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夕焼け色の猫  作者: 鈴寿
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それぞれの1日が終わる夕焼け時、白いマンションの一角にある駐輪場横の隅の窓に、何時も佇む猫がいた。柔らかな金の瞳に写す人々を、何時も可愛く癒してくれる猫だった。

「ただいま‥‥。猫ちゃん。」電動自転車を押しマンションの裏の駐輪場に置き、部屋に戻る路へと横切ると、いっぱいの夕焼けに照らされる小窓がある。キジトラ猫は、その出窓で何時ものように、ゆったり横になって寛いでいた。声をかけると見つめ返す金色の瞳は優しく揺れる。しかし今日は、その瞳がだんだんとぼやけて行った。「猫ちゃあん~っ¨。私どうしよう~¨。詐欺に合っちゃった~っ!。」私のポロポロポロポロ落ちる涙を、猫はただキョトンとした顔で見つめ続ける。その平和な無邪気さに、蛇口が壊れたようにワァワァ声を張り上げ泣いた。財テクの一つにと軽い気持ちでビットコインを購入したつもりが定期全て抜き取られてしまった。有名人の動画にあったサイトだからと気を許した。おひとり様を満喫する為のなけなしのお金だった。しかも来月末は30歳の誕生日なのだ。最低最悪だ。「死にたい‥。」両手で掴んでいた窓枠から手を外し壁際にズルズルと座り込んで泣きじゃくった。トボトボと一番上の私の三階の部屋迄、螺旋階段で上がる。人通りが少ないとはいえ、流石にあのまま座り込んでいる訳にはいかない。涙の調節が出来た頃、砂利道を踏む足音で慌てて走った。どうやって死のうか?。でも痛いのは嫌だ。刃物は駄目。首を括るのは?。苦しいよね‥?。やっぱ練炭かなあ~‥。警察署でも、やんわりとだが、戻って来ないと言われた。身体から力が抜ける。なのに胸の

中はザアザアと大嵐のよう。息が小刻みに荒くなって来た。もう死ななくちゃ。苦しい、苦しい。何も考えなさたくない。ベッドに倒れるように横たわった。兎に角、今は眠りたい。寝よう。疲れた。でなきゃ、壊れる。

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