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同族殺しは愚者である  作者: 三月弥生
第六章 荒瘴命痕
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    内在厭悪(2)


      ――――――――――――――――――――――――――――――――――


 レラの右手と黒の翼竜――ベルカナの鼻先が触れた瞬間、糸が切れた人形のように背中から地面へと倒れるレラ。そんな突然の出来事ではあっても、いち早く反応して見せた名無が彼女の背が地面へと打ち付けられる前に抱き止める。


「マクスウェル」


 その呼びかけと供に銀の瞳に輝きが灯る。一方で名無の言葉に返答は無かったが、それでも応える様に彼の首元で己が核たる機械水晶を点滅させレラのバイタルチェックを行うマクスウェル。

 ティニーも慌ててはいたが、マクスウェルが診察に入った事を察して治療に必要な道具の準備に入っていた。


(周囲に敵らしい気配も魔力も感じない。『透形有視(タンジブル・ボヤンス)』で家屋の壁を透過して目視しても敵の姿は無い)


 倒れたレラに対し迅速な対応を取るマクスウェル達のお陰で、防衛行動に集中する名無。 発動させた『透形有視』が有する視界から無機物を除き、有機物のみを捉える効果が届くのは視線を向けた方向に対して五十メートル程。その僅かな距離だけで敵性存在の有無を決定づける事は難しいが、あくまで視認の障害となる壁さえ視界から取り除く事が出来れば問題は無い、あとは名無の《輪外者》としての視力で距離も範囲も十二分に補足できる。

 しかし、名無の眼は敵らしきものの姿を捉える事は無かった。


(外部からの攻撃の可能性が消えたわけじゃないが、その線は考えにくい。今思い当たるのは――)


 レラを抱き止めながら名無は原因であろうモノに眼を向け、


「だ、大丈夫です……ちょっと目眩がしただけですから」


 ようとする前に名無の腕の中でレラの声が上がる。


「目眩以外の症状……痛みや倦怠感は?」


「ありません。目眩も、治まりました」


『――保存しているこれまでの記録からレラ様の平常時のバイタルと比較。脈拍が僅かに早い状態ではありますが、異常と判断する程ではありません』


 脈拍、血圧、体温、血流――体表、体内分け隔て無く些細な異変も見逃さぬよう行われたマクスウェルによる診察。これが名無では無くレラの首元で行われていればより正確なバイタルチェックが出来ただろう。

 だが、今はその不足の部分を補える適任がこの場にはいた。


「ティニーもみていい?」


「はい、お願いしますね」


 僅かな時間ではあったが、フォーエンでグノーから医学の知識を学んだティニー。ルゼから学んだものと然程変わりはないものでも、自由に魔法が使えない者が磨いてきた技術と観点は確かにティニーの医師としての血肉となっていた。

 マクスウェルは科学的な観点からレラを。そして、ティニーは自分に托された知識と学んだ技術を元に診察を行う。役割で考えればマクスウェルが医療機器としての検査を、ティニーが医師として患者に用いる基本的な手法である触診による診察。


 自分の額をレラの額にあて熱を測り、小さな手で皮膚の状態、脈の間隔、筋肉の緊張や腫れがないか、圧痛による表情の変化など見落としが無いか入念に診察を続ける。

 触診は確かな経験が必要となってくるが、ルゼと燐火のお陰で豊富な経験値を身に付けている。そんな信頼の置ける経験則から来る診察を終えたティニーの表情には安堵の色が浮かぶ。


「マクスウェルお姉ちゃんがいったみたいにみゃくがはちょっとはやいけど、とくにわるいところはなさそう」


「ありがとうございます、二人からお墨付きをもらえれば私も安心です」


「でも、どこかいたかったりぐあいがわるかったらがまんしちゃだめだよ?」


 診察の結果、特に異常が無いと分かり安心してもレラの崩れ落ち方が眼に焼き付いているのだろう。診察が終わり名無の手を借りゆっくりと地面に腰を下ろすレラを前に、ティニーの小さな両手は胸の内の不安を表す様に自分のスカートをぎゅっと握りしめていた。

