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思わず叫ぶと、落ちていたソフトボール大の石を、首めがけて思いっきり投げつけた。
ガン!
石は首に当たり、やけに大きな音がした。
そして幽霊はどさりという音とともに倒れこんで、動かなくなった。
――?
俺は恐る恐る近づき、そして気付いた。
――人間!
それは生きた人間だった。
全身を黒い服で包み、黒い手袋に黒い靴の幽霊ではない本物の女性だ。
そしてついさっきまで生きた人間だったはずの女は、今は完全に死んでいた。
息もしてないし、手をとってみても脈もなかった。
――どうしよう……。
俺は意を決して女の両足を持ち、そのまま女を引きずりながら山に入った。
そしてたまたま見つけた穴の底に女を投げ入れ、手で土をかぶせると、逃げるようにその場を後にした。
その後も女の幽霊の噂は後を絶たなかった。
このところ毎晩だ。
ただ首だけの幽霊が現れる場所が、遊歩道から俺の住むアパートに変わったのだが。
終




