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進化スキルが重大すぎて困る!

欠伸(あくび)をして朝を迎える。異世界に来て二日目。今日はこの館を旅立たないといけない日。二日目だけど。まだみんなは寝ている。だが、時計を見ると8時をまわっていた。いつもなら、龍央がおたまとフライパンを持って起こしに来るはずなのに来ない。外で変な音がする。「フゴッフゴアッブギィィ!!!!」

「こっちに来たぞ!こう※きがくる前に※ろせぇぇぇ!」

遠いのか、少し聞こえない部分もあった。

とりあえず、外に出てみることにした。


館の表門は静かだった。一応、裏門にも行ってみる。

すると、数百体の赤鬼みたいな生物がたくさんいた。

俺の記憶なら近しいのはオーガだろうか。

龍央を含めて、数十名の人がそいつと戦っている。

ギリギリ見えない角度で観察していると、オーガもどきに気づかれた。凄い速度でこちらへ突進してくる。

ぶつかる!と思った瞬間に、龍央が倒してくれていた。

「何やってんだ!こんな所で!死にたくないなら、早く館へ!」

叱られると思ったー。なんと言い返せばいいのか。

「俺も手伝う。」

「アホか!とっとと戻れ!」

龍央が怒鳴っていると、声に反応してオーガが龍央を殺そうと襲ってくる。

龍央はまだ気づかない。俺の出番だな。

龍央を横にどかし、殴った。オーガは倒れた。その直後、水に変わった。

予期せぬ出来事に俺も龍央も固まる。その後、襲ってきたオーガにより動き出したが、俺はなぜ水になったのか気になって仕方がなかった。

「...。まぁいい。お前も手伝え!特別だからな!」

やりィ(^コ^)V

ものの数分で全部倒すことが出来た。

俺のおかげかなっ。

集中しすぎて俺の存在に気づかなかった兵士達が驚いている。

コイツ誰だ?とかレベル1のはずじゃ!?とか色々な発言を聞き取ることが出来た。

倒し終えた安心感と龍央のものすごい怒りと殺気を感じ取った。後者は感じたくなかったな。

「お前強いんだな。お前が来てから十分もかかってねぇぞ。」

「俺、そんなに強いかね。」

ちょっと皮肉を込めて言葉をなげる。

あんたもそれなりに強いっての。ギルドウォッチもSじゃねーか。

「お、お前のギルドウォッチ金じゃねぇか。Aか。ランクが1個違うからって俺に勝てると思うなよ?1個でもレベルの差は大きいんだからな。」

鼻で笑ってくる。正直ウザイです。

「別に今は勝てると思ってませんし。」

そう言い捨てて、部屋へ戻った。

メニューでレベルを見る。


【レベル】 118


瞬きって凄い。

はじめて瞬きに感心しましたよ。

〔瞬眼〕進化段階があるってことは内容も変わるよな。早く進化させたい。REAL世界でのゲームを思い出す。

この世界に進化を持ったスキルはどうやら少ないらしく、まだ4人しかいないそうだ。新たなスキル保持者が俺でよかった。ゲームを知らない奴は進化方法も分からないだろうし。


AM 10︰00


龍央に見送られ、みんなそれぞれの方位へ発つ。龍央に秀義と一緒はダメか、聞いてみたところ自立や、より強くなるために1人で行くのがルールだと言ってきた。あと、新しい仲間を作ったら自由に訓練していいそうだ。

誰が作ったルールだよ。

そして、俺は仕方なく余りものには福があるというし、残った方位へ行くことにした。その方位は、西南西だ。地図によると、森がありその奥にどでかいレシュリア山という山がある。

そこでは、かつて神族と魔族の戦争があったとかでみんな避けたのだろう。

これこそ信じられないような...。

龍央から薬草やら武器やら食料やら貰って、それぞれの方向へ歩み始める。

俺も魔王討伐もあるが、高みへ向かって歩み出す。秀義と最後に会話したのはギルドでギルドウォッチの説明を受けた時だ。お互い別れも言わず、旅立った。


AM 11:00


時間はギルドウォッチで確認できる。地球の科学よりも発展してるよな。

暫く(しばらく)歩き続けていると森を抜け、広い場所にでた。奥の方に遺跡のようなものが見える。

「完全に遺跡だろ...。」

中に入ってすぐ、日本語ではない何かの文字が壁一面につらなっている。中は何故か明るい。ヒカリゴケみたいな植物があるからだろうか。道はまだ一本道で文字がつらなっている。

