第22話「新たなる仲間」
マスタークラウンとの戦いから数日。
能研本部では、ソウヤたちがそれぞれ訓練に励んでいた。
イレイダはソウヤの攻撃を軽く受け流す。
「……まだ甘い。」
「もう一回だ。」
ソウヤは汗を拭いながら構え直す。
「おっす!」
その時、訓練室の扉が開いた。
一人の女性が入ってくる。
「お姉様。」
「ただいま、帰りました。」
長い黒髪の少女。
鋭い目つきと凛とした立ち姿。
腰には一振りの刀。
ソウヤは初めて見る顔だった。
イレイダがソウヤたちを見る。
「紹介する。」
「能研のメンバーだ。」
少女は軽く頭を下げる。
「仭内 雛儀だ。」
「よろしく。」
ソウヤも頭を下げる。
「俺は、一之瀬ソウヤ」
雛儀はニッと笑う。
「存じている。」
イレイダが話す。
「彼女は、かの有名な極道の天義組のご令嬢だ。」
イレイダと雛儀が話し込む。
「刹那さんが!」
雛儀は、応接室へ飛び込む。
そこには名取家の千藤院刹那がいた。
「雛儀さん。」
刹那は優しく微笑む。
「久しぶりですね。」
「はい!」
「元気でしたか?」
「ええ。」
二人は自然に笑い合う。
夢幻がソウヤへ小声で説明する。
「刹那さんと雛儀さんは遠い親戚なんです。」
「小さい頃から交流があります。」
ソウヤは納得したように頷いた。
その頃。
もう一人の来訪者が静かに玄関を開ける。
眠そうな目。
短めの髪。
小柄な少女。
「あの……。」
「ただいまです……。」
結衣が駆け寄る。
「小雨ちゃん!」
少女は小さく会釈した。
「醒ヶ井小雨です。」
「よろしくお願いします……。」
タジが笑う。
「めちゃくちゃ静かな子でござる。」
小雨は照れくさそうに俯く。
「人と話すの……少し苦手で。」
結衣が優しく肩に手を置く。
「大丈夫。」
「みんな優しいから。」
小雨は安心したように微笑んだ。
イレイダが全員へ向き直る。
「これで全員揃った。」
「改めて紹介する。」
「ソウヤ。」
「結衣。」
「タジ。」
「柚季。」
「アリス。」
「雛儀。」
「小雨。」
「……そして俺。」
「これが今の能研だ。」
ソウヤは改めて仲間たちを見回した。
(こんなに頼もしい仲間がいる。)
(俺も、もっと強くならないと。)
その夜――
マスタークラウン本部。
グランの前に一枚の資料が置かれる。
そこには能研メンバー全員の写真。
「新しい能力者が二人。」
グランは静かに資料を眺める。
「仭内雛儀。」
「醒ヶ井小雨。」
マランが資料を閉じた。
「能研も戦力を揃えてきたか。」
ペインは笑う。
「面白くなってきたじゃん。」
グランは立ち上がる。
「ならば次は、こちらも本気を見せる。」
その言葉に、その場の空気が一気に張り詰めた。
一方、能研。
誰も気付いていなかった。
本部の屋上から、一人の黒い影が仲間たちを見下ろいていた。
「……能研。」
「少しずつ駒が揃ってきたな。」
その人物は静かに姿を消す。
新たな戦いの幕開けは、すぐそこまで迫っていた。




