表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法のせいだから許して?  作者: ましろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/50

19.逃亡者

「そういえば彼はどうなった?」


彼……あ、先輩の話をしてなかったわ。


「今日は帰っていただきました。殿下とのことが終わったばかりで考える事ができなくて……

でも、考える必要はないみたいです。間違っただけなんですって」

「間違えた?」

「はい、間違いだから忘れてほしいと言われました」

「……ほう?」


なんだろう。お父様の機嫌が悪くなった気がするわ。やっぱり先輩が乱入したことを怒っているの?


「あの、先輩のこと怒らないで下さい。私を心配してあんな行動を取ってしまったのだと思うの。私が殿下を怖がっていたから慌ててしまったのよ」


慌ててもノックは必要だけど。まだ学生だから許してほしい、なんて言ったらもっと怒るかしら。なんて言ったらいい?


「……いや、怒ってるわけではないよ。少し残念に思っただけだ」

「残念……ですか?」


何が?自分で謝罪しなかったこと?でも、帰ってほしいと言ったのは私だし。


「ごめんなさい。お父様の帰りが遅くなると思って私が帰るようにお願いしたの。先輩はちゃんと謝罪していたわ」

「いや、そのことは怒ってないから大丈夫だよ。驚きはしたけどね。ただ、殿下は公女の事件があったばかりだから、学友といえど節度を持った行動をするべきだね。お咎めが無くてよかったよ」

「……はい、それは本当に」


先輩のこと怒ってないみたいでよかった。

明日、このことを伝えなきゃ。

あと、いままでのお礼も改めて伝えたい。告白は間違いでも、本好き仲間は続行できるよね?


そう思ったのに。

ずっと先輩に避けられてる……と思う。

今までも毎日会ってたわけじゃないけど、もう一週間も図書室に来てくれない。


「……先輩はなんで来ないんだと思う?」


とうとう口に出してしまった。


「えっとね、あの日に何があったか聞いてもいいのかな?」


ビアンカが挙動不審なのはなぜ。

あの日ってあの日よね。言っていいのかな。これってたぶん先輩にとって恥ずかしい話になる……けど、言わないと相談が進まない。けど他人の失敗談を広めるのは駄目よね。


「ごめんなさい、詳細は言えない。ただ、殿下と話し合いをしていたら先輩が来てくれて。でも、まだ話し合いが終わってなかったから別室で待ってもらったの。殿下と話が終わってから、先輩と少し話しをしたんだけど……」


駄目だわ。ほとんど相談になってない。


「あれ?愛の告白は?」

「えっ!?」

「「え?」」


どうして二人が知ってるの!?

いえ、落ち着くのよ。まずは訂正が先だわ。


「あのね、告白はされたけど、」

「「よし!」」

「違うの!たぶん殿下を諦めさせる方法に悩んでとっさに言っちゃっただけなのよ。間違いだから忘れてって言われたもの。

……恥ずかしくて来てくれないのかな」


そうよね、間違いで告白。しかも父親と殿下もいる前で。恥ずかしいに決まってるわ。でももう一週間だし、そろそろ顔を見せて欲しいのだけど。


「……どうしてそうなるの」

「だから言ったじゃないか。口出ししない方がいいって。もともとちょっと拗らせてるのに」


何?二人は何か知ってるの?


「どういうこと?……まさか二人が(そそのか)したの?」

「違うわよ!……ただ、ずる賢く策を弄するばかりじゃなくて素直に気持ちを伝えればいいって思っただけだもんっ」

「……何のこと?」


先輩はずるい人なんかじゃない。

ビアンカでも許せないわ。


「先輩を悪く言わないで」

「……違う。悪口じゃないわ……だってずるいもん。リーゼが先輩を頼ってるのを知ってるくせに「ストップ!」


フィデルがビアンカの口を塞いだ。


「ビアンカ。何度も言うけど、この話は先輩がするべきことでお前が話すことじゃない」

「だって相談されたわ!」

「相談内容は避けられてるかどうか、でしょ。

リーゼは避けられてると思うよ。理由は告白が恥ずかしかったから。これでいいかい?

ビアンカがごめん。悪気はないけど先輩を煽ったんだ。猪突猛進だから、先輩の長期計画が狡く思えたんだよ」


長期計画とは。まったく何を言ってるのか分からない。


「リーゼは告白されてどうだった?」

「……驚いたわ。お父様と殿下の前で何を言い出すのかと……」

「「え!そんな状況で告白したの!?」」


今更隠しても遅いのでとりあえず頷く。


「確かに驚くね。それで?」

「それでって……それで終わりよ」

「なるほど。うん、わかったよ。ありがとう」


フィデルが何を知りたいのかさっぱり分からない。分かったのは、先輩がおかしな行動をとったのはビアンカが煽ったせい。でも、ビアンカに悪気はなかった。だから先輩もビアンカに怒ってるのではなく、恥ずかしいだけ。


「……よく分からないけど、ビアンカは先輩に謝った方がいいんじゃないかしら。かなり恥ずかしかったみたいよ」

「そうだね。大丈夫、俺が付き添うよ」

「その方がいいかも。ついでに伝言もお願い。お父様は怒ってないわ。でもやっぱり殿下への態度は気を付けるように言ってたわよ」

「了解、任せて!」


ビアンカだけだと心配だけど、フィデルが一緒なら大丈夫よね?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