とうとう最大の悩みどころである、分かれ道に出会ってしまった。

こういう時、ゲームでもハズレ道を選んでしまう確率が高い。ハズレると、大量のモンスターがいたりする。

だいたい右から行っているから、今回は左に行くことにしよう。


だいぶ歩いたと思う。あれから1時間半は経っていた。

少し喉が渇いたな。

けれど、ここは未知の遺跡。水など到底ないだろう。数十分も歩くと、蒼く輝く部屋に辿り着いた。

「綺麗な場所だな。」

思わず声が漏れるほど綺麗な場所だった。壁面はクリスタルで出来ており、文字は書かれていない。

その奥に一際大きなクリスタルの塊があった。

遠目からだと普通の綺麗なクリスタルだ。近くで見ると、ありとあらゆる傷がつけられている。そして、中には可憐な少女(?)がいる。

その横には、石版があった。それには文字が彫られている。しかも日本語で。

―遥か昔、魔物達によって人類主従計画がつくられた。計画を妨げるために、ある勇者は挑む。数の暴力で圧倒され、敗北に至った。そして、計画が実行されてしまった。だが、計算外のことが起き、中断された。今も計画をたてなおしている。今後2度と起こらぬよう兵器を送る。これは神に定められた者にしか与えられぬ秘密兵器。操りし者ここに来たり。クリスタルに触れよ。そして念じろ。さすれば道は開かれん。―


神に定められし者か…。もしかして。

メニュー画面を開く。


【称号】 神に託された者


これか?これなのか?

俺が世界救う系?

思わずニヤついてしまう。まだ決まった訳では無い。

真実を知るには触るのが一番だ。これの場合だけだが。

いつ何が起こるか分からない。慎重に掌をクリスタルにくっつける。

…………何も起こらない。

やはりただの偽称号か...。

直後。

地震が起きた。同時にクリスタルがだんだん溶けていく。どういう仕組みだか分からないが、とりあえず嬉しい。

そんなことを思っている間に溶けきったようだ。十字架に磔にされている、クリスタルにも

劣らない美少女。十字架...磔…………、イエスキリストのようだ。

少女が目を覚ます。サラサラの銀髪で、碧眼ですらっとしていてモデル並みに可愛い。

可愛らしい声が響く。

「貴方が次の継承者?」

「継承者とはなんだ。」

「何も分からず、選ばれてここに導かれてきたんだね。」

異世界に来てまだ二日目だ。そう簡単に世界の秘密みたいなものを知ってしまったのも驚きだったのに、継承者とか、なにを継いだのかも心当たりがない。

「俺は何も知らない。だから、教えてくれないか?」

「はい。ですが、私と会った以上、他の子達も探さなくては。」

まだいるのか、こんな深い子たちが。

「まず、自己紹介だ。俺は神谷海希。お前は?」

「…………僕は輪廻・アンチャード。世界でたった1人の神機人...。」

僕っ子だ。思いっきり外人の名前だ。

「そうか、輪廻と呼ばせてもらう。俺のことはカイでいい。タメでいいからな。」

「カイ。君は進化スキルを持ってる?」

おそらく〔瞬眼〕の事だろう。

「もっている。それが今回と関係しているのか?」

「うん。進化スキルはこの世で最も珍しいものでもある。そして、それがある者は称号に神に託された者と書き加えられるようになっている。らしい。称号はこの世界自身が付けているもの。無理に探ると世界に嫌われて存在を消されてしまうので...注意。」

称号こわ。世界こわ。まずそんなこと知ってるこの子こわ。

「私は人類を守るためにいる存在。世界の救い手を導く者。つまり、進化スキルを最大まで進化させるのが私の役目。これからは僕と一緒に最高ランクを目指すために歩き回ることになるけど大丈夫?」

真剣な眼差しで問いかけてくる。

俺は別に救世主希望ではないが、やりたくないとは思っていない。ましてや、救ってみたいし最強になりたい。

二つの欲が重なり合えば答えは明確だ。

「ああ。喜んで引き受けようじゃないか!」

「そういうと思ってました。さっそく2ndに進化させるために前の分かれ道を右に行こう...。」

今回の行く順番はあっていたようだ。左が正解だったみたいでよかった。

分かれ道まで辿り着いた。

「この先には何があるんだ?」

これは俺が気になっていたことだ。

「この森には相応しくない強者がいる。それを倒すことでスキルは進化する。簡単に言うと、特定の魔物を倒せば進化できる。」

それは簡単に言ってなくないか?

