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廃宿の温泉と怪しい人達

 人がいなさそうな林の中にテレポートした先で、何やら怪しい人物が複数人いた。服装は廃墟の街で出会った男と同じ作業服を着ていた。インカムやカメラとかはつけていないけど。

 タバコを吸いながら何やら話しているみたいだ。


「今度は何をやらせられるんだよ」

「さあな。次で死ぬかもな。俺達」

「おいおい、やめてくれよ。縁起でもない。今度のは安全かもしれないよ?」

「それフラグってやつか?お前それ前言った時、お前以外全滅してなかったか?」

「それはあれよ。俺だけが条件を満たしてなかっただけだ。博士も言っていたぞ」


 これはあれだ。タバコ休憩っていうヤツだ。あの温泉には関係ないのだろう。

 作業服の人達に気づかれないようにハイドモードで忍んで横を通り抜ける。作業服の人達は俺が真横を通っても気づくことなく雑談を続ける。


「ところでさ忘れ街に行かされたアイツってどうなった?死んだか?」

「さあな。見かけないから死んだじゃないのか。もしくは処分されたか。そんなことどうでもよくないか?こんなことをやっていたらいつか死ぬんだからさぁ」

「死んだのならただの人殺しが死んだだけの話だ。特別珍しい事でもない。本当に気の毒なのは変な物を抱えて戻ってきた時だ。場合よっちゃ暗い海の底で監視されることだ」


 忘れ街?何かひっかるような。てかこの人達の人の命の価値観低いな。まるで消耗品を消費かのような言い方だ。この人達って死んで当然の人殺しの集まりかもな。

 もしかして謎の組織の組員か?もう少し話しを聞いた方がいいか?

 忘れ街ってもしかして案山子達がいた街のことか?行かされたアイツって案山子の街で俺が助けたあの男のことかな?まだ戻って来てないところ見るとまだあの街にいるのか、それとも命令で残っているのか。

 案山子達と一緒に安全になったあの街で楽しく暮らしているのだろう。


 情報収集のため、しばらく作業服の人達の話を聞いてたが、ほとんど愚痴しか話さなくなったので温泉宿へ足を進めることにした。あんまり役に立ちそうな情報をしゃべらなかった。使えない奴らだ。

 宿までの道のりの間ビシっと決めたスーツの男女とすれ違った。あの人達も謎の組織の組員なのだろうか?ここら辺には一般人はいないのだろうか?


 宿の駐車場には白昼堂々と銃を所持した武装集団が数人と白衣を着た人がいた。

 おい銃刀法違反だろ。これ。法律どうなっているんだよ。ここ日本だよな?なんでどうどうとしている武装集団がいるんだよ。


「...-2142の異常なし。異人異物確認無し。これより調査を開始する。異常物体確認次第発砲を許可する」

「隊員中に入れ」


 と武装集団が例の扉の前で確認作業したのち、互いに頷きあって扉の中へ消えていった。

 何をしているのか分からないけど真面目に何かをしているだけはわかる。あの扉に潜ったら着ていた服すべてが湯着に変わるからな。知っている俺はギャグをしているようにしか見えない。

 扉の中に入る目に一つ調べることがある。


 駐車場で車を一台づつ中を確認して謎の組織に関する情報がないか探すが、車の中に重量な資料があるはずもなくあったのは私物と思われるお弁当箱とか飲みかけのお茶くらいしか目ぼしい物はなかった。

 そして気づいた。駐車場の一角にプレハズ小屋が建てられていた。中を視界で確認する。


「アルファ-1通信途絶。報告書通り扉の先の情報が分からなるな」

「中に入った連中の誰かが戻ってくれればいいのだが」

「はい。昨日二体ほどの人型実態が扉から出ていくのが確認しました。そうです。その人型実態はすぐ消えてしまいました」


 ノートパソコンの画面を見つめる二人組と部屋の隅で電話をする女の人がいた。

 女の人の方はどこかで見かけたような気がする。そうだ。昨日カフェの後に出会った女の人だ。この人も謎の組織の一員だったなんて驚きだ。ただのOLだと思っていたというのに。


 プレハブ内を物色していると。


「えっ?室内にいるのは誰って私と監視員の二人しかいませんが?はい?若い女の子がいるのですか?」


 女の人がプレハブ内を見渡しながらパソコンの画面と睨めっこしていた二人に目線でプレハブの鍵を閉めるように指示を出す。二人組の片方は即座に鍵を閉めて、もう片方は懐から拳銃を取り出した。

 どうやらプレハブ内に隠しカメラがあったらしく、隠しカメラでプレハブ内を見ていた誰かが俺を見つけたらしい。近くにいる人から気づかれなくなるが、ハイドモードはカメラとかに映ってしまうのが欠点だ。

 鍵を閉めたところでテレポートで外に出られるし、そもそもプレハブの外から視界で中を見ることができるからわざわざプレハブ内で物色する必要はなかった。

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