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異世界から戻ってきたらハイスペック彼氏ができてた件

朱音と尊のその後の話


東堂朱音は複雑な心境にあった

正ヒロイン(聖女アリス)が帰ってくるらしい


朱音は5ヶ月程前いきなり異世界に自己意識だけ転移させられた

その世界は朱音が大好きなゲーム『聖女と王子どっちになる』という恋愛ゲームの世界だった

さらに転移したのはゲームヒロインの聖女アリスでその恋人は朱音の最推しキャラである隣国フィリーネの第二王子レイルだった。


ゲームエンド寸前で入れ替わった朱音は強く思った

(ヒロインに捨てられた推しは自分が絶対幸せにする!)と、

そう思って勉強なんて大嫌いなのに一緒に転移してしまった姉の下で推しを幸せにするべく王族妃修行に励んでいた

レイル王子への想いは朱音のいつもの恋とは少し違った。

でも朱音はレイルを推しとして大好きだったし、絶対幸せになってほしいと思っていた。それに比例して愛情は無限大に増幅していった


それなのに、ヒロインのアリスがある日突然気が変わってsei-o(セイオー)世界に帰ってくる気になったのだ


朱音は人をあまり、というか、ほぼ嫌いになる事が無い

人の一面がその人間の全てでは無い事を朱音は幼い頃からよくわかっていたし、(ちょっとクセのある人ほど内側を知れば面白い!)そう思っていた。

だから自然と他人をこーゆう人だと決めつけないように生きていた

でも、この時ばかりは朱音はアリスを嫌いだと思った


勝手に人の身体を乗っ取って朱音を異世界に転移させた人


大好きな推しのレイル王子を裏切った女


そんで朱音が推しの為にめっちゃ頑張った今、この状態の時に気が変わったとかで帰ってくる女



朱音が嫌いになるのはあたりまえだった

普通の人間なら異世界飛ばされてる時点でもう嫌いである


それでも朱音は自ら帰るという選択をした

拒もうとは思わなかった


(レイル王子は、ずっとアリスを待っているから…)


レイルは朱音が転移されて聖女アリスと成り代わったその日から、ずっと甘く優しかった

でも朱音は知っていた

レイルがその、身体を懐柔する事に固執するのも

逃げられないようにただただ慈しみ愛でるのも

王族妃修行を親身に励まして労ってくれるのも


全てが朱音の為では無いという事を朱音はよくよく知っていた


朱音とアリスは性格にかなりのズレがあった

アリスを愛してやまない恋人のレイルが性格の変わりきったアリスに気づかないわけがなかった

かなり早い段階で成り代りに気付かれているとふんだ朱音だがレイルが何か言ってくるまではこのままでいようと考えていた


しかし、レイルは何日たっても朱音の正体を勘繰る様子も、問い詰める事も無かった


(ああ…そうか。レイルは怯えているのね、真実を知る事を。偽りだと分かっていてもなお、アリスに愛される夢をみていたいんだ。)


「…それとも、レイルはアリスの帰りを待っていて、戻ってきた時逃がさない為にわたしを利用して自分に繋ぎ止めようとしてる…こっちの理由のほうが溺愛ヤンデレキャラのレイル王子らしいか…」


どちらにせよ、朱音にとって危うい状態のレイルを放っておくという選択肢は無かった

オタクの推しへの愛情は無限大なのだ


推しが今日も息吸って元気に生きている

それだけで充分だと朱音は思っていた


だから本当に推しが望む幸せな展開がすぐ側で待っているなら今度こそ掴ませたい


朱音は誰もいない部屋でこの先も一生対話する事の無い相手に宛てて声をあげた


(この記憶を一番鮮明に残るように…)と強く願った


「アリス!私の推しを不幸にしたら絶対許さない!

