12話 髪が短いと姿変えたときに格好がつかない
「おはようございます、陛下」
2日がたち傷もすっかり消え治療院からでることができた。
「おはよう、クローク。短髪もなかなかいいな」
クロークは髪をつまみ横目でみるが少ししか見えない。
「私としては違和感がありますね」
ー髪が短いと姿変えたときに格好がつかないし…
クロークの姿はイデアによるものである。髪は鬣にあたるため竜の姿になれば不格好ともいえる。
「自分できったのか?」
「いえ。短髪はよくわからなかったのでグローリエに」
「あぁ!あやつは手先が器用だからな!そうだ」
グウェンシークはクロークに手招きした。クロークはなんだろうと思いながら近くに移動する。
「グローリエから髪留めが使えなくなったとしょげていたと聞いたぞ」
ーあの!赤喋り!
クロークはここにはいない女言葉のでかい男を殴りたくなった。
「でだ…これはどうだろうか」
そういってクロークの手に挟み込むタイプの髪止めをのせた。青く透き通った石が煌めきそれを包み込むように銀の細工が施されていた。
「…いいのですか」
「お前のために用意したんだぞ」
「ありがとうございます!」
クロークはそれを両の手で包み込むと嬉しそうに微笑んだ。グウェンシークも嬉しそうなクロークに心が暖かくなった。クロークは自分が上げたものならなんでも大切にするだろうという確信がある。そして絶対に喜ぶことも・・・
クロークは髪留めのことでグローリエへの制裁はなしと決めた。手の中にある宝を優しく握った。
プレゼントというものは良いですよね
どちらかといえば渡すほうがすきですね・・・
いろいろと考えて選ぶのがなかなか骨が折れますが
大事に使ってくれるととてもうれしくなりますよ