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終焉の竜と王国  作者: 白山 銀四郎
2章 竜は求愛されました
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14話 お前の采配に任せる

「ワットヌーエ国との同盟が決まりつつある。おそらく調印式の前に向こうに行くことになるが大丈夫か」

「私たちは閣下のいかれるところに行きます」


ヘイルダムの返事にほかの四人も頷いた。クロークは正直ヘイルダムは自分が死んだら死んで一緒についてくるのではないかと若干恐怖を感じている。


「ワットヌーエ国ですか…船で向かうのですか」

「そうなるな。陸からいくよりはやいからな…船酔いするものはいないか」

「…はい」

ティーズが小さく手を上げた。クロークは意外だなと思いながらよく効く酔い止めを作ってやろうといった。

ー半年たっても新しい発見があるな。ハーフデビルでも船酔いするのか…




「クロークを頼むぞ」

城の船着き場では同盟締結の最終決定のためにワットヌーエ国に向かうクロークたちの見送りにグウェンシークや大臣が集まっていた。

そしていつもならクロークの斜め後ろにいるヘイルダムがグウェンシークの後ろにそしていつものヘイルダムの場所にヴァルツがたっていた。

グウェンシークの言葉にヴァルツは頷いた。

「ヘイルダム、陛下をお守りせよ」

「はっ!」

同盟を結ぶ国とはいえ危険な要素はあまたあるため今回はヘイルダムよりも武に秀でた近衛隊長ヴァルツがクロークの近衛としてつくことになった。

ヘイルダムは命を受けたときにくやしく思った。もちろんグウェンシークの近衛をすることは名誉であるが腕が足らないと言われクロークから離されたのが悲しく不甲斐なかった。

「クローク、昨日決めた条件で締結できなくてもかまわない。お前の采配に任せる」

「かしこまりました」

「帰りを待っているぞ」

「はい、陛下。よい知らせをもって戻ります」

クロークは昨日会議できめた条件を譲る気はないという思いでいた。グウェンシークはクロークの表情からそれをよみとくと頼もしく思った。

「ではいって参ります」

乗り込んだ船は街の水路を進み海原にくりだした。



ワットヌーエ国


「あの大国と同盟を組めるとはな」

「陛下…まだわかりませんよ」

すでに同盟が組めると嬉しげな小さな小太りの王冠を被る男に対照的な男が諌めた。

「なぜだ?」

「今回は同盟締結の条約の選定です。それに宰相のみが来るということは完全に同盟締結を決めきれていないということかと」

「なんだと!宰相だと…たかが宰相のみに任せるというのか」


憤慨するワットヌーエ国 国王イース・ロマネ・ワットヌーエをまぁまあとなだめた。


「グランディア王国は大国、歴史も古く、戦力もさることながら文化も発展しております。比べるまでもなく…宰相のみがきても問題のない差があります」

己の執政チューストの言葉に唸るとどかっと玉座に座った。イースも比べたら天と地ほどの差がある。もしかすると地ですら危うい

「もてなして必ず同盟締結をしなくては」

「わかっておる」


「あれは…なんだ」

「…おそらくあれがグランディア王国の船かと」

ワットヌーエ城のテラスからみた水平線に大きな塊が姿を表し、どんどんとその姿を大きくしていた。

チューストとしてもこれほどの船かととどろきを隠せなかった。

姿を表した船は落ち着いた色合いの豪華客船のような風貌でもありながら甲板には大砲などがつまれ、よくみれば金属でおおわれた外装である。

あれ一隻でこの国は多大な被害…いや滅びるかもしれないと感じた。それはイースも同じようで気を引き締めた様子であった。

「これは強い気出てはいけないな」

イースは賢いとは言えないが本当に危険だと思うことは避けてとおる男でありそこはチューストも信用しているところである。


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