レイルにはアリスが必要なの

貴方の一生をかけて彼を幸せにして。貴方がレイル王子に心の底から幸せだって言わせられたら私貴方のした事全部を許す!私に少しでも悪いことしたって気持ちがあるならレイルの事ちゃんとみて大切にしてあげて」



そうして朱音はこれで自分の役目は終わったのだと思った。

そうして色んな気持ちを吹っ切ってすっきりした気持ちで元の世界へ帰ったのだった


**


帰ってきて有栖(アリス)が自分に成り代わっていた間の記憶をみて朱音は目を丸くした


有栖も朱音と同じようにメッセージを残していたのだ


『朱音ちゃん。勝手ばかりしてごめんね、

私はこんなだけど、お兄ちゃんは私とは全然違うから彼氏として検討してあげて、もし無理ならそれは仕方ないけど…私のせいでお兄ちゃんが振られちゃうのはかわいそうだから私の事無しで考えてあげてほしいの。兄をよろしくお願いします』


自室で一人鏡の前で正座して頭を下げている自分の記憶


自分が土下座している姿が鮮明に記憶に残っていて複雑な心境にもなったがそのメッセージを真摯に受け朱音はゆっくり瞳を閉じて記憶の中のアリスの兄、東堂(たける)との記憶を何度も振り返った


(…尊兄ちゃん成り代わる前から私の事が好きだったの!?話した事もないのに…)


(えっ?アリスのお兄ちゃんな時と雰囲気ちょっと違うくない?)


(うわ、私尊兄ちゃんとキスしちゃってるじゃん!?え、でもその後なんも無しだと?うそでしょ、付き合って半年近く経ってるのにカレカノでいてキスもしない清い付き合いのまま現状維持って、すご!真面目か!)


朱音が今でももつアリスの記憶にはアリスの兄としての尊がとても鮮明に記憶に残っていてそれをアリス視点で覗いた朱音は尊に対してなんだか自分のお兄ちゃんでもあるような錯覚を持ってしまっていた


だから実際会った事は一度も無いが、記憶的に良く知る彼の事を尊兄ちゃんと勝手に心の内でよんでいた


朱音はアリスの記憶でみる兄としての(たける)にとても好感がもてたし、こんな兄がいたらそりゃブラコンになるのもわかる気がするとも思った


優しくて、賢くて、何をやらせてもそつなくこなすスマートな兄

利発そうな顔立ちにクセのない栗色のマッシュヘア

身長180センチのすらりと伸びた長身

勉強を教える時に視界に入る長い指と男性らしい筋っぽい手の甲や手首には色気さえ感じさせた

まごう事なきハイスペック兄ちゃんに

朱音は(私もこんなイケメン兄ちゃん欲しかったーこんなん一緒にすんでたら毎日愛でる)と、まったくの他人事として捉えていた


が、、、


そのうらやま〜とか思っていたハイスペック兄ちゃんが異世界から戻ってきたら自分の彼氏になっていた



しばらく記憶を整理して現状を理解した朱音は狼狽えた

それはもう部屋の中行ったり来たりウロウロして頭を抱えて天井見上げて発狂するくらい取り乱した


「神様ー!?私なんかすごい善行とかしたんですか?それとも明日あたり死ぬんですか!?

え?怖い…異世界転移した時より怖い!!

無理無理無理確かにハイレベル彼氏欲しいって思ってたよ!?何なら口に出して言ってたよ!でも実際付き合うって全く別な話だよ、あんな完璧な人にオタクだってバレたら軽く死ねる!あんな超頭良い人の彼女なのにテストで赤点取り巻くってるとか恥ずか死ねる!いや、本気では死なないけど、メンタルが死ぬ!ダメだ別れよう。バレる前に…」


