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守銭奴無自覚ブラコン妹と盲目ヤンデレいじめっ子皇女に好かれる極悪中ボスの話  作者: 溝上 良
第3章 

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68/68

第68話 だったら、母も行きます

第3章終了です!

次章から最終章となります。

最後までお付き合いお願いします!

 










 俺が椅子に座ったのを確認し、父上は鷹揚にうなずいた。


「うむ、久しぶりに顔を合わせることができたな。それぞれ業務に邁進しているため仕方な

 いが、やはりこうして家族の健在を確認するのはいいことだ」

『……あれぇ? ディオニソスの父親って聞いたからとんでもなく悪い奴だと思っていたのに、なんだかすごくいいパパみたいなこと言っているよ? 脳がバグる』


 人の父親のことをなんだと思っているんだ。

 言っておくが、俺の家族は別に普通だぞ。

 そこらへんにいる家族関係と何も変わらん。

 まあ、家族関係は色々とあるだろうから人それぞれだが、少なくともうちの家族関係は良好である。

 家族間で殺し合いなんてのも起きないし。

 ……関係ないところで勝手に死んでいてくれないかな、とは思われたり思ったりしている。

 俺とダイアナがそうだ。


「父上もご壮健で何よりです」

「うむ。また一つ使い勝手のいい魔法を編み出してな。その過程の人体実験で多くの人間が死ぬことになったが、魔法の発展に犠牲はつきものだ。彼らも泣き叫んでいたが、あの世では納得していることだろう」

『そこらへんにいる……?』


 激しく困惑した様子を見せるプレイヤー。

 父、グレゴリアス・ホーエンガンプは、魔法に対する造詣が深い。

 俺はそっち方面はさっぱりだが、魔法を一から作ることができるというところからも、父のすごさがわかるだろう。

 まあ、魔法の効果を確認する際に、それなりに人命が犠牲になっているが、大した問題ではない。

 基本的には罪人や悪人ばかりだしな。


『……基本的に? たとえば、その罪っていうのは誰が判断するの?』


 もちろん、父上だ。

 ホーエンガンプ領において、司法のトップは父上だからな。

 といっても、さすがに全部の裁判に父上が出張ることは物理的に不可能だから、ほとんど信任を受けた部下が代わりに裁いているのだが。


『やっぱりクソじゃん!』


 人の父親になんてことを言いやがる、このクソは。


『というか、そもそも魔法ってそんな簡単に作ることができるものなの?』


 いや、無理だと思うぞ。

 新しく魔法を作り出すって、実際にどういう風にすればいいのか、俺にはさっぱり分からん。

 父上だからこそできることだろうな。


『ディオニソスの父親だもんね……。無能なわけなかった……』

「お父様! 素晴らしい魔法を作られたのであれば、それをぜひわたくしに! ちゃんと手続きを踏んで、その魔法で大金を生み出してみせますわ!」

「うむ。金に関してはダイアナに一任している。すべてお前に任せる。……ただし、横領は適度にするように」

「はいですわ!」

『おかしい……おかしくない?』


 というか、周知の事実になってんじゃん、横領……。

 なんでそんな満面の笑みを浮かべられるんだ、ダイアナは……。

 頭に重大な疾患を抱えていそうだな。

 ただ、横領が認められているのは、家族だから……というだけではないんだよな。

 実際、こいつがかすめ取っていくお金よりも、それ以上に新しくお金を生み出している。

 金の動きに関しては、ダイアナの才覚は本物だ。

 だから、父上も認めているのだろう。


「お父様のおかげで魔法の使用料でお金が入ってくる。妹たちの領地開発で財が生まれてくる。その財物を狙うイナゴどもはお兄様が鏖殺する。そしたら税金を上げても領民も文句言わない。……最高の好循環ですわ……」

『グレゴリアスは魔法を開発してお金を生み出し、それを増やしたりゲヒゲヒしたりするのがダイアナ。そのお金を生み出す領民を守るのがディオニソス。……うわぁ、嫌だなぁ。ホーエンガンプ家、人材良すぎじゃない……?』


