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22話『餃子の話』


「餃子……食いたいのう」


 とある日の午後、縁側で茶を呑んでいた九郎がぽつりとそんなことを呟いた。

 隣でどうにかして茶に入れる蜂蜜を入手できないかと考えていたスフィも、頭の中が甘みからジューシーな肉味へと変化される。


「そうじゃのー。そう云えばここ、餃子屋が無いみたいじゃ。帝都にあった[餃子のキングジェネラル]みたいな」

「あと二百五十年ぐらい待てば京都あたりに開店すると思うのだが」

「ちょいと長いかのー……」


 幾ら百五十年以上生きているスフィとは言え、それはかなり先に思えた。

 

「じゃが材料は簡単なもんじゃろ? 小麦粉の皮と、ひき肉と、野菜のみじん切りじゃったか。家庭料理みたいなもんじゃから自作できぬか?」

「ううむ、ひき肉がのう……」

「……あっ、そう云えばこの江戸って街、お肉が全然売ってないのじゃよ。なんでじゃ?」

「宗教や食文化的な問題でなあ。完全に禁止というわけではないが、ゲテモノだと思われておる」

「なるほどのー……旨いのに」

「政治的な目的も本来はあったとか石燕から聞いた覚えもある。肉食を禁じれば食うために米を作るしかなくなり、増作して税収が増えるとか昔の権力者が考えたとか……」

「それじゃあ餃子など、作っても皆は食わぬのか……」


 少しばかりがっかりしているスフィである。さすがにゲテモノと思われているものを作って振る舞うわけにはいかないという常識が彼女にも存在した。

 全員が無心になり材料の事を忘却しようと努力しながら食べたゴーダー風のシチューはセーフラインだと思っているようだが。

 実際にあれはスフィのやたら良い味付けのセンスで、魚介出汁と甘い風味の聞いた味噌つみれ鍋と云えなくもない味には仕上がっていたのである。材料は少々あれだが。

 九郎は知り合いを思い浮かべて、


「ううむ、石燕とお八は食うかもしれんな。それ以外だと野生児の晃之介と、影兵衛あたりは一緒に獣肉屋で呑んだこともあるか。あと薩摩人は豚を食うからサツ子も平気か」

「流行っても良いはずなのじゃがなー」

「と云うか畜産をあまりしておらぬからな、この国は。流行るほど供給されぬのだろう」


 ぼんやりと話し合いながら並んで茶を呑んでいる。しみじみとぬるくて渋い茶が、涼しくなってきた近頃はありがたい。

 

