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4話「ダークヒーロー=彼女?」


 ダークヒーローの猛攻を耐え抜いた後……。

 

 私は、そもそも考えなきゃいけない事について悩んでいた……。


 そう、それは……ダークヒーロー麻宮蜜音は……果たして渚にとって何なのか……と。


 今までは、私の視点から見た時の麻宮と私達を定義してきた訳だが……。 


 渚は私の事をどう思っているのか……ダークヒーローは一体何者なのか……。


 どこか調べてくれるサイトはないものだろうか……。


 いや、いかがでしたか? ……は自分で調べて私が言うべき事なのだろう。


 そもそもいかがでしたか記事等、私の調査力には及ばない。


 何故なら私が本気で渚の事を調べてた時、探偵事務所四社に恋人が記憶喪失で居なくなったと、依頼し一人6時間体制で24時間365日、渚を捜索してもらっていたからだ。


 まあ、私のというか……私の財力が凄いだけかも知れないが……もちろん私も何もしてなかったわけではない……。


 私自身も、付近の学校の生徒の顔は全員覚えたのだ。


 もちろん誰もヒットしなかったのだが……。


 何故なら、昔会ったことがあるだけの為、背丈も、顔つきも声も変わるだろうから、正直ぶっちゃけるとよく分からなかったのだ……。


 まあ……その後、親の再婚で再会したときに聞いた話だが……。

 

 渚は私が初めて会ったあと暫くして転校して、この地域から出ていってしまっていたのだ。

 

 だが私のここが凄いところで、名前と元々この辺に住んでいたという情報もあったし、何よりも会った瞬間……一目で分かったのだ。


 やはり、渚にとってのヒロインは私らしい事をその時に実感した。


 さて……今日は麻宮を理解する為にダークヒーロー物でも鑑賞するか……。


 

□ □ □



 放課後になり……月額の配信サービスに入る為にコンビニに来た。


 課金を促す配信サイトと……加入者の間にある、サービスを視聴するという名の友情を手に入れる為に友情課金カードを買いに――行く。


 全く、このサイトは友情カードと名乗っているが……何処が友情なのかさっぱり分からない……。


 今から私が加入するサイトはキャッチコピーとして、先程の自ら課金を促す配信サイトを〜買いに行く……と謎キャッチコピーを打ち出している謎サイトなのだ。


 そう、私は何故か今丸々キャッチコピーを頭の中で思い浮かべたのだ……。


 まさにこれこそが本物のヴィランのやり口で、私のはやはり闇堕ちヒロインで間違いなかった……。


 何故なら闇堕ちヒロインは可愛い。


 だがヴィランは可愛くないそしてあのサイトも意味がわからないキャッチコピーだから可愛くない……つまりヴィランだ。


「さて……購入も出来たし帰ろうか!」


 そう思ったのだが……前方に……敵襲だ。


 そう、奴等だ……。


 ダークヒーローと読者のコンビ……いや、愛しの渚……と麻宮……。


「ねぇ! 渚! 私、ソフトクリーム食べたいなー! 買って!」


「……まあ、今日はお金あるからいいよ」

 

 は?


 流石ダークヒーロー……人から食べ物を集るとは……。


 だが……渚から集りたい気持ちはわかる……。


 いかん、いかん……早く隠れなければ……。


 そうして二人が店に入ってくる前に死角に入る。


「渚! 私これね!」


「……うわ、高い苺ソフトかよ……」


「いいじゃない? 私、苺大好きなのよ〜!」


 なんだか……傍から見てると……カップルに見えてしまう。


 これもダークヒーローの作戦なのだとしたら、余りにも汚い……。


 もしかして……奴は私に気付いてこの作戦を……?


 だとしたら後をつけられていたのか……?


 くそっ! ダークヒーロー……麻宮……!


 もし作戦だとしたら、卑劣な行為を受けるヒロインは必ず後で救われるものだ、これが健全な物語であるなら……。


 そうして二人が、ソフトクリームを買い終わり、受け取る。


「渚も結局自分の買ってんじゃん〜! その味も食べさせてね?」


「ああ、いいよ?」


 そうしてコンビニの外に出て二人で食べ始めるが……。


 私は危惧していた……。


 何故なら、間接キスイベントが始まろうとしているからだ……。


 これは何としても阻止しなくては……。


 そう決意した、私は奴等の前に出る事を決める。


「う〜ん! 美味しい! この苺ソフト美味しいよ? さ! 渚、あーん!」


 ダークヒーローがソフトクリームについてたスプーンで渚に食べさせようとするが……。


「待った!」


「え!? 未来ちゃん……?」


「姉さん? どうしてここに……?」


「彼女でもないのに……そんな……そんな……間接キスはお姉ちゃん許しません!」


 パクッ!


 私は麻宮のスプーンのソフトを食べる。


「あ……」


 ダークヒーローと渚は、顔を見合わせ……。


「なーんだ! 未来ちゃんもソフトクリーム食べたかったならさっき言ってくれれば私がお金出したのに!」


「え……?」


「いや、だって食べたかったけど言うのが恥ずかしいから、間接キスを口実に、私のソフト貰ったんでしょ?」


 なるほど……ダークヒーローも都合の良い解釈型だったか……。


「そうだな……姉さん、俺達付き合ってないが、間接キスなんか気にしてたら何も食えないぞ?」


「あ、付き合ってないんだね!? 良かった……」


「良かった……? もしかして、私、渚の事好きだと思われてた?」


「え……? 違うの? もしかして……?」


 私がそう言うと、ダークヒーローは少し考えた後……。


「ふふっ! しーらない!」


 ダークヒーロー……!


 はぐらかしたな……?


 これもダークヒーローのやり方か……。


「じゃあ! 私、先に帰るから! またね渚!」


「あ、おい! ソフトクリーム、俺に渡しても食えないぞ!」


 ダークヒーローは渚にソフトクリームを渡して、去っていった。


「姉さん……いるか? ソフトクリーム」


「うーん……じゃあ貰おっか……それと……さっきの、ダーク、あ、麻宮の発言だけど……」


「その……ダークってのは分からないけど……麻宮はああいう奴だからな……多分姉さんをからかう為であって俺に好意はないと思うよ」


「ホントかな〜? また渚の都合の良い解釈でしょ?」


 ダークヒーロー……果たして本心はどうなのやら……。


 まあ、彼女じゃないと分かっただけ収穫か……。


 今回はいかがでしたか? ってダークヒーローにはぐらかされたのか……。



□ □ □



 ――私は……遠くから二人を眺める……。


「そっか……未来ちゃん……渚の事……好きなんだ……あは! 渚……未来ちゃん……悪いけど……渚と未来ちゃんはくっつかせないよ……だって……」


 だって……。


「幾ら血が繋がってないとはいえど姉弟で結婚なんておかしいよ!」


 こうして私は、二人を監視する事に決めた……。

 

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