 その姿にレラは目尻を下げ柔らかな笑みを返し、ティニーの頬を優しく撫でるつける。


「大丈夫ですよ、何処も居たい所はありませんし具合も悪くないですから……旅の疲れが出ちゃったのかも知れません。もし具合が悪くなったら我慢せず直ぐに伝えますから、ね?」


「……うん!」


 自分の頬に触れるレラの手から伝わってくる柔らかな熱と言葉に病人特有の弱々しさが無い事に、ティニーは今度こそ屈託の無い笑みを浮かべた。そんな二人の姿に名無も肩から力を抜き息を吐く。


「二人の診察で異常が見られなかったならレラの言うように疲れが溜まっているのかも知れない、しっかり休んで様子を見よう」


「はい、そうしましょう」


「じゃあじゃあ、ティニーはベルカナとねるね! フカフカであったかいもん、ナナキお兄ちゃん達もいっしょ!!」


「心擽られる提案だが俺は遠慮しておこう」


「残念ですけど、私も」


「? なんで??」


 自分達の言葉に眼をぱちくりとさせるティニーの反応に微笑ましさを感じるも、名無とレラは揃って苦笑を溢す。


「ベルカナの体格なら俺達全員が横にさせてもらっても問題ないだろう。だが、身体が大きいからと言ってもベルカナは子供だ」


「ティニーちゃんと同じくらいか、もしかしたら下かもしれません。それなのに私とナナキさんがベルカナちゃんの身体で横になるのは……」


 ベルカナをティニーと同じ人の子供だと仮定し名無、レラ、ティニーの三人で彼の身体を枕の様に使うと考える。それだけで彼に負担が大きい上に絵面も悪い、四人で寄り添って眠るという美化した考え方も出来なくは無いが……ティニーの提案通り羽毛よりもより柔らかな質感に確かな厚みと暖かな熱。最高級の羽毛を使った寝具よりも心地よい抱擁感を堪能するとなれば、どうあっても前者のような光景が二人の脳裏に浮かび上がってしまうのだった。


「そっかー……」


 そんな二人の心情が正しく伝わったかは定かでは無いが、明らかに気落ちした声がティニーの口から溢れ出た。その様子に罪悪感を覚えてしまう名無とレラだったが、少なくない好奇心と誘惑に後ろ髪引かれるつつもベルカナの負担軽減を選ぶ。


「今はティニーが俺達の分もベルカナと触れあってくれれば良い」


「私達はまた次の機会に、です」


 名無は魔法で皆が横になる範囲で乾ききった硬い土を寝心地の良くなるよう柔らかく整え、レラは荷物の中から三人分の敷布と掛布を取りだし就寝の準備へ。そこにレラの急変に慌ただしくなった空気は無く、普段と変わらない一日の終わりを迎える光景が広がっていた。


「今日も色々あったがゆっくり休もう」


「はい、ナナキさんも良い夢を」


「おやすみなさーい」


――……クォーン……――


『皆様、良い夢を』


 家屋の軒先という事もあり暗闇の空で輝く星々の輝きが名無達を優しく照らしてくれているお陰で、保安灯程度の明るさまでに魔法による光量を落とす名無。明るすぎず暗すぎず、レラ達の眠りを妨げず尚且つ敵の襲撃や野生動物の接近など何かあっても直ぐに目視出来る明るさである。

 名無はレラから受け取った敷布の上に腰を下ろし掛布を膝にかけながら壁に背を預ける、レラは名無が準備した柔らかな土の上に敷布を敷き掛布に身を包み、ティニーは現状最高の寝具となるベルカナの身体に身を沈め寝そべった。


