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農業高校は毎日が戦争だぜ  作者: りょうさん
2学期編
22/110

2学期~姉の変化~

2学期スタートです

今日は8月26日、始業式です。


「・・・」

南は絶句した。

新学期の教室で繰り広げられていたのは、

「おい!お前これ終わったか!?」

「終わってるよ!貸してやるからこれ貸せ!」

「お前あと何個!?」

「あとこれで終わり!」

「マジかよ!俺まだ二つもあるよ・・・」

「ああああ!!読書感想文忘れてたぁぁ!誰か本貸して!」

「おーい!誰か本持ってないか!?」

「俺持ってるぞ!」

「ありがとよぉぉ!!!愛してるぜ!!!」

「へっよせやい」

「そんなことしてる場合か!早くやれ!」

「「「「「「うわああああああああ!!おわらねぇぇぇぇええええ!!!」」」」」」

戦争でした。

宿題の終わっていないものが素晴らしく焦っていたのだ。

大体の宿題は今日提出、しかし教科によっては例外もある。

「はぁ・・・」

宿題を7月中に終わらしていた南は呆れていた。

「おはよう・・・」

「おはよ~・・・」

「おは・・・!?」

耕太と哲也の声が聞こえたので挨拶を返そうとした南はぎょっとした。

「ど、どうしたのその顔!?」

耕太と哲也の顔はほぼ死にかけていた。

目の下にはクマがくっきり、顔全体もやつれている。

どうしてこんなことになったのか、それは、昨日の夜にさかのぼる。


「はぁ・・・明日から学校か~・・・」

耕太は就寝の準備を済ませ布団へと入っていた。

現在、夜10時。

「さっさとねちゃお~・・・なんか忘れてないか?」

忘れてます。

「えっと・・・あ・・・あ・・・あああああああああああああああ!!!宿題やってねええええええええええええ!!!」

耕太は大声で叫び布団からはね起きた。

そして机の上に課題を広げる。

「見事にやってねえ・・・」

ノートやプリントは真っ白、何もやっていなかった。

「仕方ない・・・よな・・・とほほ」

それから夜通し、寝ずに宿題をやり、どうにか全て終わらしていたのだ。


そして、こちらは哲也の方。

「あ~、明日から学校だよ・・・」

(哲也様、頑張ってください!)

「ああ、がんばるよ~」

哲也は甘奈と電話をしていた。

「まあ、甘奈も早く寝なよ~」

(はい、わかりました。ところで哲也様)

「ん~?なんだ~?」

(この夏はいっぱい私と遊んでくださいましたけど、宿題の方は大丈夫なのですか?)

「宿題・・・しゅくだ・・・い・・・ああああああああああああああ!!!!」

(て、哲也様!?)

「やってねぇええええええええええ!!!!!」

(哲也様・・・)

「甘奈、俺の頼みを聞いてくれるか?」

(え、あ、はい)

甘奈は一人称が俺になっている哲也に驚きながら答える。

「・・・手伝ってくれ」

(・・・)

甘奈が頭の良い私立学校にかよっていることをいいことに、甘奈に手伝いをお願いした哲也だった。

そして、その夜哲也は甘奈に怒られながら宿題をした。


「「ということがありまして・・・」」

「・・・はぁ・・・呆れた」

「「面目次第もございません・・・」」

二人の話を聞いた南は呆れていた。

「南のお嬢はいつ終わったの?」

「7月中には終わらしたわよ」

「「・・・ああ・・・格が違うぜ・・・」

二人は絶望した。

「何を言ってるのよ、姉さんは夏休みに入って3日後には終わらしてたわよ?」

「「・・・」」

二人は絶句した。

「なあ、下永」

「なんだい?耕ちゃん・・・」

「人生って、不公平だよな」

「はっはっは・・・耕ちゃん、理不尽でもあるぜ・・・」

「「「「「「ああああああああああ!!宿題!!!チャイムが鳴ってしまうぅぅ!!」」」」」」

宿題は計画的に。


そして、始業式。

まあ、いつものごとく。

「えー、今日は始業式ということで・・・」


30分後。

「以上で終わります」

((((((もう、なんか慣れてきたな~))))))

こう何度もあると、この長い話にも慣れてしまう。

「生徒会長挨拶」

((((((わっほぉぉぉい!!))))))

表情が一気に変わる、全校生徒。

「みなさん、新学期が始まりましたね。素晴らしい学校生活を送ってください」

((((((はああああああい!))))))