「それにしても、これもあれかのー」


 ゆるい雰囲気でスフィも応対している。


「何がだ?」

「ほれ。異世界だというのに、小麦粉の皮でひき肉などを包んだ料理を[ギョーザ]とどっちも呼ぶじゃろ。あっちのギョーザもここの世界から伝わったのかのう」

「そうかもしれんのう。まあ正確には、海を挟んで隣の国の料理なのだが」

「しかしどうして急に餃子が食いたくなったのじゃ?」

「夢の中に餃子が出てきてのう。以前に餃子大好きな幽霊に取り憑かれたからかもしれん」


 以前、と云うのは無理やり体に李自成という餃子大好きな武侠の魂を霊媒させられ、晃之介と戦う羽目になったことだ。

 それの残滓とでも云うべき記憶の一部などが九郎に残っていて、拳法の使い方などの知識になったのであるが。


「夢に見る程なら餃子を食わねばならんのー。肉はどこか宛が無いのかえ?」

「薩摩人に頼めば売ってくれるとは思う」

「それなら大丈夫じゃろ。肉が食えぬの者の為にはエビ餃子でも用意してやればよかろー」

「そうだのう。明日作るか、明日。今日は昼寝だ」

「ものぐさじゃなあ。土地勘があれば私が材料を買ってきてやるのじゃが……まあ明日で良いか。ほれ、膝を貸してやるのじゃよ」


 ぽんぽんとスフィが膝を叩くので、九郎は湯呑みを置いてゆっくりと彼女の太腿を枕に横になった。

 九郎の頭の温かみが足に伝わり、スフィもどことなく頬が緩む。


「……いい天気じゃなー」


 のんびりとした二人の老後風景であった。

 望んで得られず諦め絶望し、再び手に入れたスフィが求めていた幸せの形があった。

 こうしていれば異世界の街で多少不便だろうが、彼女はとても満足している。





 という光景を、屋敷の部屋から石燕と将翁が上下に並んで障子の影から顔を出しつつ見ていた。

 二人は顔を見合わせて、何やら握手して即その場を離れて行動に出る。





 ついでに通りかかった利悟が庭からやってこようとしてて少女膝枕を目撃したのだが、悔しさと羨ましさで憤死していた。

 死体は番犬の明石が近くの川まで運んでいった。大いなる水の流れは全てを包み、洗い流してくれる。たとえそれが稚児趣味の死体でも。





 *******






「──というわけで作ったよ! 餃子!」


 話を聞いていた石燕と将翁が材料を集めてきて、夕食の席で餃子を出してきた。

 白い皮に包まれて熱々の湯気を立てているのは蒸し餃子である。

 江戸では珍しく大きな食卓に並べて皆で食べるので、一同は集まって振る舞われる物珍しい料理を眺めた。


「なんだこれ。美味そうだな!」

「何かお肉が入ってるみたいだけど……」


 訝しげに、あまり肉は食わない豊房は眺めた。

 石燕は「安心したまえ」と前置きして解説をいれる。


「それは鴨の肉だ。すり鉢で潰した鴨の肉に、皮の脂を刻んで混ぜている。ふふふ、これはかの水戸光圀公が食べたとされる[福包(ふくつつみ)]と呼ばれる餃子だね! 折角だから再現してみたのだよ!」


 ラーメンといえば水戸光圀だが、同じく餃子を食べたことで有名なのである。 

 材料を主に集めてきた将翁が感慨深そうに告げる。


「あたしゃ、直接水戸の方で頂いた事がありますがね。あの御仁は案外に本草学が好きで招かれたもので。屈強な黒人の家来が器用に餃子を包んで料理していましたぜ」


 将翁の思い出話に出てくる黒人がイマイチ想像できず、九郎は聞き返した。この鎖国のご時世であったからだ。


「黒人の家来がか?」

「妙に陽気で面白い方たちでしたぜ。確か……


『ヘイ! 俺らの掌が白いのは何でだか知ってるかい!?』

『どうしてだい?』

『餃子やうどんを捏ねるためだってご老公が言ってたぜハハハハハ!』

『ワオ! そいつは笑える、黒っちい冗句ジョークだぜ! ハハハハ!』


 とかなんとか、いつも楽しげに人種ネタで笑っているのが二名ほど」


「色々危ないな!」


 舶来品や珍しいもの好きであった水戸光圀には更に黒人の家来まで居て、蝦夷地の航海測量などで外国の技術を使って役に立ったとされている。オランダ商人が連れてきた黒人奴隷を買い上げて、ちゃんとした身分のある武士に取り立てたという。

 

「それはさておき、薬膳の考えもあったのでしょうね。鴨の肉に、松の実と枸杞くこの実を砕いて混ぜている。松の実は体を温め、五腑を整え、肌に潤いを与える。枸杞の実は心を落ち着かせる。どちらも薬の材料だ」

「ほう……」

「それは健康に良さそうじゃなー」

「さあ皆も熱いうちに食べたまえ!」

 

 と、石燕が自信満々に勧めるので一同は皿に取った餃子をそっと口に入れてみる。

 

「あふ、あふ!?」

「必ず夕鶴は口を火傷すると思っておった……」

「先に言って欲しいでありまふ!! あっでも旨い! すっぱ旨いであります!」


 九郎とスフィもつけダレなどは無い様子なので、餃子をそのまま食べてみた。

 ふわりと柔らかい皮を破って中の肉を口にする。鴨肉の独特の繊維が混じった肉質は、旨味を含む脂を染み込ませたまま閉じ込めていてじゅわりと溢れるように出てきて実にジューシーだ。

 味付けは具にされていた。夕鶴が云ったように、酸っぱめの味は梅肉でしているのだろう。塩梅、というように日本は古来から塩と梅で味付けをしていた。果肉の酸味は鴨肉にベリー系のソースを掛けたようで、絶妙に合う。

 塩辛さを和らげ、口当たりを良くする調味料も加わっている。蜂蜜が僅かに混ぜられていて、複雑な甘さを隠し味として仄かに感じた。[旨い]の語源は[甘い]であるという説があるように、甘みというのは旨味を引き立てるのである。

