24話 アポロギスとの死闘。
24話 アポロギスとの死闘。
――長い、長い、長い時間をかけて、ソウルゲートを出たセンは、
『200億を積んだ今なら楽勝だろう。俺はあまりにも強くなり過ぎた。敗北を知りたい』
『さあ、行くぞ。アポロギス。せめてもの慰めに、少しぐらいは楽しませてくれよ。俺の200億年を空虚なレクイエムにしないためにも』
などと、豪快にイキり散らかして挑んだ邪神に、
……ボコられた。
邪神は切り札を隠していた。
『究極完全体モード』という、ふざけたパワーアップ形態。
200億年を積んだセンエースですら歯が立たない強敵だった。
ボコボコにされたことで、驕っていたセンエースも目を覚ます。
『マジかよ。存在値15兆級の全力異次元砲が直撃してんだぞ。それが秒で回復とか、どんな生命力してんだよ、ふざけやがって……強い上に不死身じゃ話にもならねぇ』
『センエース……無駄なんだよ。君が何をしても。私は死ねない。ずっと苦しみ続ける。そういうものなんだ。それが私……究極超邪神アポロギスの運命。君は死ぬ。運命は変わらない。君ならば、もしかしたらと思ったけれど……やっぱり、無理だった。この絶望だけは終わらない。私は――』
悲観しながらも、センをボコボコにするアポロギス。
絶体絶命を前に、『シューリ』は、ボロボロのセンに、
『セン、もういい。……200億……すごい数字ね。あたしでは無理。あんたはすごい男。ありがとう……あんたなら、世界の全部を背負って飛べる。あたしの唯一の弟子であるあんたが、実質、世界最強になった。それだけで、十分。あたしの生きた意味はあった。だから――』
『最強ってのは、アポロギスを殺して初めて得られる称号だ。ハンパなパチモンはいらねぇ』
『セン! もういいと言っている! やめなさい! これ以上やられても、あたしが惨めになるだけ! それが、なぜ、わからない?! あたしは、あんたに生きてほし――』
『うっせぇ、ぼけぇえええええ!! お前の願いならなんでも叶えてやる構えだがぁああ! その頼みだけは死んでも聞いてやらねぇ!! 黙って俺が勝つのを見てろ!! 無駄な心配しなくとも、絶望の殺し方なら知っている!』
『なんで……そこまで……そこまでする価値が、あたしにあると本気で――』
そこで、センは、それまであえて強めていた『おふざけのノリ』を少しだけ抑え、どこまでも真摯な眼差しで、シューリを見つめて、
『心配すんな、シューリ。必ず見せてやるから。本物のハッピーエンドをプレゼントしてやる』
『セン……あたしは……』
『シューリ。今日だけは、黙って俺に全部ゆだねろ。明日以降は、ずっと、永遠に、いつものお前でいい。自由で気ままで、俺のいう事なんか全部シカトでわがまま放題の頭バグった女王様でいい。だけど、今日だけは俺に花を持たせろ。俺の生涯一度のワガママを聞いてくれるのなら……今日だけは……お前だけのヒーローになってやる!!』
――願望と絶望のるつぼの最果てで、センエースの可能性は、極致に届いた。
『無理だ、センエース。最強の神になった君でも私だけは殺せない。救われたいという想いすら呪い。私は……私は……』
『アポロギス、安心しな。俺は俺より強い程度の雑魚に負けねぇ。耳かっぽじれ。俺が誰だか教えてやる。……俺は、センエース。全ての神を超える男だ!!』
200億年を下地にした蕾は震えて、最果ての華、開く。
積み重ねてきた嘘を……ほんのわずかな本物に変える。
――究極超神化6――
積んで、積んで、真に完全なる絶望すら乗り越えようと、もがき苦しんで、その果てに得た力。
肉体全てにブーストをかける『神化』。
その進化形態である『超神化』。
超神化を超越した『究極超神化』。
それが進化した究極超神化2……を、超えて、超えて、超えて、超えた姿。
それこそが、究極超神化6だった。
つまりはインフレの極致。
最強という概念そのもの!
『ヒーロー見参!!』
どんな時でも絶対に脱がなかったピエロの仮面と、
永劫の中で磨いた戦闘力と、
最果てに届いた絶大なパワー。
そして、
『これが、俺の200億年の全部だ……くらえ――裏閃流奥義、龍閃崩拳――』
極大級の異常エネルギーが、アポロギスの中核をぶちぬく。
磨きに磨きぬいた『ダサすぎるあまり一周まわって、もはやカッコいいんじゃないかと誤解しかねない拳』で、
センは、究極超邪神アポロギスを完全に消滅させた。
――ありがとう、センエース。……もし、もし、生まれ変われたら、こんどは君の隣に――
そんなアポロギスの願いを、コスモゾーンは受け入れる。
死に際で、『センエースの隣にいること』を望んだアポロギスは、のちに『咲き誇る絢爛アダム』として転生し、センエースの配下筆頭……『PSR部隊のリーダー』となった。
こうして、センエースは、正式にシューリから『神の王』の座を譲り受け、
――偉大なる最強神『神界の深層を統べる暴君、舞い散る閃光センエース』となったのだ。




