HPを作りました。
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一応、続編です。
開けると、ばたばたと音がして、奥から出てきたのは10歳くらいの男の子。走ってきた男の子は、急に顔色を一変させて、立ち止まります。ひかりの姿を見て、男の子は不安げな顔をしました。
「慶、お友達のひかりさん、仲良くしな」
ひかりの聞こええない声で、篠山がそう言うと、男の子は隠れるようにリビングに逃げていきます。ひかりは、微笑ましく男の子を見てにやけました。しかし。
『勘違いしないでください、あの子は人見知りな訳ではないんです』
篠山はメモ帳を見せます。ひかりは首を傾げました。
慶、と篠山は部屋の中に上がりました。同じように靴を脱ぐと、ひかりも上がりました。
「慶、隠れなくてもいいんだよ?」
しかし、男の子はリビングの奥、机の置かれた自分の部屋へと、隠れて行ってしまいました。
篠山は、小さなため息をつくとテーブルの椅子を出して、ひかりに差し出します。
「どうぞ」
そして急須を持って、キッチンに向かいました。
ひかりは会釈して椅子に座ります。
また、どうぞと篠山はひかりの前にコップを置きました。そして、メモ帳に書きます。
『親戚から預かった子なんですよ、人見知りで、学校にもなじめないみたいで最近ますます人の顔色を見るようになってしまって』
ひかりは読むと、男の子が入って行った部屋のふすまを見つめます。
昼、篠山はラーメンの出前を頼むと、篠山とひかりは男の子より先に箸をつけます。
「あぁ、おいしそう」
篠山は大きめの声で麺を箸で掴みます。すると。
がら。
男の子は部屋から出てきて、自分の椅子に黙って座りにきました。ひかりは知らない顔をしながら微かに笑みました。
そしてひかりは慶の肩を叩きました。
『おいしい?』
メモ帳を見せると、慶は逃げようとして。その時、近いところに配置されていた低い箪笥に手が触れて。上に置かれていた花瓶が落ちて。
ガシャン!
イタ、とひかりは足を切りました。靴下の指先に、血が滲みます。慶は止まって振り向きました。
「慶…!」
篠山は顔をしかめます。
ひかりは指先を押さえると、慶に尋ねました。
「大丈夫?怪我しなかった?」
ひかりが不完全な声でそう慶に尋ねると、当の慶は花瓶を落としたことよりも、気になったのか首を傾げます。
「お姉さん、声出ないの?」
慶は初めて口を利きました。ひかりは驚きながら小さく笑みました。そうして頷きます。
「うん」
『大丈夫だよ、僕もなったことあるから』
素早い手話を、慶は見せました。驚いて、ひかりは篠山を振り返りました。篠山はにこりと微笑みます。
「喋ってあげてください」
篠山は唇をそう動かしました。
『僕ね、慶っていうの、お姉さんは?』
慶は言います。