 そして後味に松の実と枸杞の実の食感と香りが抜けていくようだった。

 水戸光圀が朱舜水から教えられたレシピを再現した味わいだ。


「あら、美味しいじゃない。先生、やるわね」

「まったくだぜ。こりゃいける。石姉の変わった料理、久しぶりに食った気がするな」

「ふふふ、まあ材料などは将翁に用意してもらったのだがね。蜂蜜とかまず売っていないし」

「巣鴨に新しく作られた薬草園で養蜂をしておりまして、そこからちょいと分けて貰ったんですよ」


 江戸近くにある薬草関係ならば将翁の顔が利かない場所はない。巣鴨に享保年間作られた薬草園は、小石川と違って郊外にあるので自由かつ実験的なことも可能なのである。

 例えばこの後、高価な舶来品である羊毛の生産をしようとして羊を繁殖させてみたりもしたという。

 福包の熱さにハフハフとしながら皆が食べている様子を見て、石燕は自信満々に聞いた。


「どうだね九郎くん! スフィくん! 私の餃子は旨いかね!?」


 すると二人共嬉しそうに目を細めた笑顔になり、


「うむ。実に旨い。さすがは石燕だのう。良い味だ」

「話を聞いて作ってくれたのかえ? ありがたいのー。うみゅ、旨し旨し」

「将翁もな。ありがとうよ」


 それを聞いて、幼女と熟女のコンビは顔を見合わせて成果を喜んだのであった……。






 ********




 翌日。


「……ではちょっと、スフィと出掛けてくる」

「たまにはクローが外食に連れて行ってくれるらしいからのー。甲斐性の見せ所なので、奢られてやるのじゃ」


 そう云って二人で出かけるのを、屋敷の一同は見送ったのだが……

 暫く歩いて屋敷から離れ、九郎とスフィは深刻な顔で頷きあった。


「餃子が食いたい」

「うみゅ」

「石燕と将翁のアレも、旨かったのは旨かったのだが……」

「うみゅ。アレは何かこう、別の料理というべきか……」


 小麦粉の皮で肉を包むまでは良いのだが。

 肉は鴨肉で味付けは甘酸っぱく、とくれば二人が食べようとしていた餃子とは別物と云えよう。

 確かに旨かった。一流の味がして、大名でも喜ぶだろう。しかし二人の脳内では既に、チェーン店[餃子のキングジェネラル]で出る豚肉とにんにくの入った焼き餃子でいっぱいだった。

 だがしかし、


「家で作り直すとなると、わざわざ作ってくれた二人にあてつけのようで気まずい……!」

「そうじゃのう。何処かで食わねばならん」


 カレーが食べたいと話をしていたらハヤシライスを出されたようなものだ。旨い旨いと食べたものの、翌日に二人がカレーを作り直していたら嫌味のように見えて傷つけかねない。

 決して用意されていたものが不味かったわけではないし、好意はとても嬉しいのだが。

 二人は餃子の食べたさが否応無く増していた。

 

「小麦粉の皮は簡単じゃが、豚肉の調達じゃな」

「ひとまず、薩摩の店に行ってみよう。売っておるかもしれん」


 誰も傷つけぬよう、二人は密かに餃子を作るために行動に出た。



 日本橋にある[鹿屋]にて鹿屋黒右衛門に面会をした。

 黒右衛門は「この天狗殿、会う度に違う女を堂々と連れてるな……」と思いつつも屋敷で囲っている生活については把握しているので何も言わなかったが。


「塩漬けではなく、生の豚肉でございますか……」

「無いか?」


 塩漬けや燻製をひき肉にして餃子の具にするのは難しそうなので、九郎は素直に生肉を所望してみた。

 ころころと黒飴を舐めながらスフィも、鹿屋から無料で渡されたくしを眺めている。薩摩では櫛づくりは武士の仕事であり、あの荒々しい性格からは考えられないほどに丁寧に、細かく刃を刻んで見事な出来の物が作られていた。


「さすがに我が店では屠殺までは扱っておりませんので……」

「そうか……」

「豚の飼育と屠殺は江戸の薩摩藩邸でやっております。薩摩から船で運んだ豚は、大阪や江戸の藩邸に連れて行かれますので」

「そっちではやってるのかよ」


 薩摩人は豚を食うとは知っていたが、ちゃっかり江戸に持ち込んで現地で豚を畜肉にしているとまでは知らなかった。

 実際に後世、江戸藩邸跡を調べたところ地面から豚の骨が大量に掘り出されてそこで豚を捌いていたのは事実であるようだ。豚肉を売った記録や、将軍に献上した記録も残されている。


「九郎殿はついこの前、薬丸先生とお知り合いになられたので先生にお頼みすれば分けて頂けると思います」

「あやつは何処におるかのう」

「恐らく三田の上屋敷では無いでしょうか。そこに酒を頼まれているので、配達の者と共に行けば入れるはずです」

「では向かうとしよう。行こうか、スフィ」

「うみゅ。ありがたく櫛は貰って行くのじゃよ」

「どうぞどうぞ」

 

 と、初めて会う少女に対してもへりくだる黒右衛門であった。

 妙に馴染んだ雰囲気を感じるが、どちらにせよこの店の恩人である九郎と深い関係の女性だ。無碍にはできない。

 

(やはり女性が多いとなると、芋や南瓜などを付け届けすると喜ばれるかもしれない……)


