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廻る
「おはよう、杜希」
「想」
病室に行くと、杜希は突っ伏していた。
僕の声を聞くと、バッと顔を上げる。
「体調はどう?」
「……僕は平気」
杜希は小さくそう言うと、心配そうな顔をして僕をジッと見つめてきた。
それから、言いにくそうに俯いて呟く。
「……俊は、突然だったね」
「うん」
「想、大丈夫?」
「それ、杜希が心配するか」
僕はケラケラと笑って杜希に返す。杜希は僕の笑った顔を見て少し安心したように息を吐いた。
「……杜希こそ、眠れなかった?」
「寝れなかった。寝られるわけないじゃん」
でも、と杜希は言葉を続ける。
「想が笑ってくれるから……僕も大丈夫」
杜希もふわりと僕に向かって笑顔を見せた。
『世界の終わりは美しい。誰かがそう言った。それを言ったのは誰なのだろう? ……生きている人にはわからないことだ。今生きている少数の人は、世界の終わりまで何をするのだろう。抗う、それとも思い出を残す? 全ては終わりに飲み込まれて無意味と化すかもしれない。……それでも、それに何かしら価値があるのだと、信じることは無駄ではない』




