何がどうなっっとんのか
宜しくお願いいたします
何でこうなったんやろ?
止めて! 追いかけんといて
「ハッ、よっと… 」
少女と言うには少し年かせな女性は明瞭な掛け声と共に次々に来る騎士と
おぼしき男達を牽制し走り逃げる。まるでアクロバットのように、又は、
空中サーカスのように可憐に。壁を蹴りバックテン、迫り来る騎士の
肩を軸に跳び箱を飛ぶように越える。又は 騎士の足下を潜り抜けて。
だが、終わりは来るものだ。知らぬ間にとても綺麗な庭園に紛れ込んだ
ようだが、前方には壁、脇の通路を塞ぐように騎士達が、後ろからは
追ってく騎士達 。
じっくり色とりどりの花達を愛でている場合ではないようだ。
四方八方囲まれては… 何処かに突破口はないものかと、件の女性は考え、
目線を世話しなく動かす。
「そこまでだ、もう逃れられないよ。」
そんな声と共に、目の前の騎士達の中から現れたのは、絵本や童話、
デズニィーの映画に出てくるようなリアル王子様の登場。
フワフワなウェーブのかかった金髪碧眼とても背が高く細身に見えるが、
鍛えぬかれた細マッチョな身体だとは服の上からでも何となく創造できる。
「君、スゴイネ」
次は後ろから、前者によくにた顔の、ツンツン跳ねた短い金髪に
アイスブルーの瞳の美丈夫。
こちらは少しマッチョぎみ。
そこでようやく周りの騎士達をよく見てみる。揃いも揃って美形ばかり、
そして皆、ウットリと自分を見てる。
顔面偏差値のあまりの高さにあっけに取られているうちに、間合いを取られる。
逃げたり、避けたりは得意だが、戦いなどできる訳もない。
最後は呆気なく金髪碧眼王子様に捕まり捕獲。
少々頑張りすぎた追いかけっこにより、身体は熱く吐く息も荒い。
「何か、いい香りがするね、君」
あっ、ヤバい、これ… 直ぐにシャワーを浴びなきゃ。男どもが…
っと思った時には既に遅く、唇には暖かい感触が。
えっ、何これ!! もしかしてキス……というもの?
私、初めてなんですけど…
酸欠状態の上、唇を塞がれ、鼻で息する事などできるはずもなく、
キスは段々と荒くなる。 息苦しくなり自ずと開けかけた唇の隙間
から何やらヌメっとしたものが…………
駄目だ、苦しい… 意識が遠のき、崩れ落ちる自分の身体を抱き止め
られるのを感じながら完全に意識を手放した。
瀬野 絵里 22歳 予期せぬ異界渡りを果たした日本人、職業 スタントマン。
何故か以前より、えりの身体の体温が上昇し、汗をかいたりすると、いい匂いを
撒き散らし、男どもが寄ってくるという体質であった。
拙い文章でごめんなさい