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テンプレ勇者の一目惚れラブロード 〜勇者がヒロインと結婚するまで〜  作者: しぇいく
第二章 アオイさん!好き!

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深夜の奴隷商

 __深夜。


 深夜だというのに、ニューイヤーフェスティバルの影響で街はまだ起きている。


 昼ほどではない。

 だが、この時間にしては人が多い。


 「さて、と」


 あーたんは城の部屋でアカネと寝ている。


 俺は一人で城を出て、街に来ていた。


 理由は一つ。


 「人をさらうには、うってつけだな」


 奴隷商――女神の翼。


 アオイさんをさらった連中が、ミクラルにも来ているのか。


 それを探るためだ。


 だが――


 「見て! あれ! リュウトよ!」


 「あのアールラビッツの!?」


 ……ちょっと有名になりすぎたな。


 「うぇ〜い兄ちゃん」


 酔っ払い親父まで絡んでくる始末。


 はぁ、めんどく――


 「奴隷に興味ないか?」


 !?


 酔った親父が、耳元で囁いた。


 こんなタイミングで。

 こんな場所で。


 「……」


 俺は無言で頷く。


 「兄ちゃん、ちょい飲もうや。俺達と」


 なるほど。


 酒の席に誘いながら、ってやつか。


 「そうですね。お願いします」


 ついていった。


 ______


 ____


 《酒場》


 この時間。


 いや、酒場だからこそか。


 暗い内装。

 ざわついた空気。


 よく見ると、ガラの悪い連中も多い。


 「んで兄ちゃん。いや、有名人リュウトか……裏奴隷のことは知っているか?」


 「あぁ。一応、俺は一人女の裏奴隷を雇ってる」


 「へへ、なら話は早いな。だがグリードとうちじゃ一つ違うやり方がある」


 「なんだ?」


 「指定した女をさらえるのさ」


 「ほぅ。誰でも?」


 「そうさ。ミクラルにいる奴なら誰でも」


 なるほど。


 詳しくは聞かないが、指定した人物をさらう。


 当然、家族や関係者の問題も出る。


 そこを全部処理してるんだろう。


 前にアカネに聞いたがグリードの奴隷の多くは身寄りのない人間、俺みたいに親が死んでる奴とかな。


 「ミクラルの奴は顔がいい奴が多い。兄ちゃんも欲情した奴がいるだろ? そいつを思い通りに出来るぜ?」


 「あぁ、楽しみだ」


 欲情、ね。


 ぶっちゃけ気持ちは分かる。


 正確には最近“理解した”。


 俺がアオイさんに感じているもの。


 あれを、他の人間はそこらの女性にも抱くってことだ。


 まぁ俺は――


 アオイさんでしか欲情しないが。


 ここは誘いに乗ったふりをしておこう。


 「それで、居たかい? ターゲットは」


 「まだその手法を今知ったからな。これから吟味してみるよ」


 「それもそうだな。なんかあったらここに来て【毒撃の髑髏】ってカウンターに言ってくれればいい」


 毒撃の髑髏。


 女神の翼とは別の組織か。


 「ちなみに前の奴隷は女神の翼から買ったんだが、ミクラルにはいないのか?」


 「悪いが、あいつらはグリードで稼いでる奴らだ。こっちに来て稼いでるようなら俺たちが黙ってない」


 まぁ、そりゃそうか。


 仕事柄――同業者ほど邪魔な存在はない。


 「あぁ、悪かった」


 そう言って酒場を後にした。


 指定する女、か__


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