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ももたろう
昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが二人っきりで住んでおりました。
お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行くのが日課でした。
ある日、早々に山から帰ってきたお爺さんが家で寛いでいると、お婆さんが大きな桃を抱えて帰ってきました。なんでも上流から流れてきたのだそうです。
お爺さんは大喜びで桃を切る準備を始めました。ところが、食いしん坊のお婆さんは、桃を独り占めしたくなってお爺さんのお茶に即効性の眠り薬を入れたのでした。
お茶を飲んで急激な睡魔に襲われたお爺さんは、最後の力を振り絞ってお婆さんに言いました。
「も、盛ったろ……」