↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夕焼け色の猫  作者: 鈴寿
PR
15/19

金色の瞳

「ただいま~っ、福ちゃんっ!。」自転車を駐輪場に置き、合羽姿のまま窓辺に近付いたら、ビクッ!!と身体を震わせ、福ちゃんは、一目散に部屋の奥に逃げて行ったー。「…あ、あれっ?…。」全身ブルーの合羽に身を包んだずぶ濡れの私は、猫の目には不審者そのものだったようだ。「あはは~っ、ごめんっ、ごめんね…?。福ちゃん!私だよっ!。」合羽のフードを後ろにずらし声を掛けると、暫くして、遮光カーテンの隙間から、そぉっと、金色の眼が覗く。私だと解ったようでピョンと窓辺に駆け寄り、窓ガラスに額を擦り付ける。゛お帰り藍ちゃん~っ、さっきは誰かと思ってビックリしたよっ!〝とでも言うような顔つきだ。猫の目に映る景色は、影絵のような物だと聞いた事がある。だからその分、聴覚、嗅覚が発達しているのだとかー。人間の目は、余りにも色んな物が見え過ぎて、反って本物が見えなくなっている気がする。だからか、他人の目は凄く濁っていて暗く感じたー。私は真っ直ぐ他人の目を見るのは苦手で、何時も地面を見ていた。だから、そんな警戒心の強い私が、騙されるなんて、考えもしなかったのだ。でも、何もかも失くしたと思ったあの日から、私は真っ直ぐ前を見て歩くようになった。ー私は、怖かったのだー。人の世が、怖かった。1人1人が怖かったー。人は人を簡単に、傷付けるものだからだー。でもお金があれば、そんな世界であっても、私は大丈夫だと思っていたー。なのに、本当にあっと言う間に私の目の前ですり抜けて消えてしまったー。いつの間にか、お金と言う目に見えない、得体の知れない物に縋っていた。ー今なら解るー。お金は私に付いて来る ゛モノ〝 なのだ。私が動く事で、お金は増えて数字になる。そして私は、時間にも縛られていたと解った。こんな価値のない事に拘っていたら時間の無駄だー。朝も4時30分に起きていた。早く起床すれば掃除も洗濯干しも余裕だ。時間を棄てる行動は愚かしいー。時間は有効に使わないと勿体ないじゃないかー。自分で決めた拘りの掟にギチギチに縛られていたのだったー。痛い痛い事故で、そんな想い全てが心からベリベリと剥がれ落ちて行ったー。どうでも良いわ、そんな事ーってなもんだわ~。今は、胸いっぱいに、深く呼吸が出来て、身体全体が軽く感じる。しかし、あれから調べたら、詐欺対策ツールは結構あるものだ。固定電話だけだが、怪しい海外電話を拒否出来るシステムもあれば、警視庁推薦の詐欺電話と覚しきダイアルが繋がらなくなるアプリもあった。しかも無料サービスだ。いやっ、ちょっと、早く言ってよ警察庁!?。早く知りたかったわ~!。結構これ、見てると面白いー。履歴を見て、こんな番号あるんだー、あれ、この日は2件も掛かってる。必死だなっ、金拾いの金泥棒集団ーなんて笑ってしまった。ふんっ!見てろっ!今に1人1人が地獄見るからなっ!!。ふざけてろっ馬鹿野郎〰️!!。なんてねっ。たまに違う番号で掛かってきても新しく入れ混む事も出来るしー。スマホの画面をタップして遊びながら、「あれ、私、余裕だなぁー。」と苦笑したー。福ちゃんと瑠花さんに会えてから、私は歩く人生の路を高見に変えて行ったー。今を、私自身が決めて、歩くんだー。それだけ、なんだー。…猫の目は綺麗。尊厳性の高い、輝く金の瞳だー。いつか私も、鏡を見た時「キラキラして綺麗な目になったなー。」と自覚出来る生き方を歩こうと思う。もっと楽に、全身の力を抜いて、心の底から笑顔であるように、身体の芯に力を溜め込むんだー。そうする事で、私の後ろから、富も幸福

も付いて来るのだー。…あら、私、ちょっと格好良くない?…。洗い髪をタオルで拭きながら、くすり…っ、と笑ってしまったー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。