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そして暫くの間様々な準備を行い……襲撃者が飛行機を撃墜するつもりなら既に来ていないとアレな高度迄降りてきた。
「さて、……はぁ、これはアレだな。多分待ち伏せパターンだ」
「窓から景色を見渡す限りそう言うのは見当たりませんが」
そして窓から緊急着陸予定の場所を見下ろす。其処は普通の空港では有るが元は海だった場所で近くに森が有る。確か防風林だったかな? ……メタ読みすれば良かっただろと言われたのでメタ読みをするが、この場所を緊急着陸場所にしたかった理由が有るはず。だから、そうだな。
「防風林とかの中になんか隠しているかもよ? 流石にこのまま普通に着陸して何もなしは無いだろう」
「何故です?」
「メタ読みすれば飛行機を撃墜して終わり……が、本来の流れのパターンなら、さっきのルド様が俺らに手違いが有ったと言うべきだからだ」
「この状況で私達がどう判断するかも評価の内では?」
「……なら良いのだけどな」
と其処で小さい爆発が起きる。ミサイルとかを飛ばされた形跡は無い……と言うかそれなら撃墜されているので、今爆破する理由は多分アレだ。
「ヤベ、脱出するぞ、多分着陸は失敗する。説明は後」
ケールハイトと、ハッチに移動して、其処からナノマシンを使い、自分達を運び脱出する事にする。飛行機に依る風が強いが、素早く逃げる事にする。……まあ、何個ナノマシン使ってなのかは知らんが、百トンも電力側さえ足りれば運べる的な事を言われたのだから、装備品含めて三百キロ弱くらい運ぶのは余裕だろう。そして飛行機を見やると先の爆発で着陸に使う車輪と、後ろ側の何かが入って居る所が破壊されて居た。……目的はちゃんとした準備無しの強制胴体着陸と、恐らく緊急着陸時に使う、減速用のパラシュートを射出する場所のゲートの破壊。……はぁ、怖いわ。そんなの普通に死ねるわな。そして飛行機は減速が間に合わず、ターミナルにぶつかり爆散した。
「……本気で殺しに来ているよな、これ……」
「そう言う話でしたし……ですが、これは反省検案ですね。不備で撃墜させられなかったのでこう成って居るのではと言う話はして居ました。つまり、もっと爆弾を仕掛けて居たのでは無いか? 迄は考えが私達は及んでいたのにこれです」
「だとしても事前に除去をやれたか? エンジニアの点検で見落とすレベルのだって言うのに。しかも飛行機の外側だぞ?」
「実際に見付けられるかどうかは別として、例えば飛行機のハッチを開けてナノマシンを外に散布して、それにカメラを積んで映像越しに見回るくらいは出来ました」
「……うわぁ……」
其処に俺らに向かって投げナイフが投げられた為、ケールハイトがそれを電子シールドで防いだ上で俺が伸ばした骨剣を上から叩き付け、様としたが、骨剣はそのままその無骨な全身鎧を着た様な襲撃者をすり抜け、その襲撃者は此方に突貫して来た所でケールハイトがそれを防ぐ。いや防げるのかよ。そしてその襲撃者と力ずくの押し合いをして弾いた所でケールハイトが種明しをする。
「水霧、こいつは恐らく大量のナノマシン+電子シールド+それらに立体的に投影されたホログラムです。電気系以外だと雑な点や線の攻撃は多分当たりませんよ。攻撃するなら面攻撃です」
「……つまり、小魚が大軍で大魚に擬態する奴みたいな物を科学で、空中にやる奴、か。飛べる魚が居る世界観だと似た奴普通に居るよなそれ……行う手段は違うだろうが……まあ、良い、解った。じゃあこうしようか」
俺は骨剣を追加で加えて大型車一台分くらいの長さの面としてとても大きくして、ぶん回す為の補助をナノマシンにやって貰い、面攻撃を大骨剣のぶん回しで行う。小魚の例で言うなら相手の行うそれは魚群を造る事で他の魚に襲われても襲う側の胃袋の関係上で、食えないレベル以上に纏って居れば、一度で全滅するのを防げると言う為の物だが、鯨や人間相手には根こそぎ食われる。避け切れなかったのか電子シールドを張られるが、補助用のナノマシンで更に加速して無理矢理押し通る。
