#24 恋愛って……
攻略され?に向けて踏み出したエリック。
がんばれ~~~
それからはあっという間に日常が過ぎた。
Sクラスのクラスメイトはやはりほとんどを有力な貴族が占めていた。
派閥もあったが、いつの間にか俺はライオネル派閥に入れられてた。
他にどこそこ家のなんたら派とかあるみたいだけど、ストーリー的にエリックが関わらないのか、特に巻き込まれることもなかった。
ところで、俺たち入試の上位5名は学年会という生徒代表組織のメンバーだった。知らんかった。
これは各学年のまとめ役であり、生徒会との橋渡し役でもある。
ライオネルがユリアに頼んでいた新しいメンバーは、Aクラスのルルカ・イエロームーンという公爵家の娘だった。
『ルルカ・イエロームーン。黄色い髪、茶色の目をしたイエロームーン公爵家の一人娘。ブルースペード家とは代々懇意にしている。セリウスの婚約者候補の一人』
そう、ルルカはセリウスの婚約者候補なんだよなー。おっとり系のカワイイキレイ系なのだが……ってか、コイツ迷宮で序盤に魔力使いきったヤツだもんな。もし迷宮に行くことになってもコイツとは絶対行きたくない!
まぁ、とにかくそういうことで、会長ライオネル、副会長ゲイルとセリウス、会計エリック、書記ユリアとルルカの計6人で1学年の学年会は構成されることになった。
因みにライオネルは生徒会の書記と掛け持ちしている。
──王子って大変だよな。何か手伝える事があったら手伝ってやりたい。
「エリック、ちょっといい?」
そんな事を考えなからボンヤリ外を眺めていたら、ユリアが声をかけてきた。
「うん、何?」
ユリアは今日も可愛い。目の保養になる。他の女子も可愛い子もいるが、ずば抜けて可愛いのがユリアだ。
「ちょっと相談したい事があるんだけど……」
モジモジしながらそう言った。
「どうかしたの?」
「うん……その……」
ユリアがふっとエリックに近づいた。
「……放課後、中庭の一番奥のガゼボに来てくれる?知ってるかな?女子寮側の……」
「うん、知ってる。分かった」
ユリアからふわっと花のような香りがした。
あ、これ……懐かしい……気がする。
「良かった。じゃあ、後でね」
フリフリと手をふってルルカの所へ戻っていった。
「……後ろ姿もカワイイ……」
ほんとにカワイイと思う。ヒロインだから当たり前っちゃあ当たり前なんだろうけど。
でもなぁ……。
俺は何故かユリアに恋愛感情が沸き起こらない。多分それは俺がちゃんと人を好きになったことが無いからだと結論づけた。
だから無理くりユリアときっかけ作ろうとかすると空回りするのだ。
だいたい当初は甘い言葉言っときゃいいとか思ってたんだけどなぁ。タイミングが難しいよな……
「よし……チャンスが向こうからやってきたんだ。恋愛モードにもっていかないとな!」
むん!っと気合いを入れた。
今のところ良い感じではある。皆と話す時より、俺と話す時の方がよりフランクなのだ。気安いというか、好意は感じる。
……相談って、何だろう?……まさか、告白!?って、それは無いか……まだそんな感じじゃないもんな。
「はぁ~~~~~~恋愛とか……メンドイ……」
大きなため息をはき、教室に戻ろうとした。
「どうした。赤リス」
と、突然髪をくしゃっと崩された。
「~~~だから、髪を乱さないでよ。別に、ユリアと話してただけだよ。ゲイルはどうしたの?ライオネルたちと生徒会に行ってたんじゃ?」
「ああ……まぁ……俺には関係ないから」
「関係ないって……副会長のくせに……セリウスだけに押し付けるなよな……」
腹立ち紛れにボソリと呟いた。
「……お前、生意気だな」
また髪をぐちゃぐちゃっとされた。
「くっ!」
うぅ!どうしてコイツに逆らえないんだろ?
「ユリアと会うんだろ?せいぜい頑張れ」
と言って、来た時と同じようにフラッと何処かへ行ってしまった。
「……変なヤツ……」
髪を整えながらその背中を見送った。
選択科目の関係で放課後までユリアと会うことはない。
……何かしらこう、ユリアをドキッとさせる術はないか?
サープラーイズ!みたいな……。
セリウスに相談してみるか?
サープラーイズ!は喜ぶ人と、ひく人がいるんだよ、悟ルン。




