71話 ゴミ屋敷の大掃除。
71話 ゴミ屋敷の大掃除。
「ぁ……ぁあ……っ!」
ユズはブルブルと震え始める。
そんな彼女に、センは、冷たい怒りをぶつけていく。
「行くぞ、殺してやる、バカ女」
「う、ぎぃい……く、くそがぁあ!」
やけくそになったユズは、
「てめぇ、キモいんだよ、ずっと、ずっとぉお! 消えろぉ! 極悪異次元砲ぉおおお!」
自身の真っ黒なエネルギーを『これでもか』と注いだ光線を放つ。
その熱量は信じられないほど膨大。
そんな極大エナジーを前に、センは、堂々と、
「来い、毘沙門天の剣翼」
背中に、美しく輝く『剣の翼』を顕現させる。
後光のように煌めく、無数の浮遊する剣。
ギリギリギリィっと、雄叫びのような駆動音を叫ぶ。
剣のいななきによって生成された豪快な光は、『バチバチといななく激しい電流』を纏い、センエースの両手へと集まっていく。
センは、『龍の口のように構えた両手』をユズに向け、
「――異次元砲――」
常軌を逸した質量の極大魔法を放った。
測定不能のオーラと魔力でもって、
ユズの極悪異次元砲をあっさりと飲み込んで、そのまま、
「あああああああっ!!」
ユズの命を貪り食らう、閃光の暴力。
爆音だけで空が包み込まれていく。
龍の照射が消え去った後、焼け焦げた黒い塊だけが残った。
ぽろぽろと崩壊していくユズの肉体。
まだしぶとく生き残っているユズは、霧散していく自分の体をどうにか、かき集めていく。
「ひぃいい! ひぃいい……っ」
泣きながら、奥歯をかみしめて、壊れていく自分をかき抱く。
そんな彼女に、センは、いまだわずかも陰らないギラついた目を向けて、
「すげぇ生命力だな。体はボロボロだが、まだHPが大分残っている。お前を殺し切るのは、なかなか時間がかかりそうだ。俺の長年の勘から想定される今回の労力は、『ゴミ屋敷の大掃除』と大体イーブンってところかな……やだねぇ、しんどいねぇ」
「うぅ……うぅ……」
とてつもない生命力と回復力で、黒焦げだった肉体を、すぐさま元に戻してみせたユズ。
だが、あきらかに、その戦意は低下していた。
そんな彼女に、センは、とどめとばかりに宣告する。
「……それじゃあ、泥試合を始めようか。みっともなく、無様に、ちまちまと、互いの命を削り合う根競べ。これは心を摘む闘い。遅々と進まぬ命の削り合い……その痛快さのかけらもない様は、まるで盆終わりの大渋滞。そして、それは俺が最も得意としている、どうしようもなく暴走状態の大醜態。さあ、やろうか……俺の我慢強さは……お前の想像をはるかに超えているぜ」
センエースの異常な圧力を前に、
「くっ……うっ……」
後退りするしかないユズ。