 などと九郎に如何に恩を売るかを考えつつも、


「何か豚肉で新しい商品ができそうなら、ぜひ」


 そう声を掛けておくのも忘れない商人であった。


 酒樽を荷台に載せて運ぶ鹿屋の使いと共に、九郎とスフィは三田にある薩摩の上屋敷へと出向いた。

 江戸に藩邸を置く大名家では、政務を行う上屋敷と予備の中屋敷、火事などの際の避難所になる下屋敷がある。

 格式もあるので上屋敷は非常に大きく、九郎らが住む屋敷ほどの大きさもある部屋が十以上も連なり、詰める武士らが暮らす長屋も十以上、台所数カ所に書院も数か所で蔵が無数、そして庭も何処が中庭と呼ぶべきかと思うぐらいに幾つもあってうまやまであるので豚小屋を用意する余裕も十分にあった。無論、多少は住居と離されているが。

 台所門という搬入口で酒を受け渡し、


「薬丸先生に用事があって九郎が来たと伝えて欲しいのだが」


 と、番人に告げると素直に頷き中に確認へ向かった。

 彼らに取って示現流の師範代である薬丸兼雄は、上位の武士でなくとも尊敬している先生なのだ。その客人を無碍にはできない。

 兼雄本人は出てこなかったが、暫く中に待つようにと云われて詰め所に通される。

 台所門がある詰め所の隣は長屋のようだった。どうも祝い事があったようで、昼間から長屋での酒を呑んでいる音が聞こえる。

 下手に外で暴れられても面倒なことになる上に死罪に処せねばならないので屋敷内での多少の酒宴などでは薩摩でも認められていたのだ。その多少に、火縄銃を用いた物も含まれるが。


「ふーみゅ、クローや」

「どうしたスフィ」

「お祝いをしておるとなると、ひょっとしたら豚が余っておらぬかものー」

「むう……タイミングが悪かったかのう」


 と、心配しているとやがて長屋の扉が大きく開かれ、顔を赤らめた藩士らが涼みながら数名出てきた。

 彼らは詰め所で暇そうにしている九郎を見つけると千鳥足で近づいてくる。


「おう、なんじゃ! 餓鬼がおっど!」

「いやいや、青い衣に伸び放題のビンタ……こいはあれじゃ無かか。薬丸どんの云うちょった天狗じゃ!」

「なぁんの天狗じゃ。こげん細か餓鬼を褒めるなんざ、薬丸どんはどげんしたとか。おい、餓鬼。薬丸どんに尻でも貸したか?」


 そう云って堪えられないとばかりに、酒臭い息を撒き散らして笑った。

 九郎は面倒くさそうに半眼で呻く。


「うざい酔っぱらいだのう」

「よか、よか。おいも確かめちゃるからそこに四つん這いになれ」

「お主がな」


 硬そうな指を広げて掴んできた男の腕を掴み、九郎は無造作に振り回して薩摩人を地面に叩きつけた。

 容赦の無い投げである。腕を掴まれたまま受け身も取れなかった薩摩人は短く悲鳴を上げて全身を軋ませながら起き上がろうとした。


「なんじゃ……!?」

「酒で足でも滑らせたか!?」

「こ、こ、こ奴……」


 顔から血を流しながら、混乱と殺気の混じった目で九郎を見てくる。

 あまりに鬱陶しいので思わず投げたが、余計面倒な事になりそうだと九郎は失敗に舌打ちをした。ひとまず目撃者の記憶が飛ぶまで殴るか、と算段する。 

 その時、スフィが立ち上がって大きく息を吸い込んだ。



「Clamans, dum exspectamus, ut revertar(泣こかい 飛ぼかい)


 Te modo animam meam ut non videatur(泣こより ひっ飛べ)


 Clamans, dum exspectamus, ut revertar(泣こかい 飛ぼかい)


 Tu cogita illum et amo te cunctis diebus……♪(泣こより ひっ飛べ──)」



 静かな、語りかけるような歌であった。彼らには薩摩の地で歌われるわらべうたに聞こえた。

 妙に懐かしく、怒りや酔いで滲んでいた思考にも染み渡り、感情を浮かべるより先にそこに居た薩摩人らは笑顔とも泣き顔ともいい難い、奇妙な表情をして立ち竦んだ。

 薩摩武士は滅多なことでは泣くことも笑うこともしてはいけない。そんな気概を思い出しつつも、感動に胸を震わせている顔だった。

 スフィはそんな彼らの様子を見ながら、歌を止めて聞く。


「大丈夫かのー?」

「……良か歌じゃ。薩摩が懐かしか」

「おいもよう娘ん子に歌って聞かせちょった」

「酔いに任せて、悪かことをした。許せ」

「お、おう……」


 いきなり鎮まって背筋を伸ばし長屋に帰っていく薩摩人らの様子に九郎は若干引いた。

 ほぼ臨戦態勢に移行しつつあった彼らを歌で収めたスフィの力にも改めて驚いたが。

 

