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Psycer Brain ─ 神に抗え。その力で運命を変えろ─  作者: n217 (嘯江 新)


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115/187

第115話「核の覚醒」

ドクン――。

ドクン――。


GENESIS地下深部

白銀の球体は一定の間隔で脈動を繰り返し、そのたびに施設全体が揺れる。

「地下構造の崩壊率、七十二パーセント!」

タジが端末を見ながら叫ぶ。

「これ以上続けば、この一帯ごと崩れる!」

結衣は負傷者へ回復能力を使い続けていた。

「みんな、急いで!」

燕はセツナを支えながら避難を誘導する。


レイと一仁

ドォォォン!!

一仁が瓦礫を蹴り上げる。

「まだ終わりじゃねぇ!」


periculum――崩壊。


床が砕け、天井から鉄骨が降り注ぐ。

しかしレイは落下する鉄骨を蹴り、一直線に一仁へ迫る。

「……。」

拳が閃く。

ドゴォッ!!

一仁の顔面へ直撃。

「ぐっ!」

そのまま壁へ叩きつけられる。

だが一仁は笑う。

「それだ!」

「その殺気!」

「ソウヤじゃ出せねぇ!」

レイは無言だった。

(ソウヤ。)

『聞いてる。』

(もう時間がない。)

『分かってる。』

『あの球体だろ。』


レイは静かに頷く。


東京湾

海面へ伸びる白銀の光は、さらに勢いを増していた。

フランはハルシオン艦橋で光を見つめる。

「出力が上がっている。」

その横では、ベルトがイーゼルとの通信を続けていた。

「ハルシオン、イーゼルともに異常なし。」

「ただし地下からのエネルギーは増加を続けています。」

フランは静かに命じる。

「護衛艦隊は現状維持。」

「地下から何が出てきても、東京湾へ到達させるな。」

「了解。」

ベルトは即座に各艦へ指示を飛ばした。

巨大戦艦ハルシオンとイーゼルは、互いを援護するように東京湾を制圧している。


その前方。


オールドマンは白銀の光を見上げたまま動かない。

アメスが警戒を解かない。

「あなたの目的は、あれですか。」

「ええ。」

「私は能力そのものより、その始まりを知りたかった。」

デウスが静かに口を開く。

「知れば後戻りはできん。」

オールドマンは笑う。

「構いません。」

「真実とは、知るためにある。」


名取家

惣一は石板へ刻まれていく文字を読み続けていた。

「……これは。」

夢幻が息を呑む。

「読めるんですか。」

「ああ。」

惣一は静かに頷く。

「だが、まだ断片だけだ。」

石板には古代文字が浮かび上がる。

『天の光は人を滅ぼさず、人を変えた。』

『その因子は血と共に受け継がれる。』

刹那は驚きを隠せない。

「能力は……。」

惣一が石板から目を離さず答える。

「遺伝。」

「代々受け継がれてきたものらしい。」

夢幻は低く呟く。

「まさか本当に……。」


GENESIS内部

ドクン――。

鼓動が一段と強くなる。

タジの端末へ新たな映像が映し出された。

「映った……!」

地下深部。

巨大空洞。

その中心。

白銀の球体。

そして。

球体の表面には無数の亀裂が走っていた。

「もう保たない!」

タジが叫ぶ。

「割れるぞ!!」

レイの瞳が鋭くなる。

「一仁。」

「これで終わりだ。」

一仁は血を拭い、不敵に笑う。

「面白ぇ!」

「来い!!」

二人が同時に地面を蹴る。

ドォォォォォン!!

激突した衝撃は、施設全体を震わせる。


その瞬間――


地下深部。

白銀の球体の中心から、一筋の黄金色の光が漏れ出した。

ピシッ……

ピシピシッ……

亀裂が一気に広がる。

東京湾ではデウスが静かに目を閉じた。


「……間に合わなかったか。」


誰にも聞こえないほど小さな声だった。


そして、白銀の球体はゆっくりと、その殻を開き始める。


第115話 完

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