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#12セリウス

Sクラスは20名いるよ!

よろしく~。

一人一人紹介したりはしないけどね~!

かぁーー!女ってこういうヤツ、好きそうだよなぁ~。

いかにも女にモテまくってます、みたいな男が、自分の事だけを愛して、忠誠を尽くすみたいな……。


うん、流石乙女ゲーだ。こうしてこういうキャラを攻略して、自分はいい女だと思い込むんだな。

キッモ!キモキモキッモ!!

現実であるかよ、そんな事!


てか、こんな男に好かれるとか?元々見た目も中身も、すんごいイイ女しかあり得ましぇーん!

はい、そこのまぁまぁな君。

現実世界でアイドルと結婚出来るかも~とか、勘違いも甚だしい変な夢をみないようにね?


あ、そうか!ここはゲーム世界だったわ。


ならいいのか……そうか……ユリアちゃんがそういう系を夢見る残念少女だったら、こいつが攻略対象になり得るのか……。


……うーん、だけどまずはやっぱりライオネルが一番厄介だよな。

なんてったって王子だし……。


「エリック君?聞いてる?」

セリウスの差し出した手が宙に浮いていた。


あ、これは恥ずいわ。悪かったな、セリウスとやら。


「失礼しました!はじめまして、エリック・レッドクローバーです。すれ違いばかりでなかなかお会い出来る機会に廻り合いませんでした。お会いできて光栄です」

グッと手を握り、そう言った。


「セリウスは我らにつぎ、次席だったんだ。だが、こいつとは抜きつ抜かれつを繰り返している。今回はたまたまだったかもな」

わははと、ライオネルが笑いながらバンバンとセリウスの背中を叩いた。


「よく言うよー。だいたい6・4くらいでライオネルが勝ってるじゃん」


「お前が本気をださない時だけだ」


「そんな事ないですよ?僕はいつでも全身全霊をかけて~」


「ああ、もういい。エリック、こんなとぼけた奴だが、悪い人間ではない。よろしく頼む」


ライオネルが兄貴風を吹かせてそう言った。


「はい、もちろんです。私は未熟者ですが、ここで多くの事を学ばせてもらいたいと思っております。よろしくお願いいたします。セリウス様」


「うん、セリウスでいいよ。エリック」

ふふと笑いながら、ポンっと背中を叩かれた。


ふーん……なんか、こいつらライバルだけど、嫌なやつらじゃないよな。

そりゃそうか……現実じゃないんだもんな……理想の男たちなんだよな。

……ほんと、現実のやつらはロクなやついねーもんな…………。


ふと、現実の3-A組のやつらを思い出した。

受験だからしゃあーないけど、人を蹴落とすことしか考えられねーやつ多過ぎ。ひくわー……


「ライオネル」


と、誰かが俺たちに声をかけてきた。


ハッとして、ぼんやりした思考から覚醒し、その低い声の主を見た。


あなたは誰!?

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