「こう……凶暴な宇宙人が攻めてきてもスフィの歌で解決できそうだのう」

「あれは凶暴な宇宙人と同格なんじゃな……」

「しかしここに来てからお主の歌は不思議とわらべうたに聞こえる」

「そう云う風に歌っておるからのー。こう、実際の発音は違うのじゃが、聞いた人と環境によってそれらしい歌詞が伝わるのじゃな。もし吊橋一本で外界と途絶される小さな村に閉じ込められたときに歌えば、残酷で意味深なわらべうたになると思うぞ」

「石燕が喜びそうだなそれ……」


 などと話していると、屋敷の方から薬丸兼雄がやってきた。


「おう。ちょいと別の用事があってな。どげんした?」

「薩摩の屋敷で豚を飼っていると聞いてな。肉を少しばかり売ってくれないかと頼みに来たのだが」

「豚肉を? あれは旨かが、江戸で売れっとか」

「ううむ、少なくとも己れは買うが……一般で売れるかは微妙だな」

「左様か。まあ良か。台所に余っちょる肉があったからおいが話ば付けよう。行っど」

 

 三人が板場へ向かうと、建物の外からでも野趣な血肉の臭いがぷんとしていた。


「ちょいと待っててくい」


 と、兼雄だけでまず中に入ると、中から「チェエエエエエエイ!」「キエエエエエエエ!!」と暫く猿叫の如き叫びが響く。

 スフィが目を丸くしていた。


「あれは何の叫びじゃ?」

「薩摩人特有の意思疎通の手段だ。あの叫びだけで会話が可能であり、スパイに情報を渡さぬようにしている暗号会話でもある」

「嘘じゃろ……」


 一体どういう種族なのか。或いは本当に宇宙人なのかもしれないとスフィが慄いていると、兼雄が帰ってきた。


「好きなだけ持って帰ってよかそうじゃ」

「わかった」


 中で何があったのかは九郎も知らないが、そう話はまとまったらしい。

 二人で板場に入ると幾つか、血の滴りそうな赤々とした豚肉が吊るしてあり蝿が何匹かたかっていた。

 九郎はひとまず疫病風装の機能で肉に危険な菌がついていない事を確認する。


(焼けば大丈夫な範囲か)


 そう判断したところでスフィが袖を引いてきた。


「クロー。大丈夫かえ、あの肉。血の跡があるが、捌いたばっかりじゃないのかのー。硬いぞ多分」

「そこら辺は大丈夫だ。肉の旨味は……まあ後で考えるか」

 

 そう決めて九郎は一番良さそうな肉──といっても、藩主などに出した後だろうが──を選び、紙で巻いて麻袋に入れて渡された。

 重さは二斤(1.2kg)はあるぐらいだろうか。二人で食べるには十分以上である。


「では晃之介のところで調理するか。あそこは獣肉を食べ慣れておるだろう」

「うみゅ。材料も揃えていこう」


 と、買い物をしつつ二人は六天流の道場へ向かった。



 恐らくその日の朝に解体したと思われる豚肉は、死後硬直の真っ最中で硬い。

 無論その程度、薩摩料理人がゴリゴリと包丁で叩き切り、薩摩武士は岩でもすり潰せそうな顎でもりもりと食べるので問題はないのだが。

 ひき肉にし難そうだという点は、九郎が肉に強力な電気をこれでもかと流しまくったところ見事に柔らかくなったので解決した。

 具として根深葱に、九郎が以前伊勢原から持ち帰った木片から伝染させて屋敷の裏で栽培した椎茸も取ってきた。

 晃之介一家は喜んで餃子作りの協力を約束したので、手先の器用な子興も入れて大量に餃子を作ることにしたのである。

 ひき肉に細かく刻んだ葱と椎茸を混ぜた具を、円盤型に伸ばして小一時間寝かせた皮で包んでいく。


「よいか? こーしてこーして……ほれ、こうやって閉じれば出来上がりじゃ」


 子興にやり方を教えているスフィだったが、何故か子興が感極まったように、


「うあー! スフィちゃん凄い可愛い! 何なの九郎っち!? この子可愛い!」

「ええーい! 止めぬかー! 手が餃子の具でベタベタなのじゃー!」

「仲が良いのう」

「まったくだ」


 それを見ながら九郎は晃之介と水餃子用の出汁を作っていた。鰹節で濃く取った出汁に薄切りの野菜を入れて、塩とごま油で味付けをした簡単なものだがごま油が程よく風味を出してくれる。

 せっかく沢山あるのだから焼いたり茹でたりして食おうという話になったのである。


「そう云えば九郎。お前に取り付いた幽霊の夢を見てこの料理を食いたくなったと云ったな?」

「ああ、そうだのう」

「どんな夢だったんだ? 俺も、あの幽霊は気になる」


 晃之介が修めている[六天流武術]と対になる拳法、[六山派掌術]という拳法を使っていた中華の幽霊。

 戦った際には九郎の持ち物を利用したこともあり晃之介が勝利を得たが、その相手が生前にどんな人物だったのか。

 友人の疑問に、九郎は思い出すように語った。 


 



