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大学から程近い小さな山に遊歩道があるが、いつしかそこに、首だけの若い女の幽霊が出ると言う噂が立ち始めた。
「本当に見たんだからな。嘘じゃないぞ」
先輩がそう言うのを聞いたが、とても嘘を言っているようには見えなかった。
他にも見た人は何人もいるようだ。
「それがなあ、けっこう美人なんだぜ」
美人と聞いて、万年女日照りの俺は、美人なら幽霊でも見てみたいと馬鹿なことを思いついた。
早速その夜、遊歩道に足を向けた。
薄暗いといえば薄暗いが、月明かりで何も見えないこともない。
すぐそばに街の明かりもある。
遊歩道はさして長くはない。
しかし出口付近まで歩いたにもかかわらず、首だけの美人は現れなかった。
――今日は出ないのかなあ。
とあきらめかけたとき、突然現れた。首だけの女が。
――幽霊がでたら、やっぱり怖いだろうなあ。
とは考えていたが、自分が思っていた以上の恐怖心が湧き上がってきた。
顔は確かに美人だ。
それが俺の恐怖心を更に底上げした。
「うわっ!」




