄茶色のジーンズを履いている。

様々な着こなしをした生徒たちを僕は教室の窓から眺めていた。


突然だけれど、僕には恋人がいる。


このあと待ち合わせをしているため教室に残っていたんだ。

ブー・・・ブー・・・とポケットに入れいていた携帯電話が震えて取り出してみるとメールが届いたようだった。


差出人は恋人、『いつもの場所で待ってる』とメールに書かれていた。


携帯電話をポケットに入れてポケットにしまうと、机の横にかけていた鞄を持って僕は待ち合わせ場所に向かった。


向かった場所は校舎裏にある倉庫で今は使われていないので滅多に人が来ないため待ち合わせをするのに使っている。

告白スポットとして使われそうけど、中庭の噴水の前で告白するとうまくいくというジンクスがあるので大丈夫。(まぁ流したのは僕たちなんだけど)

倉庫の前に着くと扉を一定のリズムでコンコンと叩く。


これは僕たちの合図で先に来た方が中で待ち鍵を閉める。

 後から来た方は扉をコンコンと叩き到着を知らせると中の恋人が鍵を開けてくれる。


どうしてこんなに人を避けているのかって疑問に思う人もいるだろう。


まぁ・・・恥ずかしいからっていうのもあるんだけれどね。


それにこんな人気のないところで会って何をするんだって思うかもしれないけれど、僕たちの付き合いは至って健全なもので清らかな関係を築いている。

・・・なんて僕も年頃のオトコノコな訳で付き合って半年になろうとしているのでできたらその・・・次に進めたらなんて思ってたり思わなかったり。


そんな事を考えていたらカチャンと鍵が開く音がした。


倉庫に入ると薄明かりの中古くなった跳び箱に腰掛ける恋人の姿。

金髪に右に流したアシンメトリーな髪型。


「やっと来たか」


学校中の憧れの存在であり、僕の親友。

そんな彼が僕の恋人だなんて、皆には言えないよね。

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