そんな返事が聞こえてきそうな顔をする生徒たち。

(相変わらず、すごい人気だな~会長)

この男を除いて。


「ふぅ~終わったな~耕ちゃん、このあとどうすんの~?」

「そうだな~飯食って帰るよ」

「もうちょっと高校生っぽいことしなよ・・・」

「超高校生っぽいだろ!?外で飯食ってかえるんだぞ!?」

「・・・」

耕太の高校生っぽいって何なんだろうか。

ちなみに、今日は始業式だけですぐに放課となる。

「まあ、俺っちも帰らないといけないんだけどね~」

「わしもだ、やることがあるからな」

耕太は仕事、哲也は仕事場の見学という予定が既に二人には入っていた。

「南のお嬢は~?」

「帰ってのんびり過ごすわ」

「ほ~さっすがお嬢」

「何が流石かよくわからないわね」

「え~?わかるよね~耕ちゃん」

「すまん、わしにもわからん・・・」

賛同を得ることのできなかった哲也であった。

「あれ、あれは桜川先輩?」

「あ~ほんとだ~」

「そうみたいね」

廊下を歩いていたのは副会長、桜川先輩だった。

「ん?あなた達は、どうしたの?私の顔に何か付いている?」

「「「い、いえ!・・・・」」」


「しょうたぁ~♪」


「「「ぶふっ!」」」

「!?」

三人は吹き出した。

「「「失礼します!」」」

「・・・なんだったのかしら」

三人は足早に逃げていった。

「あぶなかった・・・」

「反則だよ~」

「あれは、だめね。桜川先輩を直視できないなんて」


「じゃあね~耕ちゃん、南のお嬢」

「じゃあな~」

「さようなら」

三人はそれぞれ帰宅していった。

「ん?あれは」

耕太は前方に電柱に寄りかかる南姉を見つけた。

「会長?」

「やっときた~」

「やっと?」

「そうだよ~?耕太君を待ってたんだよ?」

「なぜです?」

「う~ん、会いたかったから?」

「そ、そうですか・・・」

耕太は戸惑ったような顔をする。

「耕太君、私の志望校知ってる?」

「えっと・・・知らないです」

そう、南姉は3年生、受験生なのだ。

「私の志望校は、北海道の農業大学なんだ」

「北海道ですか、遠いですね」

「ええ、とても遠いわ、ねえ耕太君」

「はい?」

「私と付き合わない?」

「え!?」

「卒業してからは遠距離になっちゃうけど、どうかな?」

「・・・ひとつ聞きたいことがあります」

「なにかな?」

「あなたは、本気でわしのことが好きなんですか?」

「・・・どうだろね」

「・・・」

「ただただ、麗華ちゃんに負けたくないだけかもね」

「・・・そうですか」

「怒っちゃった?」

「いえ、でも思うことはあります」

「なにかな?」

「あなたもわしも、人を本気で愛することを知らない。それはとても素晴らしいことかもしれない、だったら」

「だったら?」

「それを知らないままなのは、もったいないですよね?」

「・・・」

「あなたが南さんになぜ勝ちたいのか知りませんが、それだけの理由でそれを捨てるのは、もったいないです」

「・・・」

「だから、このお話はお断りさせていただきます」

「そっか・・・」

「でも、もしあなたが人を本気で愛することを知ったら、わしにも教えてくださいね(にこり)」

「その笑顔ずるいなぁ・・・(ぼそ)・・・そっか、わかったよ」

「でも、なんでわしと付き合うことが南さんに勝つことになるんです?」

最初の部分を聞き逃すのが耕太です。

「・・・鈍感」

「えええ!?会長にまで言われた!?」

頭を抱えてうーうー唸っている耕太。

(うーん、困ったなー本気で嫌いになれなくなっちゃった・・・人を本気で愛するか・・・私こんなちょろかったかなー)

「じゃあ、私帰るね~」

「え?ちょっ!会長!?」

「ばいばいー♪」

南姉は颯爽と帰っていった。

「はぁ・・・よくわからん人だ・・・さあ、仕事仕事!」

今日も元気に仕事へ向かう耕太だった。


続く

どうもりょうさんです!2学期~姉の変化~をお送りしました!

僕も宿題は最後らへんにやるタイプです。

貯めちゃうんですよね・・・www

さて、今回は南姉との会話がありましたね。

姉の感情の変化がありました。ここからが姉の本気?

これからの姉の動向に注目です。

さてさて、秋といえば食欲の秋ですが、農業高校ならではの秋が見せていければと思います!

それでは次回またお会い致しましょう!


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