表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白猫シーロの物語  作者: 浦島 金太郎
3/3

お尻ペンペン

シーロ達が暮らす猫族の村では、3日に1日教会で子供達の勉強会が開かれます。教会の勉強会には10人の子供達が通っています。猫族は基本嘘つきはいません。ですが素直な種族で、思っている事をそのまま口に出してしまう癖があるのです。その為、他種族とトラブルになる事が多く、教会で社会勉強、読み書き、計算などを教えているのです。


「シーロ。おはようにゃ。」


「ミミ、おはようにゃ。」


ミミはシーロの幼馴染で三毛猫柄の耳と尻尾を持った女の子です。シーロはいつもミミと連れ立って教会に向かいます。シーロとミミがお喋りしながら歩いていると教会が見えてきました。村の教会は平屋の木造りです。教会は皇帝の夢に出てきた女神様を祀っています。教会の前では神父様が子供達を出迎えていました。神父様は普通人族の長い髭を生やしたおじいさんです。


「「神父様、おはようにゃ。」」


「シーロとミミ。おはようございます。女神様にお祈りして席に座っていなさい。」


「「分かったにゃ!」」


シーロとミミは教会に入り、女神様の像にお祈りをします。お祈りとは、無事に暮らせている事への感謝を女神様にするのですが、シーロもミミもお願いをしてしまいます。子供ですから仕方無いでしょう。

シーロは初めての狩りでバリバリ鳥を狩れたことを報告して、今度は鹿を狩らして下さいとお願いしました。

ミミはいつまでもシーロと仲良くできますように。とお願いします。

シーロは意外とモテるのです。真っ白な耳と尻尾が大変美しく、顔も中性的で可愛らしい顔をしています。猫族は毛並みを重要視するのです。


猫族の子供達が集まると「にゃあにゃあ」姦しい。自由気ままな種族の子供なのだから仕方が無いでしょう。机の上を飛び跳ねている子供もいれば、ペチャクチャ話をしている子供もいます。中には寝ている子供もいたりします。神父様はその光景をみるとゲンナリしますが、頑張ろうと気合をいれて授業が始まるのです。


「皆さん。静かにしなさい。授業を始めますよ。チチ起きなさい。机はベッドではありませんよ。今日は算数のテストです。70点以下は居残り猛特訓ですからね。覚悟は良いですか?」


「「「ええええ~!」」」


「ピン。そんな顔をしてもダメですよ。ピンは年長なのですから、出来るはずです。ではテスト用紙を配ります。用意はいいですか?では初めて下さい。」


みんな一斉にテスト用紙を表にして、問題を解き始めました。テスト用紙を見ながら「にゃあにゃあ」唸っている子もいれば、簡単に解いていく子供もいます。解き終わった子から神父様の採点を受けて、合格者から帰って行きます。

シーロもミミも頭が良く今回のテストは楽勝でした。


「これからシーロの家に行ってもいいかにゃ?」


「いいにゃ!」


シーロとミミは手を繋いで歩きます。村の大人達はそんな光景を温かく見守っています。


「ただいまにゃ!」


「こんにちわ。」


「お帰りなさい。あらミミちゃん、こんにちわ。今お茶を入れるから席に座ってなさいね。」


シーロとミミは椅子に座ってお喋りを始めました。今日のテストの出来はどうだったとか、チチは寝坊助だねとか、会話は尽きません。ミミはふと思いました。シーロは将来何になりたいのかと。


「ねえシーロ。シーロは大人になったら何になりたいの?」


「僕?僕は冒険者になって、世界中を旅するにゃ!」


ミミはビックリしました。シーロはこの村で狩人になるとばかり思っていたのです。シーロが冒険者になって世界中を旅してしまうと、自分とはお別れです。ずーと一緒に居られると思っていたシーロが居なくなるのはミミには耐えられません。ミミはシーロが大好きなのですから。


「なら私も冒険者になって、シーロと旅するにゃ!」


今度はシーロがビックリしました。冒険者とは魔物を倒す職業です。大変危険な職業なのですから。


「ミミには無理にゃ。」


「私にも出来るにゃ!」


「ミミは戦う事が出来ないにゃ。狩人では無いにゃ。足でまといになるにゃ!」


「うー。シーロなんか嫌いにゃ~!うにゃ~~~!」


ミミはシーロに足手まといと言われて泣いて帰ってしまいました。シーロはまだまだお子様です。女心は理解できないのです。ですが、それで済まないのが母親のミーケです。話を聞いていたミーケは激怒しました。


「シーロ。私はいつも言っていたわよね。女の子は泣かせちゃダメだって。お尻出しなさ。」


「違うにゃ。違うにゃ。お母さんちがうにゃ~。」


お尻を叩かれてはたまらないとシーロは逃げますが、ミーケにはかないません。すぐに捕まります。ミーケはシーロを抱きかかえ、ズボンを下ろします。左手でシーロの尻尾を持ち上げ、右手でお尻を叩きました。


「うにゃ~。うにゃ~。痛いにゃ~。」


「私は女の子を泣かせる子に育てた覚えはありません。ミミちゃんの心の痛みはこんなものじゃないのよ!今日は十分に反省しなさい。」


シーロのお尻は真っ赤になりました。明日ミミちゃんに謝る事で何とか許してもらったのです。夕食時、話を聞いた父親のパランは大笑いしました。だって、お尻が痛くて椅子に座れないシーロは立って夕食を食べているのですから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