 三人の中で最初に安らかな寝息を溢したのはやはりティニーだった。ベルカナの体温と被毛の感触は、ティニーの疲れた身体を優しく包み込んでいるのもあるだろう。加えて体力も消耗も大きかったに違いない。

 そんなティニーに続いたのは以外にもベルカナだ。身体の上にティニーをのせてはいるが、ベルカナもティニーの重さと体温が心地よかったのかベルカナの表情も穏やかなだった。

 二人揃って眠る姿に名無はくすりと小さく笑みを溢すも、その銀の瞳には陰りがあった。


(……レラは疲れが出たと、濁してはいたが間違いなくベルカナに触れた事による能力の過剰な負担が原因だろう)


 ブルーリッドが持つ肌接触によって心を色として読み取る能力、その弊害である心象酔い。『敗者の終点』でレラと同じブルーリッドのルゼからも強く注意するよう言われたブルーリッド特有の病症。

 マクスウェルも病症に関するデータを記録しているが、レラの言葉に何か感じ取ったのだろう。心象酔いに関して言及すること無く、ティニーの診断も心象酔いからそれるよう動いていた。

 二人の言動や反応からみてもティニーの前でベルカナを責めてしまうような事にならないようにしていたのは明らか。


(レラが崩れ落ちた時、ベルカナは確かに戸惑っていた)


 そして、ベルカナにレラを害する気が無かったことも分かっている。

 自分の腕の中でほんの少しとは言え意識を失っていたレラを見つめるベルカナの瞳には驚きと焦りがあった。レラが自分の鼻先に触れた途端、目の前で倒れてしまった事にベルカナは理解が追いついていなかった。


 何か思惑があっての行動を取っていたのなら、自分達の会話にも少なからず反応を見せていたはず。だが、そうはせず只おろおろと目尻を下げ自分達を黙って見ているだけだったのだ。人間とは比べものにならず、魔族の中でも長命種に属する翼竜とはいえ中身はティニーとそう変わらない子供。

 あの戸惑う姿が演技だとしたら脱帽せざるおえない……が、その場合はレラの態度にも少なからず警戒の色が見えたはずだ。それがなかった事こそ幼い翼竜の身の潔白を示している。


(ベルカナに悪意の類いが無かったとは言え、レラへの影響が気がかりな事に変わりは無い)


 心象酔いが発症した時、何の前触れも無くレラは倒れた。

 症状も発熱、息切れ、意識の昏睡と対処するまもなく悪化した事は嫌でも覚えている。『敗者の終点』にルゼがいてくれなければ、心象酔い関する情報を詳しく知る事が出来ず発症する度にレラに負担をかけデータを集め後手に回り続ける事になっていたに違いない。

 その事を考えればルゼから手ほどきを受けたティニーの存在と、心象酔いに解析を続けデータを蓄えてくれているマクスウェルのお陰で心象酔いの発症は大分抑える事が出来るだろう。

 それでも……


(レラがベルカナに触れた時間は一秒あるかどうか、それでもレラの意識が持たないほどの心色の影響力は計り知れない。いつ心象酔いの症状が表に出るか分からない上に症状が出てしまえば時間経過以外の回復手段が無い、今は様子を見るしかないが……)


 普段、レラがティニーと触れあう時間は思いの外多い。頭を撫でる、手を握る、抱きしめる。肌の接触の有無に関わらず、そう言ったスキンシップを通してティニーの精神安定に多大な貢献をしていることから必要不可欠といえる。それがなかったとしてもレラに、恋仲でもない異性に対して気安く肌の接触を求めるような真似を名無がするはずが無い。

 それこそ突然の戦闘、緊急時でなければ名無がレラの素肌に触れてしまうような事はなかった。だからこそ、ベルカナとの接触がなければ心象酔いの心配もせずに済んだのだが……