 ********





 ──夢を見ていた。



 目の前に金属製の柱に似たものがある。

 太さは米俵ほどもあり、中心に人の胴体ぐらいの空洞が掘られていた。

 長さも二メートル以上あるそれは、大砲の筒である。[紅夷砲]と呼ばれる巨砲で、この国では主に城壁に付けられていた。

 攻城兵器である大砲を迎撃兵器として運用する。

 明の将軍、袁崇煥が提唱した方策であり彼はその戦術で城に攻め寄せたヌルハチを撃退し、彼の偉大なる太祖に重傷を負わせた。

 

 その強力な攻城兵器は従来の軽い青銅砲ではなく鉄製で、重量は増したが砲自体の頑丈さも上がっている。

 非常に重たいことで有名なウルバン砲ほどではないが、戦場に持ち込むには難儀するそれを──


 肩に担いで運んでいる巨躯の男が居た。

 

「りーじーせーがーくーるーぞー、こいつはドエライ拳法家~♪」


 独特のリズムで下手くそな歌を適当に口ずさみながら、柱を持って歩いている。

 上半身裸であり柱を持ち上げている筋肉は、筋繊維の一つ一つが金属製のワイヤーを束ねたようなマッスルで、人間の頭が掌に収まるぐらいに大きく、二の腕は馬の胴体のように太く、鍛え上げられた肩の筋肉と太い首の境目がわからない巨人だ。

 頭に手ぬぐいを巻きつけて目元まで覆っているので人相は悪く見えるが、口元は緩んで頑丈そうな白い歯が見えていた。

 

「よっと」


 軽い掛け声で数百キロある紅夷砲の砲身を地面に突き立てる。

 そして一方の端に太いロープを何本も結びつけて、彼は上を見た。

 そこは城の門だった場所だ。既に扉は昨日、男が蹴り破って破壊し中の物も粗方荒らし終えている。

 勿論城の中には無数に兵士が居て、襲撃した男を襲ってきたのだがその程度は織り込み済み。[破城武侠]と呼ばれる男にとっては、この程度の小城は一人で難なく落とせて当然である。

 ひょい、と軽い仕草で男は何メートルも上の、門上部にある見張り台へ垂直に飛び上がった。

 巨体に似合わぬ軽業どころか、尋常ならざる跳躍力は体を巡る[内功]を利用した[軽功]の達人であることを示す。

 男は誰も居ない見張り台に登ると、頑丈そうな取っ掛かりを見つけてそこに砲と結んだロープを引っ掛けて、砲を門の場所にぶら下げ結んだ。

 

「よし」


 落ちないように何度か引っ張って確認する。

 そして再び地面に音もせず降り立つと、目の前には大きな砲身が吊り下げられている形になっている。

 男は頷き、無言でその砲の前に構えた。

 

 息を吐き、鉄製の砲を殴りつける。

 ご、という衝突音の次に、ぎ、と内部に軋む音が聞こえて吊り下げられている砲は大きく反対側へ振られた。

 だがそれが吹き飛ぶエネルギーと縄との間で引っ張り合いになる前に──男はいつの間にか殴った位置とは反対側へ移動し、自分が殴り飛ばしたものを反対側から殴り返すという芸当を見せる。

 横から見ているものがいれば瞬間移動にしか見えないだろう。それもまた軽功によって殴った硬直を逃れて即座に踏み込み、追い抜いたのである。

 連続して衝突音。

 男が鉄の砲をひたすら連打で殴っているのだ。

 拳を痛めるかなどとは少しの躊躇もない打撃が鉄を打つ。

 快音とでも云うような打撃音の連続が響き渡り、男も気分が乗ってきたように顔には薄く笑みすら浮かんでいた。


(やっぱり硬いものをぶん殴るとスカッとするな)


 と、思う。

 武術を志した最初の頃は、こうして吊るした物を殴る訓練から始まった。

 最初は革袋に入れた砂をひたすら殴った。腕の皮が破けて血が出るまで殴り、傷口に軟膏を塗りつけて傷を塞ぎ再び殴った。

 次第に拳は固くなり全力で殴っても痛まなくなったら、次は薄い革袋に砂鉄を入れて殴った。

 それを繰り返してどんどん拳は強くなり、岩を砕きすり潰せるようになった今ではこうして鉄塊を殴り抜ける体が出来上がった。

 そこまで鍛えて初めて、武を学ぶ基礎となる肉体が生じた。


 殴る速度は次第に上昇していき、同時に体捌きで砲身の周りを移動する速度も早くなる。

 体が分身しているように錯覚する。極まった軽功による雷の如き速度によってだ。彼の武術流派は、自前で鍛えた肉体を軽功で跳び回らせることを基本としていた。最高の速度で、最大に鍛えた一撃を。そしてそれを何発でも打ち続ける。