 まあ、無能な貴族はろくに領地を支配できないしなあ。

 賊も出るし、やられたい放題だ。

 そんなみっともないことにはしないようには気を付けているが。


『というか、ホーエンガンプ家って君たち以外にも子供がいるんだね。原作には出てこなかったんだけど……。そこまで掘り下げられなかったのか、あるいは原作と乖離しているのか……。まあ、パトリシアを見れば今更なんだけどさ』


 原作とやらは知らないが、プレイヤーの言う通り、ホーエンガンプ家は俺とダイアナだけではない兄弟姉妹たちがいる。

 といっても、あとは数人程度だけどな。

 そいつらもそれぞれの仕事を持っていて、ホーエンガンプ領の発展のために尽力している。

 そのため、俺も随分と顔を合わせていない。

 ……まあ、好き勝手に生きているだろ。


『えぇ……。興味なさすぎない……?』

「もう、今はそんなことはどうでもいいじゃないですか。今は、格好よく活躍したディオニソスの活躍をみんなで楽しく聞く時ですよ。さあさ、ディオニソス。早く母に格好いい所を聞かせてくださいな」


 俺たちを窘めるのが母上である。

 ニコニコと笑いながら、俺をせかしてくる。

 いや、活躍って……どういうの?

 とりあえず、シルバーを殺したことを報告すればいいのだろうか?

 というか、王国との話はどうなっているのだろうか?

 何かしら王族からこちらに接触があっても不思議ではないのだが……。

 何せ、どのような理由があるにせよ、騎士団長を殺したわけだし。

 ……まあ、いっか! 王族風情が今の俺たちに何かできるはずもないし、できたとしても返り討ちにするだけである。

 あっちから攻撃を仕掛けてきたら、それ自体が大義名分になるしな。

 ……パトリシアは抑え込んでおかないといけないが。

 あいつを放置していると、何をしでかすか分かったものじゃないし。


『……でも、唯一まともそうなのがお母さんなんだね。ちょっと君への愛が深すぎるような気がしないでもないけど』


 だから、俺の家族はみんなまともだって言ってんだろ。

 そんな感じで、家族でダラダラと話している時だった。

 扉がノックされ、グレイが入ってくる。

 珍しい。俺の私室には当たり前のように侵入してくるが、俺以外の家族がいれば近寄ろうともしないのに。


「ご歓談中失礼します」

「……呼んでいませんよ?」

『ひぃっ!? なんだか怖い!』


 母上、俺たち家族には甘いんだけど、それ以外には普通の対応だからなあ……。

 今もニコニコと笑いつつも、目は笑っていない。

 これがあるから、グレイもあまり首を突っ込んでこないのかもしれない。

 そんな威圧を受けても、彼女は引かずに頭を下げた。


「申し訳ございません。ディオニソス様にお伝えしなければならないことが」

「なんだ?」

「魔物が出現し、領民が襲われています」

「はあ……殺してくるわ」


 立ち上がる。

 ちょっとゆっくりしようと思っていたんだけどなあ……。

 まあ、いいか。気分転換に虐殺でもしよう。


『気分転換の方法が明らかに間違っているんだよなあ……』


 プレイヤーを無視して部屋を出ていこうとすると……。


「だったら、母も行きます」

「…………え?」


 母上が、優しく微笑みながら立ち上がっていた。

 ……マジ?




過去作のコミカライズ最新話が公開されました。

期間限定公開となります。

下記のURLや書影から飛べるので、ぜひご覧ください。



『自分を押し売りしてきた奴隷ちゃんがドラゴンをワンパンしてた』第6話

https://manga.nicovideo.jp/watch/mg1005446


『偽・聖剣物語 ~幼なじみの聖女を売ったら道連れにされた~』第37話

https://unicorn.comic-ryu.jp/13772/


『自分を押し売りしてきた奴隷ちゃんがドラゴンをワンパンしてた』第10話

https://magcomi.com/episode/12207421983410855800

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― 新着の感想 ―
筋肉モリモリマッチョメンで全身に傷のある山賊みたいなお父様かと思ったら、メガネの似合いそうな外道魔術師だったでござる。 お母様のスペックや如何に!
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