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Psycer Brain ─ 神に抗え。その力で運命を変えろ。─  作者: n217 (嘯江 新«ウソブエ シン»)


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第15話「共鳴」

暗黒の精神世界。


ソウヤとレイの拳が激突する。


ドォンッ!!


衝撃で黒い空間がひび割れる。


レイが笑う。


「悪くねぇ。」


「でも、その程度じゃ俺には勝てねぇ。」


一瞬でソウヤの懐へ潜り込む。


ドゴッ!!


腹部へ重い一撃。


ソウヤは吹き飛ばされる。


「ぐっ……!」


地面を転がる。


立ち上がろうとするが、身体が動かない。


レイはゆっくり歩いてくる。


「お前は守ることばっか考えてる。」


「だから弱い。」


ソウヤは息を整える。


「違う。」


「守ることは弱さじゃない。」


レイは鼻で笑う。


「甘いな。」


「敵はお前が待ってくれるほど優しくねぇ。」


現実世界。


ソウヤの身体から黒と青、二つのオーラが噴き出す。


床に亀裂が走る。


タジが後ずさる。


「マジで建物壊れるぞ!」


柚季は能力で周囲を浮遊しながら距離を取る。


「今までで一番危険だわ…。」


結衣はソウヤの手を握ったまま離れない。


「ソウヤ……。」


「帰ってきて。」


その声は精神世界にも微かに届いていた。


ソウヤが顔を上げる。


「……結衣?」


レイが眉をひそめる。


「チッ。」


「外の声か。」


ソウヤは立ち上がる。


「一人じゃない。」


「俺には仲間がいる。」


レイは少しだけ笑った。


「だから面白い。」


その時。


精神世界に一本の斬撃が走る。


ザァァン!!


黒い空間が裂ける。


ソウヤとレイが同時に振り向く。


裂け目の向こうに立っていたのは――


イレイダ。


「……来られないはずじゃ。」


ソウヤが驚く。


イレイダは静かに答える。


「普通ならな。」


「だが、お前の暴走で精神と現実の境界が薄くなった。」


「だから一瞬だけ入れた。」


レイは口元を吊り上げる。


「へぇ……。」


「面白い女だ。」


イレイダは愛刀を構える。


「勘違いするな。」


「俺はお前を倒しに来たんじゃねぇ。」


「ソウヤを連れ戻しに来ただけだ。」


レイは笑う。


「今はまだ引いてやる。」


「だが覚えとけ、ソウヤ。」


「俺は消えない。」


「お前が俺を必要とする時は必ず来る。」


黒い霧となってレイの姿は消えていく。


精神世界が崩壊を始める。


イレイダがソウヤへ手を伸ばす。


「行くぞ。」


ソウヤはその手を掴む。


目を開ける。


能研・訓練室。


結衣が涙ぐみながら笑う。


「……おかえり。」


ソウヤは小さく頷く。


「心配かけた。」


タジが大きく息を吐く。


「生きた心地しなかったぞ!」


柚季も安心したように微笑む。


「でも、一つ分かった。」


ソウヤが顔を上げる。


「レイは敵じゃない。」


「あなたの中にいる、もう一人の人格。」


「どう向き合うかは、あなた次第。」


イレイダは窓の外を見つめる。


「……時間がねぇ。」


タジが聞き返す。


「何が?」


イレイダは振り返らずに言う。


「近いうちに、本物の敵が動く。」


その言葉と同時に、遠く離れた場所で一人の男が静かに目を開く。


その男の周囲には、禍々しい能力の波動が渦巻いていた。


まだ名前は明かされない。




しかし、その存在だけで空気が震える。




「……そろそろ始めるか。」

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