俺は英語も国語も苦手だ。コミュ障だからな。

「それを倒せばいいんだな?何がいるとかわかるか?」

「僕は遥か昔から眠ってた。今は何がいるか分からない...。」

そりゃそうか。魔物の種類も強さも変わるわな。

「2nd討伐魔物はジョブについてれば勝てるレベル。」

「ジョブについてないんだが。」

「…………死ぬ気で頑張るしかない。」

リスクが大きすぎる!

ここで頑張らなければそこで異世界ライフ終了ってわけか。

面白いじゃねーか。


20分も歩くと、暗闇に包まれた大きな部屋にでた。

「ここ...。ここで戦う。」

この部屋にはヒカリゴケがない。通路の微かな光を使って戦うしかない。

戦いやすいとは言えないな。

「俺はリアル戦闘経験1なんだが、勝てるだろうか。」

「予想外の経験不足。死亡確率上昇。」

グオォォアアァグルルゥゥ!

どこからともなくけたたましい咆哮が聞こえてくる。

「あれは...上位黒龍。死亡確率急上昇。カイ、今回は回避するべき。」

せっかくあったのだから倒したい。

「いや、死ぬ気で頑張る。レベルは150は過ぎていると思うからな。」

死ぬのは嫌だが、頑張るしか選択肢はない。

「そう。死なないでね。」

俺達は会ってそう時間もたっていないが、輪廻は心配してくれている。

「輪廻...心配してくれてありがー」

「少年よ、我を倒せると思うか。」

お礼を言おうとしていたのに、黒龍が喋ったせいで言えなかったじゃねーか!

「あぁ、倒せるさ。俺には輪廻もついている。」

「自ら無謀な道を選ぶか。愚かで愚鈍な少年。武器もなしに我が鱗を砕くことは出来まい。我も随分と舐められたものだ。」

フンッと鼻を鳴らす。

「倒せるか倒せないか俺が判断するんだ。お前にそんなことを言われる筋合いはっ!ない!」

俺の言葉でお互いに戦闘開始する。

「カイ、レジストと叫ぶのよ。」

輪廻が脳内に言葉を送信してくる。了解。少しアレンジを加えよう。レジストの意味は知っている。

「モード︰レジスト!!対黒龍!」

黒龍がたじろぐ。そして、俺の全身は淡い光に包まれる。俺は黒龍がたじろいだのを見逃さなかった。その隙をついて全身全霊全力パンチを腹と思われる部位に叩き込む。

「ガハッ、ググルゥ...」

確実に効いている。とどめを刺すか。

「しばし待て、少年よ。」

なんだなんだ、負け惜しみを言うのか?

「少年、お主は魔族派か神族派か?」

俺がいない時代の出来事について話されても困る。

「俺はこの世界のものではないんだ。感覚で言うとしたら、神族派だな。」

黒龍は涙を浮かべた...ような気がした。

「…………そうか。神族派か。どうりで...七変化を使うわけだ。少年、古代スキル〔七変化〕は神族に代々伝わってきたものである。おそらくお主のは感覚ではない。魂がそう言っているのだ。」

