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『EMIRI 7』 ~たっぷり時間はあったのに~  作者: 亨利(ヘンリー)


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7/7

エピローグ

 春樹が大学に来ていない。恵美莉は、いろんな悪い想像を巡らしながら、彼のワンルームまで全力で走った。

(どうか・・・どうか、罰が当たってませんように)


 カチャカチャ・ガチャン


「春樹君!」

 恵美莉はその部屋に駆け込んで叫んだ。


「え!? え? な・に?」

 ベッドの上で布団にくるまる春樹が、驚いた表情で恵美莉を見ていた。

「へ? ・・・何してんのよ?」

 その状況に、その空間はまるで静止画のよう。


「部屋に入る時はピンポン押してくれよ。ビックリしたぁ」

「臭っさ! いつまで寝てんのよ!」

「あ、もう昼過ぎか、ヤバイ! プラモ持っていかなきゃ」

「え? コンクールの締め切り昨日でしょ?」

 驚いた恵美莉は、窓を開けながら春樹の思考力を確認するように訊いた。

「へ? 何言ってんの、今日だよ」

「だって、日曜に店に持ち込めば間に合うって、言ってたじゃない」

「だから今日だよ」

「・・・あんた気は確か!? 今日はもう月曜日よ」

「ははは、からかってんのかよ」

「違うわよ、あんたが授業に来ないから、心配して来てやったのよ」

「え? うそ?・・・ほんと?」

「ねえ? 本当に頭大丈夫?」

 春樹が頭のケガを触って苦笑いするのを見て、恵美莉はため息をついた。そして春樹の作業机の上に被せられた衣装ケースと除けると、それは見事な二次元アニメ塗装のガンダムが立っていた。

「ふーん。こんなふうに出来上がったのか。これは実にスゴイね」

「だろ」

「でもコンクール締め切りには、間に合わなかったわけね」

「いいや、寝る前は土曜の夜中だったんだ。徹夜続きで作ったから、少し寝て朝になったら持っていくつもりで・・・」

「そのつもりで今までずっと寝てたの!?・・・30時間以上爆睡で。どんだけねぼけてんの!」

「せっかく完成したのに・・・」

 恵美莉はベッドに飛び乗った。

「まだそんなこと言ってんの? あたしを放ったらかしにしといて! もすごく心配したんだから」

「ごめんよ」


「抱いてよね!!!」


 恵美莉は春樹に激しく抱きつくのだった。


(だから、LINEとか連絡がなかったのか・・・ラッキー♡)




          おわり

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