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異世界厨二病少年~S O U J I~ぶっ殺すべき悪者さがして異世界へ  作者: 実時 彰良
後編≪異世界を救う英雄厨編≫(第31話~第50話)
43/50

043.背後に気配を感じたら

 フレイル・ブレイブ・フレイムスーー。


 臆病なこのおれ、勇者見習いが飛ばした炎の斬撃。


 炎は意志を持ち、仲間たちを避けつつ、そこかしこに散らばったゴブリンたちを焼き尽くした。


「やったぜ」


 おれは強がる。炎の軌跡が、黒コゲになったゴブリンの死骸を見届けるようにして消滅した。


「なんて技だ」


 グレゴリーの兄貴アニニスが愕然としていた。おれは苦笑いをする。


 実のところこの技の特徴は…言うのをためらうが「おれの恐怖や臆病な心を炎に変える」というものだった。


 大昔の地球ーー。動物はみな炎に怯えていた。人類はそれを克服し、炎を操り地上の覇者となった。


 フレイル・ブレイブ・フレイムスーー。


 それは、おれがいた世界においての炎の歴史を鑑みて生まれた、恐怖を攻撃力へと転化する「象徴的応用」魔法であり「びびれば、びびるほど火力を生み出すという」発動条件の恥ずかしい必殺技でもあった。


「すげぇ技だな、創司」


 衛兵長ヤムキンが、おれの肩をたたく。


「勇敢な心を炎に変える技だ。敵のみを焼き尽くす」


 言い方を変えれば「恐怖の対象のみを焼き尽くす」だがな。昨夜の魔女ふたりと、おれだけの秘密。


 そう言い終えたおれの背後で何かが動いた気がするが、振り返っても岩の壁しかなかった。

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