動揺しまくりで出かける準備をする朱音を見て姉の由梨は手首を掴んで静止した


「朱音、急にどうしたの?ちょっと落ち着いて…」


「お姉ちゃん離して!大丈夫。私は超冷静」



転移して来たのは学校から帰った後で今は朱音は学校の制服を着ている。朱音は財布やスマホが入ったままの通学カバンを手に取り玄関へ向かった


由梨はすぐ朱音を追いかけて玄関までついていく


「いや、どうみても冷静でないでしょ、どこに何しに行くつもり!?」


朱音はスニーカーを履いて玄関のドアノブに手をついて押し開けながら由梨の方へ振り向ききっぱりと言い切った


「ちょっと尊兄ちゃんと別れてくる!」


そう決心して前を向いた朱音は息をのんだ

ヒュッと音が鳴ったんじゃ無いだろうか


「…朱音。それはどういった理由からか、俺が納得できるように説明してくれるかな?」


「た、った…尊に…くん」



玄関を開けた先に立っていたのは口元だけで辛うじて笑みを取り繕った尊だった


「ああ、もちろん…俺が納得できる理由があったからといって、それで別れるかはまったく別なんだけどね」


氷の微笑を張り付けて目の奥はまるで笑ってはいない尊の様子に朱音は記憶の中の尊の言葉を思い出す


『俺と別れたくなったら、朱音は何も言わないで逃げたほうが良い』


(そういえばそんな事言われてたな…私は直接きいてないけど…てゆうかさ…)


有栖が朱音に成り代わっていた時の記憶で尊が朱音の家に来た事は一度も無い

それ以前に、住所も教えてはいない事に朱音は気付く


「ど、どうしてウチがわかったの?」


「ああ、そんなの…この前朱音がうちにこれ忘れてったから」


そう言って尊は制服のズボンのポケットから朱音の学生手帳を取り出して見せた


「…」


朱音は手にしている自身のカバンから学生手帳が無いか弄って無い事に気づいた

確かに、

学生手帳には自宅の住所や電話番号が記載してある

中を見れば家まで来れるのは当たり前だ

しかし、朱音は普段からうっかりしているので学生手帳は無くさない様に学校のカバンの内ポケットへしっかりと入れたまま外に出すような事はしなかった、


(何故にピンポイントで尊兄ちゃんのもとに落としてくる?…有栖か…有栖の仕業なのか?

わかんない、記憶みてもさっぱりわからん)


とにかく家がバレたのは仕方ない。

しかし!絶対に部屋にはあげないぞと朱音は強い気持ちを持って声をあげた


「とりあえず、学生手帳はもらっとくよ、ありがとう。それと、今部屋片付いてないし、お姉ちゃんも仕事から帰ってるし…だから」


そこへ、由梨が玄関から話しかけた


「私外でようか?

込み入った話なら外より人の無い場所でした方がいいでしょ、お父さん出張中だし、お母さんは仕事おわったらおばあちゃん家よるみたいだから帰り遅いって、リビング使うと良いよ」


(お姉ちゃーん!?気の使い方間違ってるからぁ!)


「いやいや、お姉ちゃん、そんないいよう〜

私達は外で…」


朱音の声を遮るようにポンと朱音の両肩に尊が手を置いた


「はじめましてお姉さん

朱音さんと付き合っている横山尊です

お言葉に甘えて少しお邪魔させて頂きます」


「はじめまして、姉の由梨よ。わかっていると思うけど、彼女の家族不在の家で不埒な真似はしないで頂戴ね。貴方を信じて家にあげてあげるのだから」


「勿論です。話し終えたらすぐに帰ります。」


「よろしい。じゃあ朱音、お茶くらいは出してあげなさいね」


朱音の意思を無視して由梨と尊は勝手に話をまとめてしまった

朱音はカバンを持って外へ出て行く姉に縋るように腕を掴んだ


「お姉ちゃん、お姉ちゃんいかないでよ〜」


由梨は朱音の頭をなでて耳元でこそっと伝えた


「大丈夫。彼女の身内に釘を刺されて手荒な真似できるような男はそういないから。

外のが逆に心配だわ…なんとなく…」


そう言って由梨はあっさりと出かけて行ってしまった


玄関先にポツンと残された二人はしばし沈黙して、

諦めた朱音は「…どうぞ」と言って尊を家にあげた


朱音はダイニングの椅子に座ってと目でアイズして

尊はゆっくりと腰をおろした


「麦茶でいい?コーヒーインスタントならあるけど」


「お構いなく、朱音も座って、話をしよう」


「じゃあ麦茶ね」


朱音は来客用のカップに冷蔵庫から出した麦茶をついでことりとテーブルに置き尊の向かい側の椅子に腰掛けた


先に切り出したのは尊だった


「…朱音の気持ちが俺に向いてないのはわかっていたよ。ここ一ヶ月くらいはとくに俺と距離をとりたがってたように思う。他に好きなやつでもできた?」


視線を下げて冷静な口調でいう尊の言葉に朱音は目を丸くした


「まさか!!そんな理由じゃないよ」


朱音の言葉に今度は尊が目を見張る番だった



「違うの?なら何で?他が関係しないなら理由は俺って事だよな、俺の何がダメ?何が嫌になった?