「……ナナキさん……」


 意図せずレラの身に降りかかるかも知れない苦行に思いをはせ眉間に皺を寄せる名無だったが、そんな名無の耳に静かに身を起こし小さく自分を呼びかけるレラの声が届く。


「レラ、何処か具合が」


「い、いえ。身体は大丈夫です、ただ……」


 名無の心配に首を横にふり、レラは寝息を立てるティニーとベルカナに視線を向け言葉を濁した。眠る二人には聞かせたくない、そんなレラの様子に名無の銀の瞳が輝きを灯す。


「ティニーとベルカナを起こしてしまわないよう能力で俺達の間だけで声が聞こえるようにした」


――『撰声伝囁(ウォクス・レーゲレ)


 自分と指定した者だけが音の振動を聞き取れる用にする異能。

 指定する者の人数に決まった数は無く名無達の様にティニー達の眠りを妨げないように使う場合もあれば、敵との戦闘時や電子機器における連絡も必須である戦線の状況や作戦の変更等の情報を味方勢力だけに聞き取れるように使用する事が出来る。

 武力という面では目立つ能力では無いが、混戦極まる戦場における情報戦における情報伝達の機密性の保持や漏洩防止という面で見れば心強い能力。

 既に普段と変わらない声量で言葉を交わしている名無とレラだったが、直ぐ近くで眠っているティニーや聴覚が人よりもずっと優れている竜種であるベルカナが二人の声によって眼を覚ます様子は無かった。


『――ティニー様とベルカナ様の脳波を計測……ノンレム睡眠時に見られるデルタ波を確認。両者供に深い眠りについています、能力の効果も含めまずマスター達の声を聞いて起きることはないでしょう』


「ありがとうございます、ナナキさん、マクスウェルさんも」


 レラは自分の身体に懸けていた掛布を膝にかけ直し佇まいを正す。


「その、さっきの事なんですけど……」


「ああ、俺もマクスウェルも分かっている。確信、とまでは行かないだろうがティニーもだろう」


「はい……でも、今のところ大丈夫だと思います。ルゼさんに教えてもらった初期症状も感じませんし」


 心象酔いの初期症状、それは自分の心色の色が見えにくくなる所にある。

 レラが誰よりも心色を見る機会があるのは他でもない自分自身、他者の肌に触れるのと同じように自分の肌に触れることで自身の心色を読み取る。だが、それはブルーリッドにとっては呼吸をするのと同じ、負担は殆ど無いに等しい。

 だからこそそんな自分の心色を見たと時、色が曇って見えるようになる。今のところという言葉と両手を軽く握り合わせ確認している姿から、心象酔いの症状は出ていないと思って良いだろう。


「分かった。だが、何か異常を感じたら直ぐに言ってくれ……それで原因はベルカナで間違いないか?」


「……はい」


 レラに不調の兆しが無い事は一安心ではあったが、問題は残ったままである事に変わりは無い。


「ベルカナちゃんの鼻に触れた時、一瞬で……今まで見た事がない無念と憎しみを煮詰めたような……それ以外の感情が一切見当たらない、そんな黒でした」


「出会ってからの今までの様子から、それだけの感情を秘めているようには見えなかったが……」


『長命由来のアンガーマネジメントと考える事も出来ますが、ベルカナ様の年齢を考えるとそういった感情抑制訓練が出来るとは思えません。何よりレラ様が見た心色の性質を考えれば数秒間で落ち着きを取り戻せるような感情では無いでしょう』


「ああ」


 日々の生活の中で衝動、思考、行動、これら三つの要素に関連する怒りを収める訓練で提示されている時間は凡そ六秒。その六秒が怒りという感情が尤も強い時間とされ、我慢することで怒りを沈める目安ともされている。他にも今自分が抱いている怒りが正当なものなのか、本当に怒る必要があるのか、怒りに繋がる行動と言動の回避などで怒りをコントロールする事をアンガーマネジメント呼ぶ。

