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VRでジョブチェンジ!  作者: oga
最終章 盗賊
54/63

データ消去

「私は、あなたが街に進軍してくるかも知れないとの情報を得て、こちらにやって来ました。 本当ですか?」


 私がそう尋ねると、魔女は意地悪そうに笑みを浮かべた。


「私の好きなアイドルグループが解散しちゃったから、これを機に国に攻め込もうかなって考えてたのよね。 あ、ちなみにpamsパームスね」


 ……やはり、噂は本当だったか。

すると、後ろにいた剣使いの男が高笑いを上げた。


「はっはっは、こりゃあいい! 俺たちと手を組んで、国を落とそうぜ!」


「はぁ? あなたたち、可愛くないからいらないし。 私には動物軍団がいるから大丈夫で~す」


 魔女が指をならすと、影から数人のフードをかぶった者たちが現れた。

フードの中は、アヒル、熊、犬といった具合で、どこぞの遊園地に出てきそうなメンツだ。


「ところで、剣使いのお兄さん。 これ、な~んだ?」


 魔女は一冊のノートを手にしていた。


「なっ!?」


 男はひどく動揺しているように見える。


「か、返してくれっ! それは……」


「えー、なになに? 2月15日。 はれ。 今日は、やき鳥を食べました。 おいしかったです。 カルピスを飲みたかったけど、がんばってカルピスハイにしました。 やっぱりお酒はまずいなぁ」


 謎の文章が淡々と朗読される。

まるで、小学生が書いた作文のようだが……


「ちっ、訳の分からない文章ね。 そんなことよりリーダー、あいつ、私たちの仲間になる気ないみたいだから、殺ってもいい? ……リーダー!?」


 女が男にかけよる。


「……し、死んでる」


 ……何だと!?


「お前っ、リーダーに、何したっ!」


「え? 彼の日記を読んだだけよ。 それより、あなた、今年でいくつ?」


 今度は、女が一瞬動揺したように見えた。


「ね、年齢? 今年で30よ。 何か問題ある?」


「あらら~、結構サバ読んだわね~。 本当は今年で35のくせに」


「や、やめろぉーーっ」


 槍使いがたまらず、手にしていた槍を投げた。

しかし、フードをかぶった熊に突き刺さり、魔女には届かない。


「ちっ」


 魔女は、部下の熊をやられて頭に血が上ったらしい。

右手に雷をまとうと、それを盗賊2人に放ち、後には焼け焦げた後が残った。

今度はその脅威が、私たち3人に向けられる。


「私のお気に入りを殺しやがって…… で、あなたはアオモリっていうんだ。 ふーん。 他の人とは違うわね。 別の世界の人なんだ」


 何っ!

彼女は、これがゲームであり、私はそのプレーヤーであることが分かるのか?


「これ、なーんだ?」


 彼女が見せてきたもの。

黒いカードで、どこかで見覚えがある。

……P〇4の、メモリーカードか?


「これを握りつぶしたら、データ消えちゃうかもね~」


 なっ……

そ、それだけは、絶対にやめろーっ!

そんな思いも虚しく、グシャリ、とカードが握りつぶされた。

 


 



 

 

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