表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Psycer Brain ─ 神に抗え。その力で運命を変えろ。─  作者: n217 (嘯江 新«ウソブエ シン»)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/159

第14話「もう一人の自分」

能研本部・訓練室。


訓練を終えたソウヤは、一人で椅子に座り込んでいた。


静かな部屋。


誰もいない。


右手を見つめる。


「……また、あの声だ。」


拳を握る。


「俺は……何なんだ。」


その頃。


結衣は廊下でイレイダを見つける。


「イレイダさん。」


イレイダは足を止める。


「どうした。」


「ソウヤのことです……。」


「様子がおかしいんです。」


イレイダは少しだけ目を閉じた。


「分かってる。」


「今はまだ、自分と戦ってる最中だ。」


「手を出すな。」


「……はい。」




訓練室。




ソウヤは再び能力を使おうとしていた。


「はぁっ!」


空間がわずかに歪む。


しかし──


(……弱い。)


頭の中に声が響く。


ソウヤが固まる。


(その程度か。)


「またお前か……。」


(俺を使え。)


「断る。」


(お前じゃ勝てない。)


(アリスにも。)


(誰にも。)


ソウヤは耳を塞ぐ。


「黙れ!」


その瞬間。


視界が真っ暗になる。


気が付くと、そこは何もない黒い空間だった。


床も空も存在しない。


ただ黒だけが広がる世界。


「……ここは?」


後ろから声がした。


「よう。」


ソウヤが振り返る。


そこに立っていたのは──


自分だった。


いや。


瞳は深紅。


笑みは冷たく、不敵。


制服も黒を基調としている。


「やっと会えたな。」


「俺は──レイ。」


「お前が……。」


「俺の中にいた……。」


レイは笑う。


「正解。」


「俺はずっとお前を見てた。」


「弱いよな、お前。」


ソウヤは睨む。


「俺は俺だ。」


「お前なんか必要ない。」


レイは肩をすくめる。


「強がるな。」


「俺がいなきゃ、お前は何も守れない。」


その頃、現実世界。


ソウヤは突然動かなくなる。


結衣が駆け寄る。


「ソウヤ!」


反応がない。


タジが焦る。


「おい!フリーズしてるぞ!」


柚季も表情を変える。


「精神世界に引き込まれてる……。」


イレイダだけは冷静だった。


「予想通りだ。」


タジが振り向く。


「助けないのかよ!」


「助けられねぇ。」


「これはあいつ自身が越える壁だ。」


「他人は入れない。」


精神世界。


レイが一歩近づく。


「俺を受け入れろ。」


「そうすれば、お前はもっと強くなれる。」


ソウヤは首を振る。


「力だけならいらない。」


「仲間を守れるなら、それで十分だ。」


レイは笑みを消した。


「……甘い。」


その瞬間。


黒い衝撃波が放たれる。


ソウヤは吹き飛ばされる。


現実世界。


ソウヤの体から黒いオーラが漏れ始める。


空間が震える。


タジが青ざめる。


「また暴走かよ……!」


結衣はソウヤの手を握る。


「お願い……戻ってきて。」


イレイダは一歩前へ出る。


静かに愛刀へ手を添える。


「……最悪の場合。」


「私が斬る。」


その一言で全員が息をのむ。


イレイダの表情に迷いはなかった。


精神世界。


ソウヤは立ち上がる。


傷だらけになりながらも、レイを見据える。


「俺は逃げない。」


「お前にも。」


「俺自身にも。」


レイは口元を吊り上げる。


「……そう来なくちゃ面白くねぇ。」


黒い空間が激しく揺れ始める。


二人は同時に地面を蹴る。


拳と拳が激突した瞬間──


つづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