 鉄の柱は曲がり折れんばかりだったが、一方に殴られればその反対側からも殴られるという加えられる力の均衡で歪みながらも形を保っている。

 いつの間にか柱を乱打する男に見物人も集まり、一部を除いて息を呑んで見ていた。

 

 やがて上に結んでいたロープの限界がやってきた。真上に跳ね上げられ吹き飛ぶ砲身に、見物人らは身を引く。

 だが冷静に男は複雑な軌道を描いて落ちてくる砲身を、事も無げに受け止める。鉄の塊が持つ慣性が全て消失したかのように、或いは風に吹かれた小枝でも受け止めたかのように軽々と手にした。

 己が持つ軽功を手にした砲身にも適応させたのだ。着衣や装備した刀剣をも軽くして扱う者が居るのだから、鉄塊に仕掛けられぬという道理は無い。理屈から言えば、触れた相手の重さを奪い容易くねじ伏せることすら可能だ。

 おお、と見物人から拍手が鳴る。そんな中で不満そうに見ている一人の小男が、あぐらを掻いて頬杖を付きながら半眼で云う。


「李自成……君がドエライテンションで殴りまくったその紅夷砲、ポルトガル製の滅茶苦茶高価な物なんだけど……」

「別にいいだろ、李岩。奪ったやつだから買ったわけじゃない。それに俺らの軍──集まりで使える奴居ないし」


 肩を竦めながらボコボコになった砲身を軽くもう一度叩いた。

 李自成。元反乱軍のリーダーである巨漢の男は軍とも云えなくなった数十人規模の仲間を、集まりと言い直して笑った。

 

「明軍の仲間が居る時なら使い方知ってるやつも居たんだろうけどな」

「みんなバラバラになったからね。明軍の残党と合流したやつ、清軍の呉三桂に下ったやつ、農民に戻ったやつ……」

「ま、目的も果たしたんだからいいんじゃないか? みんな好きにやって。俺も好きにやるさ」

「一瞬とは言え、君は中華帝国の皇帝にさえなったのにねえ……」

 

 目の前の巨漢は、農民反乱を率いて明の首都北京へ討ち入り、尽くを打破して明を破壊した。

 当然ながら周囲からの流れで彼が次の皇帝になるといった雰囲気だったのだが、生憎と反乱軍には政治をやれそうな人物は殆ど居なかった。

 どうしたものかと思っていたら、満州の方から清帝国が攻めてきたのでこれ幸いにと全軍で突っ込み、見事に敗走してやる気もなかった李自成の作りかけ帝国は当然の流れで滅ぼされたのであった。


「それも別にいい。皇帝になってやりたいことはやったし」

「『毎日餃子を食べる』?」

「おう。せいぜい俺の目的なんて、王様だろうが農民だろうが好きなときに餃子を食べれる国ならいいなあって程度だったし」


 駅站と呼ばれる荷物運び兼用心棒のような事をしていたので、崇高な政治理念はない男であった。

 単に武侠として、悪政を敷いて万民を苦しめる王は許せぬと立ち上がった何人かの一人で、そのうちで最も腕っ節が強かったのでいつの間にか数十万人を束ねるリーダーになっていた。それだけであった。

 なので皇帝になって滅ぼされるまで、とりあえず政治など何もわからないので餃子を食って過ごしていたのである。

 そんな中で初期から彼の相棒であったのが目の前の小男、李岩である。怪しげな術を使う仙道崩れで役人嫌いの男であった。

 鬼神のようで敵味方の兵から恐れられている李自成と対等に話せる数少ない者の一人でもある。


「知ってる? 李自成。皇帝ってのは年に一度しか餃子を食べちゃいけなかったらしいんだ」

「地獄かよ」

「毎日餃子ってのは、毎日新正月を祝ってるみたいなものでバンバン寿命が減るみたいな」

「あーあ。そういうのだから嫌なんだよ皇帝は。餃子ぐらい自由に食おうぜ」


 彼は殴り潰した紅夷砲の砲口に手を突っ込んで、中に入れている物を取り出した。


「というわけで、今日使う餃子の具を準備してた」


 軽い言葉と共に取り出したのは革袋で、その中には豚肉がミンチになって入っていた。

 砲口に革袋を入れたまま殴りまくり、その打撃力を伝播させて内部にいれていた肉の塊を全てひき肉に変えてしまったのである。

 恐るべき魔技とも云えるが、李岩は何度も見てきた彼のその馬鹿力にため息を深くついた。


「南明軍のまだ清に抵抗してる戦力で、海軍の鄭家があるんだけど」

「だけど?」

「鄭家が開発した兵器で、巨大な人形機動鉄鎧があるらしいが、それ使っても君にぶん殴られたら中の人が酷いことになりそうだ……」

「楽しそうだな。いっそ戦場に闖入してみるか」

「止めとこう。どっちからも狙われるし」

「そっか。李岩がそう云うなら」


 彼は革袋を手にしながら、餃子を作りに向かう。

 戦場に出るにはもう理由はなかった。民衆の不満で立ち上がった武侠は、やるだけのことはやったのだ。後は国を治めるものが正しく治めるかどうか。そうでないときにまた闖入すれば良い。

