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翌日、さてアニメの話をしようとした時に、マッチーがやってきた。
「は?」
「なんですか」
驚いたような声を出したノア先輩は不可解なものを見たようにマッチーを見た。
「は? お前なんで来てるの?」
「アキ先輩に聞いて」
「アキラちゃん?」
ノア先輩の言葉に肩を竦めた。
「参加してくれるって」
そういうと重ねるようにマッチーがノア先輩にいい募る。
「なんですか、来ちゃっだめなんですか?」
「参加するの?」
「します」
「なんで」
理由をうまく言葉にできないのかうぅとマッチーは唸っていた。
「アキ先輩のせいですよ! またこっちに足突っ込んだの!」
そう叫ぶと、ほら進めましょう! と言い出す。それからは意見を出しながらもそれでも順調にいくと思っていたストーリー、音楽、編集、とまできて問題に当たってしまった。
「これ、声どうする」
「少なくともいち、に、さん、3人はいるぞ」
「ナレーション含めたら4人」
「わたしと宮村、ノア先輩と……」
「絶対しないですからね」
マッチーはそう言い切った。
「正直、声できる人を探すのって」
制作も後半になっていたのに最後の声がいない。残念なことにそれを解決できそうもない。
「仕方ねぇな」
ノア先輩の言葉に顔を向ける。
「アキラちゃんの作品の没になったやつあったろ」
「あ、はい!」
「あれに変えるぞ。少なくとも登場人物もイラストも今のよりシンプルだからな」
「西野先輩みたいな声の人がナレーションしてくれたらいいのに」
ぼそりと呟くと執行部だから難しいだろ、とノア先輩が言う。ですよね、と笑いながらしぶしぶ作品を作り直していく話になって途中まで作っていただけに残念な気持ちになった。
「やり直しかぁ」
四人でため息を着いては着実に作成の準備をすすめていった。
「アキ先輩!」
見てみてー! とマッチーが書いたチラシを見せてくる。
「おぉ、いいじゃん、チラシ」
「人目についてこそだよね!」
「確かに」
「ポスターとかも作りたいからムラさん絵描いてください!」
「おー、任せろ」
マッチーはノア先輩とはよく喧嘩をするものの、うまくやっていて、宮村のことをムラさんと呼ぶくらいには仲良くなっていた。
マッチーと宮村が広報に盛り上がっていると、難しい顔をした西野先輩が不思議そうな顔をしていた。サヨと喧嘩をしてから会ってなかった西野先輩の登場にびくりと肩を震わせる。
「あの」
「あぁ。天野、いるか?」
「ノア先輩! 執行部の西野先輩が」
相変わらず聴きやすい声で本当に頼んだらダメかなと惜しい気持ちになる。ノア先輩はめんどくさそうに、なん? と西野先輩に言葉をかえした。
「一応、確認だが」
ノア先輩にむけてタブレット端末を見せる。
「これがアニメ研究会が出すアニメのデモだ。天野から申請もらった内容と似てるなと」
ただの類似な作品だったら悪い。
わざわざ言いに来るくらいに仲がいいのか、とぼんやりとそのタブレット端末に映し出されるものを見ているとどんどんと血の気が引いてくる気分になっていった。
「なんで……」
「これ、同じだな」
そこにあったのはわたしが書いた作品の話だった。
「アニメ研究会に行くぞ」
ノア先輩は荒々しく言うとスタスタスタと歩き出した。
「待て! 天野。落ち着け」
そんなノア先輩を引き止めたのは西野先輩だった。
「お前らがパクってないとは言えないだろ」
「パクってねぇよ!」
「例えそうでも」
天野、冷静になれよ。西野先輩はそう言うと例えそうでも、ともう一度吐き出した。
「あっちのほうが出来もいい、実績もある、人数もいる。こっちがパクったってなるだろ」
「どう、したら」
「どうもこうもない。ステージに穴は開けれない。ただ、友人としてほっとけなかった。まだ数日ある、どうにか穴を開けなくて済む方法を考えて欲しい」
西野先輩の言葉にさんきゅ、とノア先輩は力なく言った。