輪廻は黙って見守ってくれている。

俺は返す言葉がない。

「何も言わなくて良い。ただ、神族派なら我が頼みを聞いてもらう。」

「死ねとかじゃないよな?」

「違うわい。我はあの時の出来事を一部始終見ていた。だが、竜であったが故にまだ喋ることが出来なかった。今言っても襲ってくるか、龍の言葉を聞こうともしない。」

コイツ、悲しい人生送ってんな。人生じゃねーか、龍生か。

「そこで、我は主に提案する。我と契約をしてくれぬか。そして、魔族どもに復讐したいのだ。」

契約すれば、世界を救うヒントも得られるかもしれない。俺も無双したいし。

だがー

「契約は竜騎士でないと、出来ないんじゃないのか?」

マニュアルでみた。ジョブメニューの竜騎士の所で、龍と竜の契約はこのジョブでしか行えない。と書かれていたはずだ。

「大丈夫だ。我は龍は龍でもさらに上位。かつては、神族に仕えていた。お主の進化スキルと古代スキルがあれば、再び神族としての契約として結ぶことができる。」

「分かった...。輪廻!」

寝ていたのか、ピクッとして返事をした。

「黒龍と契約してもいいか?」

輪廻は少し悩んで。

「うん。魔族殲滅に戦力は必要不可欠。竜族なら尚更欲しい逸材。」

「だとさ。契約はどうやるんだ?」

黒龍は少し困惑したように、言う。

「お主、刃物は持っているか?」

「あぁ、もっている。俺の血を飲ませればいいのか?」

ストーリーの展開的に血を飲ますのが一番あっているだろう。これがゲーム歴15年の考えだ。

「お主の言う通りだ。よく分かったな。」

あたったわ。違うと思ったのに。

俺は龍央から貰ったサバイバルナイフで人差し指の表面を切った。

つか、サバイバルナイフってスライムとかゴブリンとかにしか使えない気がする。いや、絶対そうだ。

「こんな少量で大丈夫か?」

「充分だ。我の舌へ乗せてくれるか。」

黒龍はとてつもなくでかい。俺の身長が174cmだから、3、4倍ほどだ。

伏せた黒龍の舌へ血を乗せる。すると、...血色の淡い光が俺たちを包み込んだ。

俺の手首に焼けるような痛みがはしる。

「...っ!」

光が消えると、俺の手首に壁面に書かれていた謎の文字が浮かんでいた。黒龍の首にも同じような文字が浮かんできていた。

「これで契約完了だ。」

「やっと終わった...。意外と緊張するな。」

場に張り詰めていた空気が次第にゆるまっていく。

突然、頭の中に変な声が駆け巡る。


[レベルup]


[レベルup]


[レベルup]


[レベルup]





〔瞬眼〕進化完了

現︰2nd



レベルが上がった時の音だった。



たった一つ別の声がした。

進化した音だ!



輪廻が黒龍のもとへ駆け寄って。

「ルーシア...久しぶり」

久しぶり?顔見知りなのか?遥か昔に。

「お主は...リンか。久しぶりじゃのう。」

|2人(?)が顔見知りということに、驚いているとー

「お主はほんっとになんにも知らぬのだな。」

「カイはほんとになにも知らないんだね。」

|2人(?)の言葉が妙に心に突き刺さった。

俺だけ知らない...。

「リンは、我がもともと仕えていた神族が創った対魔族殲滅用秘密兵器なのだ。」

「リンネは...神族に創られたのか。」

しばらく思い悩んでいると、黒龍が励ますように陽気に喋り出す。

「この際、こんな情報はどうでもよい!」

よくはないと思うけどな。

「今も人類主従計画は行われしつつある。もしかしたら、人類だけでなく竜族にまで被害を及ぼそうとしておる。そんなの放ってられぬものか。」

「神族の生き残り...カイの母親は神族だったのかもしれない。時間はチキュウ?の方が長いからこちらの世界での『遥か昔』はチキュウで言うととても短いと言っていた。」

信じ難い話だ。根拠はまだない。

「もし、そうだとしたら…母にはお礼を言わなくちゃいけないな」

誰にも聞こえないようにつぶやく。

「「なにか言った?」」

輪廻と黒龍の息がぴったりだ。

「そうだ。契約を結んだのなら、名前をつける。」

「名前ならルーシアでいい気もするが…」

ため息をつきながら

「それじゃ、俺が嫌なんだよ。過去は振り返りたくないだ。輪廻もいいか?」

言葉は発さずに頷く。

「黒龍の黒と、壮絶な龍生を送っているから...レクイエムとして、名前をクロエにしよう。」

「レクイエムとはなんぞや。」

この世界には必要の無い事だ。知らなくていいだろう。

「気にしなくていい。計画を阻止するためにも急がなければ行けないんだろう。夕方にさしかかっているし、ここで一晩寝るのはどうか。」

「「賛成」」

また息がぴったりだ。

「クロエ、明日の朝早くに俺のいた館へ1度戻りたい。だが、だいぶ時間がかかる。そこで背に乗って移動してもいいだろうか?」

「何を言うておる。何のための契約だ。お主らを乗せて飛ぶことくらい容易だ。」

「よろしく頼むぞ。」


龍央から貰った少しの食料を食べ、今日は眠りについた。

これからのことを考えながら...。

この時は忘れていた。今のレベルと進化スキルの新しい効果の確認を...。

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