表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/153

#17強引な彼

いつになったらユリアちゃんとまともに話せるの!?

部屋割りの話が終わり、早速棟に向かった。


って、ちょっと待て!

俺、まだユリアちゃんに紹介してもらってないんだけど?男共とばっかりつるんでるんですけど!?

これって乙女ゲーだよな?俺は攻略対象で……もっとこう……女子と絡むんじゃないの?何故に男共とばっかり一緒にいるわけ?


「どうした、エリック。まだ落ち込んでるのか?」

と、突然グッと肩を抱かれた。


「うわっ!?」

びっくりした!

驚いて声のする方を見ると、真横にゲイルの整った顔があった。

赤い瞳が細められ、覗きこむように見つめる視線は、まるで獲物を狙う獣のようだった。


「ちょっ!」

うわっ、ちっか!近い近い近い近い!!

慌てて離れようとしたら、さらにグイッと、もう顔に当たりそうなくらい引き寄せられた。


「……俺が慰めてやろうか?」

低い声で耳元で囁かれた!


イヤ~~~~~~~~~!!!!

怖い!怖い怖い怖い怖い!!!ゾワゾワするぅ!


「ぶひゃ!」

思わず硬直し、変な声が出た。


俺まだ女子と手すら握ったことないんですけど!!コイツ、マジなやつか!?


「──ぷっ!あはははははは!」

と、突然ゲイルが大笑いしだした。


「おい、そう揶揄うな。エリックが魂が抜けたみたいになってるぞ。悪いなエリック。この男は人を揶揄うのが趣味みたいなところがあって、許してやってくれ」

呆れたようにライオネルがため息交じりにそう言った。


「あはははは!おもしれぇ!『ぶひゃっ』って何だよ!?『ぶひゃっ』って!!お前……!気に入ったぜ!」

腹を抱えて笑われた…………。

何処かでシャラララーンと音が聞こえた気がした。


「うっ…………」

かぁーっと自分の顔が赤くなるのが分かった。


いや、あんたの好感度あげたって全然意味ないんですけど!?

だいたい友達の少ない俺に、そんなスキンシップはびっくりするわい!

しかもめっちゃ綺麗な顔でいい匂いするし、声は響くし、どないせえっちゅうねん!


「──ボクは面白くないですよ」

ぶすっとして呟いた。

くそっ!なんなんだよコイツ!もう寄ってくんな!


「ふふ、まぁまぁ、コミュニケーションだよ、エリック。これから同じ棟で暮らすんだ。仲良くやろう」

ポンポンとセリウスに背中を叩かれた。


「はぁー面白。そうそう、仲良くやろうぜ。ナカヨクな」

またもや肩にゲイルの手が回り、ぐんっと引かれた。

肩を組んだまま、男子寮に向かっていく。


「ちょっと……!」

いや、だから離せや!


──こいつジャイアンかよ!!


ゲイルの方が背が高く、力も強い。

その強引な態度に翻弄されてしまう。


「あの……ゲイル様……」

俺はユリアちゃんと仲良くならなきゃいけないんだ!あんたなんかと仲良くしたくないやい!


「──ゲイルでいい。エリック」

ニッと笑い、ポンっとエリックの肩を叩いた。


そう思うものの、ゲイルの迫力に押され、何一つ逆らえないまま、ズルズルと引きずられるように棟に向かうエリックだった。


くくく!オモロ……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