……はぁ、まあ、この骨大剣なんて重さは精々三十キロくらいの物で、補助として電子シールドで硬さと質量とスピードを誤魔化して威力を付与して居る張りぼての骨大剣では有るが、相手が此方の攻撃を凌げる理由にはちゃんと対抗出来る物では有る。大量の電力サポートが運用上の前提の物なので、長期戦はサポート無しにはキツイがね。
そして大量のナノマシンが同時に展開されて居るケールハイトの出して居る電子シールドと骨大剣でプレスされ、撃破した。……はぁ、まあ、三十キロくらい運ぶの自体は余裕なのだが、如何せんデカさがね。大型トラックの荷台に載せるレベルの大きさだもの。ワールドシミュレーター内部だったらこの骨砕いて食う事で再補給をする所だが、……うーん、人肉は食うと不味い事が起きる成分が含まれているとは言うけど、人骨の場合はどうなのだろう? 色々と能力で問題点をゴリ押しでスルーすると言う訳にも行かないし。
「今回の相手は普通にゴリ押しで倒しましたね……」
「だが電気的な攻撃でも無いと、面攻撃や範囲攻撃を逃げられない様にすると言う意味でのある程度以上の速度で行う事が攻撃を当てる為の条件だし、それを提示すると言う意味でゴリ押しは仕方無いだろ」
攻撃速度で対応速度を超えられないなら人間相手なら有り得ない挙動で普通に避けられるので、面攻撃をある程度以上の速度でやりました、と言うだけだし。まあ、個人的にはゴリ押し解決なんて嫌いでは有るが、基本的にゴリ押し解決以外解法が無い内容の物が皆無な訳でも無いしね。
「とりあえず後は陸路で帰るか。……メタ読みすると追加で流石に新幹線とか電車で帰ると脱線事故を意図的に起こされました……とかには成らないよな?」
「取り敢えずルド様に連絡をまた取りましょうか」
「だな。流石に今はこれ以上来るのは勘弁だ」
そして連絡を取る為に移動して居た所でルド様が現地に来て呆れながら言う。
「……はぁ、一応初見殺しだったのだがね」
「先の話でメタ読みすれば良かったと言われたので、無意味な爆発なんてわざわざするかよと思い、無理矢理飛行機から脱出した結果です」
「あー、俺が先にヒントを与えていた形か、これは俺が悪いな」
「メタ読みする気でやらないなら普通にそのまま乗って居た気もしますけども」
それに今回の話の場合、例えば事前のエンジン破壊の奴はしなくても問題は無く、爆破は二度目のだけで話としては成立して居た。つまり手加減兼ヒントをわざと先に与えられて居た事に成る。
「それはそうと、ケールハイト、最後の襲撃者は如何だ? あれをちゃんと使いこなせば只の残像では無く、実体持ちの分身を造る事も行けると思うが」
「……確かに今でも立体ホログラム以外ならもう出来ますけど、実体分身のクオリティを高くしたければ制御が面倒だからわざわざ一体しか出されなかったのでは無いのですか?」
「それなら別に専用のAIに任せても問題無いだろ」
「……水霧の能力で実体を得たので見た目や肉体自体は通常の人間とは然程変わらないとは言え、一応私達もAIが起源なので、そう言うのに任せるのは割とアレなのですが」
「まあ、だから俺の記憶と力無しの状態の人格を元としたAIで有る水霧が俺の“疑似”転生者なんて話に成る訳だが、即席AIの使役が嫌なら、全部自分でやる事だね」
「……」
……はぁ、本当にアレだな。そもそも今の茶番劇だって、ルド様が強いのが根柢の原因みたいな物だ。少なくとも俺がルド様相応になる前に潰せ、と言う考えの奴が居るのは、今回の話で見たような奴等ではルド様を潰せないと言う事でしかない。そうじゃ無いなら俺を襲う奴等はルド様を殺しに行く方が確実で効率的で良いと成るはずだからだ。茶番劇は茶番劇。でも敵役側がルド様の雇われじゃ無いのなら、俺を襲いに来る敵役が盛られれば盛られる程、ルド様が相対的に盛られる形に成る。先は遠いな……。




