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Psycer Brain ─ 神に抗え。その力で運命を変えろ。─  作者: n217 (嘯江 新«ウソブエ シン»)


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第54話「先見の明」

能研本部・会議室




グランの「強制執行」を受けてから二日。


能研本部には緊張が漂っていた。


タジがモニターを見つめる。


「グラン本人の動きは確認できません。」


「でも、世界中でマスタークラウンの活動が活発化しています。」


惣一は腕を組む。


「奴は能力を発動させた後、自らは動かず周囲を動かすタイプか……。」


その時、タジから連絡が入る。


「惣一さん、お客さんです!」




能研・応接室


扉が開く。


現れたのは、見覚えのある青年だった。


柊 千太。


ソウヤは驚く。


「千太!」


千太はソウヤを見ると、いつものように少し笑う。


「久しぶりだな、ソウヤ。」


惣一が尋ねる。


「今日はどうした。」


千太の表情が真剣になる。


「私の能力で見えた。」


「近いうちに、大規模な襲撃が起きます。」


会議室の空気が張り詰める。


先見の明


千太は静かに話し始める。


「日時までは見えない。」


「でも、場所は分かりました。」


彼は地図の一点を指差した。


東京。


「ここで、大勢の能力者が巻き込まれる。」


ソウヤは拳を握る。


「止められないのか?」


千太は首を横に振る。


「未来は見える。」


「でも、見えた未来を変えるには、それ以上の力が必要なんだ。」


惣一は静かに頷いた。




「ならば、その未来を変えよう。」




マスタークラウン


一方その頃。


マスタークラウン本部。


ペインは椅子に座りながら笑っていた。


「東京ねぇ。」


「派手に暴れられそうじゃん。」


ラルゴは静かに立ち上がる。


「……準備はできている。」


アランダは人形を優しく撫でる。


「楽しみね。」


グランは全員を見渡す。


「今回の目的は殲滅ではない。」


「能力者を集めろ。」


「抵抗する者だけ排除しろ。」


「了解。」


マランは何も言わず席を立つ。


グランはその背中を見ながら呟く。


「……まだ迷いがあるか。」




高台


マランは一人で風に吹かれていた。


そこへネネが歩いてくる。


「マラン。」


「また一人?」


「ああ。」


ネネは少し俯く。


「みんなを連れていくの……?」


マランは静かに答えた。


「命令だからな。」


しかし、その声に以前のような迷いのなさはなかった。




能研・訓練場


ソウヤたちは東京への出動に備え、訓練を続けていた。


イレイダは木刀を構える。


「ソウヤ。」


「東京じゃ遊びじゃ済まない。」


ソウヤは真っ直ぐ答える。


「ああ。」


「今度こそ守る。」


イレイダは小さく笑った。


「その顔なら大丈夫だ。」




エピローグ


夜。


東京の高層ビルの屋上。


一人の男が街を見下ろいていた。


ペイン。


「I'll send it to the world in an instant.」


不敵な笑みを浮かべる。


その背後には、ラルゴとアランダ。


さらに少し離れた場所には、無言で街を見つめるマランの姿があった。




彼らの視線の先には、何も知らず眠る東京の街。




そして、その戦いはもう目前まで迫っていた――。




第54話 完

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