獣の噂 弍
「おい、知ってるか?例の奴隷のレンタル券、ついに買ったやつが居るらしいぞ?」
「は?マジで?確かアレってそこそこ良い家2つくらい買える値段じゃなかったか?」
「そうなんだよ!」
「レンタルだろ?それこそ、どっかのお偉いさんか?誰が買ったんだ?
「それがよ、ただの爺さんらしいんだよ」
「爺さん?」
「しかも、人間の」
「は〜っかっかっか!人間の爺さん?なるほどな、ソイツ、もう先が無いからパーっと使って死ぬ気だな」
「ぜってーそうだよ!性欲の捌け口にした後、イッた後に逝くつもりだぜ?ギャハハはは!」
「ギャハハ!その時にレンタル期間残ってたら俺もおこぼれもらおうな?どこに住んでんだよその爺さん」
「お前人間の爺さんと穴兄弟なるつもりかよ!街外れの遠く遠くの山奥らしいぜ?」
「うわ〜……まぁ、人間がこの国で住むんだったらそんなとこしか無いわな」
「それとな、これが1番やべーニュース!その例のカジノ、なくなったらしいぜ」
「は?なくなったって……閉店か?」
「違う違う、そういう意味じゃねえんだよ“物理的に”なくなったんだ」
「物理的に?は?」
「噂によると、たった一人の“獣人の女”に壊滅させられたんだってさ、店はボロボロ、見るも無残な状態」
「はぁ!?意味わかんねぇ!?てか、あそこってボディーガードとかもめちゃくちゃ強ぇって噂だったろ?そいつらは?」
「ソイツらごと、ぶっ倒されたんだとさ!で、ソイツの要求は『妹ちゃんを返せ!』とか言ってたらしいぞ?」
「妹?ソイツは獣人なんだろ?この国で獣人の裏奴隷なんて居ないはずだが?」
「そうなんだよ、だからオーナーも訳わからず店が壊れてくのを放心状態で見てたらしいぜ?」
「あーあ、可哀想にな」
「しかもソイツ、ヤバイのが近くにいた熊さん組の連中もまとめて半殺しにしたらしい!」
「まじか!?あの熊さん組!?やべーヤクザじゃねーか!」
「んで!ソイツは指名手配」
「てことは?その獣人の女は熊さん組とアバレー騎士達にも追われるって事か?うわぁ、人生終わったな」
「しばらくは俺達も大人しく家にいたほうがいいかもな、そんな凶悪犯がうろついてるなんて怖くて夜あるけねーぜ」
「だよなぁ、早く捕まってほしいぜ」
「なぁ、ところでさ、お前、そういう噂どっから仕入れてくるんだよ?」
「ああ、こないだ飲みに行った酒場でな、白い神父さんが居て色々教えてくれるんだよ」
「白い神父?なんだそりゃ、怪しさ満点じゃねーか、ちなみに人間か?」
「いや、それがわかんねぇんだよな、俺達獣人と同じような感覚もするけど匂いは人間っぽいんだよなぁ」
「獣人の血が混じってるクォーターってとこか?」
「まぁでも今まで神父から聞いた噂は本当だったし……そうだ!今度その神父と一緒に酒飲むのにお前もこいよ!紹介してやる!」
「そりゃ面白そうだ!是非行かせてくれ」
「おう、じゃぁまた予定決まったら連絡するわ」
「おーう!」