どうして俺じゃダメなの?」


テーブルに手をついて前のめりになって尊が朱音を質問攻めにするが朱音は言葉に詰まってしまった

(尊兄ちゃんにダメなとこなんてない…

ハイスペック過ぎて私が引け目に感じてしまうだけだ)


「尊に…尊君はさ、非の打ち所がない人だと思ってる。だからこそ、私にはもったいないというか…

尊君にはもっと相応しい人がいるんじゃないかな…」


「…なにそれ…まさかそんなのが別れたい理由とかいわないよね?」



前のめりの視線のまま尊が信じられないと言った顔をしている


「えっと…そうですけど?だから別れましょ?

私達」


「嫌だよ、別れないよ!何言ってんの?本気で別れたかったらもっとマシな理由もってこないと話にすらならないよ。なんでそんな意味わからない理由で振られないといけないんだよ」


はあーと顔に手を当てながら尊は心の内では心底安堵していた

(良かった。全然なんの問題も無い理由で良かったこれならいくらでも言いくるめてしまえる)なんて事を尊は考えていた


一方朱音は(ええー…別れるのにマシな理由って何?別れる為の、マシな理由…マシ…わからん)


放心状態のまま頭をフル回転してマシな理由とやらを考えてみるが朱音はただただこんがらがるだけだった


するとそれをチャンスとみた尊が別れ話を無かったものとする為に早急に畳みかけた


「逆の理由で俺が朱音に相応しく無いっていうなら納得できるよ、その場合も別れないで俺が朱音に相応しくなるように頑張るだけだけど…」


「…」(別れないのかー…)


「朱音に俺がもったいないとか、他に相応しい相手がいるとか、朱音がそう思うのは勝手だけど、俺はそんなふうに思って無いし、寧ろそう思ってたらまず告白なんてしてないし。朱音がそう思うに至って理由とかあるんだろうけど、それを考慮したとしても俺が好きなのは朱音だし、俺は朱音の彼氏でいたいから朱音がいくら別れたいっていってもそんな理由じゃ別れてあげられない」


尊は真剣な瞳で朱音を真っ直ぐ見つめてテーブルの上にある朱音の手をそっと包み込む様にして優しく握った


ドキリと朱音の心臓がひとはねした


「朱音、好きだよ、俺のこと嫌いじゃないなら別れるなんて言わないでね。わかった?」


「…」


尊が首を軽く傾けて懇願するように上目づかいで訴える姿に朱音はこくりと喉を鳴らした

(近い近い、上目づかいで、わかった?て何?)

朱音は頬を真っ赤にして恥ずかしくて目をつむり、

でも尊の様子が気になって恐る恐る目を開ける


その様子を目元を紅らめて(かわいい…)と

うっとりと見つめる尊


「朱音もわかってくれたみたいだし、もうこの話は無しでいいよね」


尊が完全に畳み終えようとして朱音は


「ちょっとまった!」と声をあげた


尊は目を細めて「ん?」と聞く姿勢を見せる


「あの、違うんだよ、尊君の問題じゃ無くて、本当は私なの!わ、私ってバカなのよ?もうしってると思うけどとんでもなく勉強苦手なのよ!だから尊君にはふさわしくないんだって」


「…???朱音が勉強苦手なの知ってるけど、もうそれって過去の事じゃん。この前の期末テスト全科目8割以上点取れたっていってたじゃん、順位かなり上がったんじゃないか?」


