82++話 愛を込めて弐頭身のトカゲを。
82++話 愛を込めて弐頭身のトカゲを。
・センは、正規ルートにおける星桜の全行動を把握している。
・彼女が『影の救世主ミスターZ』として世界を救い続ける未来を、断片ではなく構造として理解している。
・本来の歴史では、星桜は5歳で古文書を解読し、自力単独で簡易携帯ドラゴン『メギド』を作成する。
・それを起点として、第三次世界大戦の抑止、パンデミックの防止、犯罪資金の再分配、さらには上位政治への介入まで――世界規模の救世を、水面下で何度も成し遂げていく。
・その存在は都市伝説『ミスターZ』として語られるが、公に正体が露見することは一度もない。
・世界最高レベルの情報機関であるISAですら、その正体には最後まで到達できないでいた(本気で調べる気がなかったとも言える。上層部は『どうせ星桜か咲紅爛あたりがはしゃいでいるのだろう』ぐらいには思っていた)。
※咲紅爛は、星桜の双子の妹。姉と一緒に世界救世を行っていた、ミスターZの片割れ。
「星桜、お前はもう何もしなくていい。あとは俺がやる。てめぇは家でのんびりミルクでも飲んでいやがれ」
・センは、古文書だけではなく『彼女が背負うはずだった責務』の全ても、当然のように強奪する。
さらに、
「あと、お前の呪いももらうぞ。呪いってのは、あればあるほど強くなれる魅惑のバフだからなぁ。なるべく回収しておきたいんだ」
・星桜が背負っている『プライマルヒロインズの呪い(逃れられない運命の呪い)』も奪い取る。携帯ドラゴンの力を使えば不可能ではない奇跡。
・運命に呪われている星桜は、本来、二十歳前に病気で死ぬのだが、その呪いを、「一口頂戴」ぐらいの感覚で奪い取っていく狂気の閃光。
センエースの行動の意味を完璧に理解できるだけの知性を、星桜は持っている。
――ゆえに、
「そんなに熱烈なプロポーズをされちゃあ断るわけにはいかないっすね。しょうがない。オッケーっすよ」
「耳、死んでる? 誰もプロポーズなんざしとらんが」
★
ルナⅡ改を入手したセンは、さらに、爆速で世界の統制を進めていく。
その勢いは凄まじいもので、『究極の救世主』と呼ぶに足る、えげつない働きぶり……だったのだが、当の本人は、壱ミリも納得いっていないようで……
「携帯ドラゴンを入手したのはいいが……簡易版だと、やっぱりスペックが低いな。どんだけ魔改造しても、1日に使用できる魔力量が微妙だし、俺はトウシと違ってバカだから、これを使ってコスモゾーンにハックするとかもできねぇし。はぁ……なんで、俺はこんなに微妙なんだ……」
「すごい嫌味っすね。性格悪すぎて草」
「はぁ?」
「……あれ? もしかして、さっきの自己評価、嫌味やなく、ガチ? え、キモっ。そっちの方がゲロキモっ!! 頭エグすぎて草も生えへん! 認知機能に盛大な欠陥があるとしか思えん、人類史上最高クラスのバグ! あまりのキモさに、吐きそうっす!」
「訴訟。法廷でシャルウィダンス」