 しかし、レラが見たベルカナの心色は黒、それも怒りや悲しみといった決して無関係では無い感情である赤や青の色が混じいる事すら許さない圧倒的な激情。


「でも、今までと見え方……というか感じ方が違っていて」


「と言うと?」


「黒い色だけだったのは本当でした。でも、見えない何かが間にあるような……」


「見えない何か、か」


 レラが見たベルカナの心色、その原因が人間に起因する物であれば自分達と心色を共に出来るとは思えない。レラのいう見えない何かが内なる激情を抑えこんでいるのか、またはある種の精神能力または封印である可能性も考えられる。


「不思議な感じでした……すみません、私が分かったのはこれくらいしか……」


「いや、君に不調が無い事とベルカナには何かがある。その二つが知ることが出来ただけでも前に進んだ証拠だ……俺達ももう休もう。寝不足で体調を崩してしまって元も子もない」


「そうですね、これ以上ティニーちゃんに心配させてしまうのは良くないですから。おやすみなさい、ナナキさん」


「ああ、おやすみ」


 気がかりだった体調や、ベルカナの心色について話せた事で再び横になったレラから緊張が薄れ暫くするとティニー達と同じように夢の中へ。異常が無かったとは言え、この廃墟の街に着いて忙しく動いた疲れが残っていた事が分かる。


『念の為ワタシはレラ様やティニー様達のバイタルに変化が無いか解析に努めます』


「分かった、レラ達の事は任せた。何か異常があったら直ぐに知らせてくれ、俺は考えを纏める」


『イエス、マスター』


 名無の首元で待機状態へと移行しつつ、レラ達の体調に機械水晶を光らせるマクスウェル。名無が呼びかければ直ぐにでも応えてくれるだろう、名無の瞳に灯っていた銀光も消え、柔らかな星明かりの下には穏やかな寝息が彼の耳に届く静けさが広がった。


(広大な荒野、その中で廃墟の町に辿り着けた時にはレラ達をゆっくり休ませてやれると思ったんだが、予想外の事態になったな)


 廃墟の町で遭遇した初見の魔族――翼竜種のベルカナ。

 敵対の意思はなく、友好的な態度に危険は無いと判断した。それは今も変わらないが、レラが見たベルカナの黒一色の心色によって気を抜いてはならない状況に陥ってしまったと言っても良い。


(この町に住人がいないのはベルカナが原因なのか、それともベルカナもこの町の一員だったのか……こちらの言葉が通じるなら話を聞けるかと思った矢先にコレだ)


 自分達だけでなくベルカナにとっても、レラが僅かとは言え意識を失うほどの精神干渉の負荷。こちらを害するような悪意も敵意もなかった事はベルカナの様子を見るだけで伝わってきた……気休めでしか無いがタイミングが悪かったとしか言えない。


(明日はベルカナ自身と心色に関して探りをいれるとして、気がかりなのはやはりレラの体調面だな。今の所、レラ自身でも不調を感じられていないとは言え時間の経過で心象酔いの症状が出てしまうかも知れない)


 何事も無ければ一日二日でまた移動するつもりではあったが、荒野を踏破している最中に心象酔いの症状を発症してしまったらレラだけで無くティニーの負担も大きくなる。


(それにベルカナが旅への同行しようとする可能性もある)


 名無達が生きて出会った生物はベルカナのみ、自分達の見立てではベルカナはまだ子供。いつから廃墟の町にいたのか、いつから一人だったのか、孤独に身を置いていたからこそ自分達に友好的なのか……考えを巡らせれば巡らせるほどベルカナについて疑問が湧く名無。


(……やはりベルカナに関して慎重に調べる必要がある、レラの体調も暫く様子を見なければ問題ないと断言出来ない)


 身を寄せ合い気持ちよさそうに眠るティニーとベルカナ、そして不調の兆候は無いであろう穏やかな寝顔のレラ。三人の寝顔を双眸に映した名無は一人、星空の下で粛々と張り番を務めるのだった。











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