落ちこぼれエンチャンターと真の仲間(14)
最終話です。最後までお付き合いありがとうございます。
ではどうぞ
デバフの神様
落ちこぼれエンチャンターと真の仲間(14)
「待ってよ!!」
冒険者ギルドを出た路地は、既に夕日が沈んで薄暗い。街灯が入ってこないところは真っ暗だ。民家の灯りが等間隔でこぼれている。
スタスタと歩を進める黒髪の男を追って、若干息を切らせるのはローブの女。彼女の叫びに男は振り返った。
「なんだ?」
「なんだ、じゃないよ!! どこ行くの!?」
「どこって……家だが?」
正確には宿だが。やり取りの間に、後続がやってくる。その数合わせて三人だ。男一人に女三人が合流した。
「わたしは認めない!!」
「僕も」
「わたしもな」
「私もですー、認めません!!」
はぁ、とため息をつくエンチャンターだった。
「一応聞くが何が?」
「迷宮は30階層が条件です。【炎のダンジョン】の」
「何言ってんだ。もう終わったろうが。ちゃんと成功報酬も貰ったぜ?」
なおも彼らは続けた。
「そんなのはリヴァイスとギルマスの話でしょ!! 私たちが頼んだのは迷宮30階層までパーティー組んでって事よ」
「約束破る気ですか?」
「不誠実ですー。約束は果たせってリヴァイスさん、いつも言ってました!!」
黒髪にビシッと指を指す僧侶ファランカ。
「あのなぁ……」
「言い訳は聞きたくありません!!」
「約束破るんですか? それとも果たすんですか?」
「えー」
心底困った顔をするリヴァイス。勝機を感じた勇者達はなおも畳み掛けた。
「リヴァイスさん、パーティー入る宛、あるんです?」
「うっ……」
実は彼の人気は鰻登りなのだが、本人に知らせる気のない四人である。
「リヴァイス、僕達のパーティーは迷惑もさんざんかけたけど、楽しいよ? 気心もしれてるでしょ?」
「また一から関係を構築しなくてもいけるし?」
「リヴァイスさん、寂しくないの? また一人になりたい?」
「うっ……」
結構容赦ない四人だった。やられたらやり返さないとね?
「前に言ってたよね? 『追い出さない気概はあるか』って。追い出したりしなかったでしょ? 証明できたと思うけれど?」
「はぁ……」
エンチャンターは深い深いため息を吐いた。勇者は顔を真剣なものに変える。
「エンチャンター・リヴァイス。僕達のパーティーに来てくれ」
それは真摯な願いだった。
「貴方が必要なのよ」
「ぜひ!!」
エンチャンターは天を仰いだ。涙がこぼれない様に。
勇者は詠唱を開始した。
「『我が力の根源にして、命の泉。大海を巡る覇者よ。我が声を聞き届け、我らに力を与えたまえ。いでよ!!』」
三人の女達が勇者の詠唱に乗っかった。
「「「リヴァイアサン!!」」」
「お前らバカにしてるだろ!!!!」
完
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