「は…あっ…?あーーー!!!」


朱音は転移してきてすぐに尊との事ばかりにとらわれていて完全にほかの記憶に対しての関心が抜けていた


有栖が朱音に成り代わっている間に有栖は尊の指導の下にみっちりと勉強に励み朱音の勉強の遅れをとりもどしさらに勉強を面白いと思えるように朱音の身体に勉強する習慣を身につけさせていた

今の朱音は以前とはまるで違うNEW東堂朱音と言っても過言ではない程学力が向上していた


(…やばい、なんか気づいたら勉強したくてうずうずしてきた…ゲームより勉強したいって私の脳みそどうなってんの!?アリスに改革されまくってる)


わなないている朱音に対して尊はどさくさにまぎれて手をなでなでしている


「なんかよくわからないけど、もういいよね?」


尊のその言葉に朱音はハッとして「よくない!

えーっと、勉強面での件は置いといて、もっと重大な欠陥が私にはあって…だからそのー、」


「なに?言って。全部許容するから」


あっさりと言い切る尊に朱音は(いや、だから、バレると死ねるから別れるのに言う訳ないでしょ…)と押し黙った


「…そんなに俺に言いづらい事?

ちょっと待って、当ててみていい?」


尊は朱音から手を話し顎に手をついて、うーんと目を閉じて考え始めた


「俺は全く欠陥とかは思ったりしないんだけど、

朱音が気にしそうな事を考えると…

実は腐女子とか?」


尊の発言に間髪入れずに朱音は声をあげた


「そっち系じゃないから!アニメとかゲームが好きなの!!二次元ラブなの私!」


腐女子でも許容範囲だと言い切る尊に朱音はついに本音をぶちまけた、それを尊が嬉しそうに見て笑った


「良かったー、本当は女の子が好きとかいわれたら

どうしようかと思ったけど、そんなシンプルな趣味なら全然気にしないよ、朱音の好きなものなら俺も知りたいし。あのさ…ちなみに推してるキャラとかあるの?」


sei-o(セイオー)のレイル王子…神きゅんなんです…」


顔を両手で隠しプルプルと震える朱音を尊がにっこりと笑いつつ

「へー…覚えた。よくよく調べておくよ」


といって朱音の出した麦茶をごくごくと一気飲みして、ふーーーっ…と大きく息をついた


何かに耐えている尊に顔を隠している朱音は一向に気づかない



「朱音、顔みせて?」


朱音はそろそろと両手を退けて顔をだした

まだ顔はりんごのように真っ赤になっている

それを愛おしそうに尊が見つめて言った


「それで?まだ他に何かある?」


「…ない」


「じゃあ、俺の彼女でいてくれる?」


「っ……本当に私でいいの?」


「うん。朱音がいいの」


「じゃあ、うん。わかった。彼女やります」


「ありがとう」


二人は数秒見つめ合いどちらからとも無く吹き出して笑い合った



それから数ヶ月後、

ずっと清い付き合いにとどまっていた二人の交際はレイル王子を研究しまくり朱音の好みを徹底的に分析した尊の頭脳派戦法により急激に進展し、

朱音が尊に夢中になった頃、


尊があの日の真相を懺悔するように告げた


「あの日朱音が生徒手帳忘れていったって言ったけど、本当は朱音の様子の変化を見て逃られるかもって怖くなって、俺がこっそり抜き取ったんだ…

住所さえ知ってればにげられても追いかけれるよなって」


「ヤバい、ストーカーの発想じゃん完全に」


「うん。ごめん。でもズルしても離したくなかったんだ。俺ちょっとヤバいくらい朱音の事好きなんだ…こんな俺でも好きでいてくれる?」


「本当、そうやって弱い所見せて甘えるのどこで覚えてきたの!?

本当ズルい!も〜〜〜でも許す!好き!」


朱音は尊の手をグイっと引っ張り目一杯爪先だって尊の頬や唇にキスの雨をふらせる

尊は目を閉じて満足そうに笑った


「…朱音、俺、レイル王子ちょっとすきになれそうだよ…」


尊がその日からレイル王子の事を心の中でレイル師匠と呼び始めた事を朱音は知るよしも無かった







読んでくださりありがとうございます。


後、アリスとレイルのその後を番外で書く予定です。

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