 

「せいぜい悪どい役人を懲らしめて、こうして餃子でも食いながら生きようか。いつか俺が餃子を毎日食えるような国にしてくれればいいんだけどな」


 それが──彼のささやかな夢であった。

 


「……どうせなら、老回回も餃子を食えるようになればいいんだけど」

「あの爺さんは宗教上だから止めときなって」


  



 ********





 四年前に戦った、九郎に取り憑いていた幽霊のそんな生前の話をしながら。

 九郎とスフィを含む晃之介一家は餃子を食べていた。

 子興もすっかりここで生活をしていくうちに獣肉も食べ慣れているようで、うまうまと食べている。

 水餃子に鉄鍋で作った焼き餃子。そして白い飯。中国では飯のおかずにしないというが、自然と彼らはそうしておかずにしている。


「なんというか、まさに乱世な力の使い手だな」

「目標が王朝の打倒までだったからのう。後は知らんというやつだ」

「で、その筋肉マッチョはどうなったんじゃ?」

「餃子を喉に詰まらせて死んだ」

「うぐっ」


 どんどん、と慌ててスフィは胸を叩いた。急に云われたのでむせたようだ。


「それにしても、九郎もちゃんと鍛えればその男みたいになるんじゃないか?」

「己れをどうしろというのだ」

「いや、以前戦った時は九郎の体だから本気は出せなかっただろうなと思って……本気でやりたいじゃないか」

「もう御免だ。……あんな爽やか好青年の皮を被った戦闘狂になってはならぬぞ、長喜丸」

「おー」


 黙々と食べている孫のような子を撫でながら、九郎はそう云った。



 食事を終えて、後片付けをしている間。

 スフィと子興が井戸場で食器を洗っている最中に、子興が言い出した。


「ところでスフィちゃん、九郎っちと祝言挙げないの?」

「ななななんうぬぬぬぬぬぬうぬ」

「慌てすぎだから……すっごい長い間好きだったんでしょ」

「う、うう、うみゅ、まあそれはな。だがほれ、気長に考えればのう」

「そうしている間に、九郎っちの心が誰かにずっと取られたらどうするの」

「ほぎゃああ……トラウマ再起が……」


 心当たりというか経験があったのでスフィは頭を抱える。

 やがていつかはと考えているといつも九郎は何処かへ居なくなってしまうのだ。魔女のとき然り、江戸に行ったどき然り。

 それでも、


「ちゃんと……クローを信じておるしのー……」

 

 彼女のその言葉は弱々しくも、確かな声ではあった。

 どうしても不器用に待ち続けるそんな少女が、子興はどうしようもなく愛おしく感じる。

 ただ言葉を伝えられないだけだ。それの何処が悪いというのか。

 自然と体が動いて、スフィを抱きしめた。言葉の勝手に口から出て来た。


「大丈夫、いつか、きっと──あなたの思いは伝わるよ」


 その時。

 触れ合った子興の頭から、スフィは温かい熱が伝わるのを感じた。

 心の奥底に触れたみたいで、胸が少しだけ熱くなる。

 曇りガラスの奥に閉じ込めたようだった九郎への想いが心に浮かんでくる。


「あ──」


 スフィは泣きたくなる気持ちを抑えて、告げた。



「ありがとうな。クローの娘よ」



 ……少しだけ素直になれるかな。


 不思議とそう思えて、スフィは暫くそうされていた。







 *******





「く、くくくクロー!!」


「うむ? どうしたスフィ」


「すすす好好、すしじゃ!」


「今度は寿司が食いたいか。そうだのう。作るか」


「おかしいのー……」 






 *******






 スフィが手で握った寿司が食える──

 

 その情報を入手した利悟はズタボロになりながら神楽坂の屋敷に現れた。

 

 あまりにも無残だったので、お供えのようにスフィが寿司を差し出すと口に含んだ瞬間彼は気を失っていた。


 とても良い、夢を見ているような笑顔しにがおだった。


 とりあえず再び番犬明石が川まで引きずっていった。





※スフィのバッドステータス「魔女のコクれない呪い」が半分解除されました


なお「江戸」の世界線では李自成は武侠という独自設定

元駅站で筋肉で反乱軍で[闖王]とかどう見ても武侠小説の役満だし……

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