表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/48

ジュスティーヌの誕生日

ジュスティーヌ、大人になる

今日はジュスティーヌの誕生祭である。国中の貴族が集められ、皇宮に招待される。広間でパーティーが開かれ、皆が我先にとジュスティーヌを祝福しようとする。


「姫様、お誕生日おめでとうございます!」


「プレゼントもございますので、是非後で見てみてください!」


「ありがとうございます!嬉しいです!」


生まれながらに皇族であったジュスティーヌは、ものすごい勢いで迫る貴族達にも余裕で対応する。そんなジュスティーヌの隣に立つシャルルも、特に緊張している様子はない。何故ならシャルル自身が、一番ジュスティーヌを愛し慈しみ守れるのだと自負しているからだ。自信に満ちたシャルルの毅然とした態度に、さすがは皇配になる方だと賞賛の声も上がる。


「ジュジュ。疲れたらいつでもいってね」


「ありがとう、ルル」


「その時は二人でこっそり中庭の薔薇園にでも逃げ込もう」


「うん」


こっそり耳打ちしたので、二人の会話は貴族達には聞こえない。しかし、笑顔の二人の仲睦まじい様子を見た貴族達は、一部を除いて皆大いに沸き立ち祝福した。


「ふふ、ジュスティーヌはすっかりシャルルを気に入りましたね」


「シャルルを選んで正解だったな」


「さすがは皇帝陛下です」


いかに皇后であるエリザベスでも、パーティー中はなかなかジュスティーヌに話しかける事が出来なかったが、パーティーが始まる前に〝お誕生日おめでとうございます〟と言えたので満足していた。


「ジュスティーヌ、お誕生日おめでとうございます」


「ありがとうございます、お義母様」


ちなみに、ユルリッシュはジュスティーヌの誕生祭だから特別に出席を許したが、基本的には外交も含めてエリザベスには寝ていてほしい。無理はさせたくないらしい。ジュスティーヌはプレゼントの魔法の杖も大変喜び、今度から使うと約束してくれた。


「お義母様!この杖最高に馴染みます!」


「それは良かった!」


ユルリッシュもパーティーの前にジュスティーヌを祝福できた。ジュスティーヌはその言葉やプレゼントに喜ぶ。


「調理器具セット!これでルルにも喜んでもらえますね!」


「お父様にはくれないのか?」


「もちろんお父様とお義母様にも作ります!」


「それは良かった」


にっこり笑うユルリッシュに、釣られて笑顔のジュスティーヌである。


その次はアーノルド達三つ子が祝福し、アイシングクッキーの詰め合わせをプレゼントしていた。あとでエリザベスにも分けてくれるというジュスティーヌに、愛を感じて嬉しそうなエリザベスだった。


「姫様、お誕生日おめでとうございます。姫様のこれからの毎日に、加護と祝福が溢れますように」


「三人とも、ありがとう!」


シャルルもパーティーが始まる直前ではあるがなんとか他の貴族に先んじてジュスティーヌを祝福出来た。プレゼントも狙い通り喜ばれた。だが、シャルルはそれだけで満足できる良い子ではない。ジュスティーヌを誰にも取られないよう、先手を打つ。


「ジュジュ。せっかくだし、一曲ご一緒願えますか?」


「もちろん!行こう!」


小さな二人が手を取り合い踊り出す。こればかりは普段腹の探り合いばかりの貴族達も、純粋に癒された。


小さな二人が踊り終わると、幸せそうな二人の様子に、万雷の拍手が起こった。また保護者であるユルリッシュが二人のために冷たいジュースを持ってきた。二人はお礼を言って受け取り、喉を潤した。


「エリザベス。私達の結婚祝いは来年盛大にやろうな」


「はい、皇帝陛下。楽しみです」


こうしてジュスティーヌの誕生祭は大成功したのだった。

この人は大人の階段をのぼっている人だ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