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愛を弔う館 ― 閉じ込められた四人  作者: 智信
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第01話 ???

 気がつくと、私は、冷たい石畳に倒れ伏していた。


 空が、見えた。

 ついさきほどまで、あれほど高く遠くにあったはずの空が、いやに近く、大きく見えた。

 いくつもの人影が、私を、遠巻きに取り囲んでいく。

 誰かが、何かを叫んでいる。

 だが、その声は、もう、水の底で聞くように、ひどく遠かった。


 ――誰なんだ、この人は。

 ――身元のわかるものは。


 途切れ途切れに、そんな声が、耳の端をかすめていく。


 そうだろう、と、私は思った。

 この街の、誰ひとり、私が何者かを知らない。

 私が、みずから、そう望んで生きてきたのだから。

 これほど大勢に囲まれてなお、私は、独りだった。


 痛みは、不思議と、なかった。

 ただ、体の芯から、あたたかい何かが、静かに、抜け落ちていく。

 その感覚だけが、やけに、はっきりとしていた。


 ――ああ。

 私は、こんなところで、終わるのか。


---


 薄れてゆく意識の、その隅に。

 ひとつの光景が、ゆっくりと、浮かび上がってきた。


 高い塀に囲まれた、大きな館。


 ――帰りたい。


 消えてゆく意識の中で、最後に、私が願ったのは。

 ただ、それだけだった。


 あの、館へ。

 私の愛した、あの場所へ。


 そこで。

 私の意識は、途切れた。

「冒険者はあきらめない」シリーズの第7弾作品になります。

今作は夏の季節にあわせ、ホラーでの構造ミステリー作品にチャレンジしてみました。

構造ミステリーとしてもですが、ホラー作品としても読み応えのある作品になったのでは?と思っています。


初日と二日目、そして三日目は、それぞれ3話連続公開の予定となっています。、

2話目は16時に公開予定となっています。

また、四日目からは毎日1話ずつ、19時に公開予定となっています。


また、もしも「本作の物語の展開が気になる」…という方は、

似たような展開の作品である「冒険者はあきらめない」シリーズの第1〜6弾の作品をチェックしてみてはいかがでしょうか?


最後に、今後の参考になりますので、面白い・続きが気になると思っていただけたら、

評価・ブックマークで応援いただけると嬉しいです。

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